家電Watchでは毎年末、スタッフとライター陣が選ぶ「今年の一台」という特別企画をお届けしている。昨日のやじうま編に続き、今回はスタッフの今年一番オススメの家電製品を紹介しよう。年末年始の買い物の際に、ご参考になれば幸いだ。

■モバイル機器の進化よりも、それを支える充電のことを考えよう ～パナソニック「チャージパッド」 by 正藤 慶一

パナソニック「チャージパッド」

　今年は外回りに出ることが多かった。福島に滋賀に稚内に大阪……なんだか1年じゅうドタバタしていた記憶しかない。今年は、そんな私のドタバタした日常を支えてくれた、ある機器を紹介したい。パナソニックの「チャージパッド」シリーズだ。

　チャージパッドは、無接点充電の世界規格「Qi」(チー)に対応した機器が充電できる置き台だ。チャージパッド自体をACケーブルでコンセントと繋ぎ、その上にQi規格に対応した機器を載せれば、USBなどに接続することなく、モバイル機器が充電できるというもの。詳しいことは、7月に掲載したレビュー記事を確認していただきたい。

　このチャージパッドを挙げる理由は、とにかく充電がラクな点に尽きる。外回りが続くと、携帯電話やモバイルバッテリー、カメラの電池もどんどん減っていくが、チャージパッドなら、対応したモバイルバッテリー、充電池ケースを載せるだけで、自動的に充電がスタートできてしまう。家に帰ってスーツから機器を出して、パッドに置いておくだけで充電できてしまうというのは、外回りが多かった今年は本当にラクだった。

　とはいっても、新しい規格なだけに、課題は山積みだ。特に問題なのが、対応した機器がとにかく少ないこと。対応しているスマートフォンは数えるほどしかない。日立マクセルからはiPhone 4用の充電カバーが出ているが、できればカバーなしで直接充電したいところだ。普段使いとして普及するには、機器側のバリエーションがまだまだ足りない。

　しかし、モバイルバッテリーと充電池の充電だけでも、十分に便利さは感じられた。我が家では目につきやすいようパッドをテレビの前に据えているので、置くのを忘れて充電しそびれることもないし、持っていくのを忘れることもない。モバイル機器の“居場所”というか“定位置"ができ、そこに機器を戻すだけで、自動的にパワーが回復するのだ。

　普及にはまだまだ時間がかかるだろう。「結局パッドの電源にケーブル使ってるじゃん」「つーか対応機器少なすぎ」というツッコミを受けるのもごもっともだ。だが、ケーブルが1つなくなるだけで、充電はかなり自由になる。これからモバイル機器がハイスペック化していくに連れて、バッテリーに対する負荷も高くなる。機器の高能力化とともに、充電も発展させていく必要があるのだ。

　発展途上のQi規格ではあるが、それだけに未来がある。数年先に当たり前になるかもしれない充電のスタンダードを、チャージパッドで先取りしてみてはいかがだろうか。

 

・家電製品ミニレビュー　パナソニック「チャージパッド」
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/kdnreview/20110705_458225.html
・パナソニック
http://panasonic.jp/
・無接点充電パッド QE-TM101-K
http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=QE-TM101-K
・USB対応モバイル電源パック QE-PL201-K
http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=QE-PL201-K
・単3・単4形ニッケル水素電池専用充電機能付キャリングケース QE-CV201-K
http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=QE-CV201-K

 

■吸引力/使い勝手/デザインを兼ね備えたベストな1台　～ダイソン「DC35 マルチフロア」 by阿部 夏子

ダイソン「DC35 マルチフロア」

　私の今年の1台はダイソンの充電式スティッククリーナー「DC35 マルチフロア」だ。とり回しが楽で、使いたい時にさっと取り出せる、この手の充電式掃除機が好きで、これまでも何台か使ってきたが、DC35はその中でも一番気に入っている。

 

　この手の充電式スティッククリーナーの場合、多くの人が、コードレスで使える利便性や、室内に置きっぱなしにできるデザインを重視するため、掃除機の基本性能であるはずの吸引力が二の次になっている製品が多い。その点、DC35は、吸引力やパワーに重きを置いている点が好印象。たとえば、ヘッド部分だけを見ても、多くの充電式スティッククリーナーでは、本体の稼働時間を重視して、ヘッドのブラシ部を回転させるモーターを搭載していないが、DC35では、吸引力を重視してヘッドを搭載している。

　さらに、1番の魅力は吸引力だ。スティックタイプの掃除機の多くが旋回気流がなく、フィルターでゴミを濾し取る、形だけの「サイクロン式」を搭載している中、DC35ではダイソン独自の「ルートサイクロン」を採用。外からでもゴミがグルグルと回っているのが確認できる。使い始めてもう半年以上が経つが、吸引力が落ちたと感じたことはない。

　使い勝手の面でも満足している。充電しながら収納できる壁掛けブラケットは、取り出しやすさやデザイン面もマル。壁や棚に直接取り付ける仕組みなので、設置場所を選ぶのは確かだが、壁掛けにすることで、確実に使いやすくなる。ダイソンらしい機能美が備わった本体デザインも気に入っている。

　さっと取り出して使える利便性に、確実な吸引力、さらにデザイン面も兼ね備えたDC35は、私にとってまさにベストな掃除機だ。

 

・家電製品クロスレビュー　ダイソン「DC35 マルチフロア」最終回
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/cross/20110519_446493.html
・ダイソン
http://www.dyson.co.jp/
・DC35 製品情報
http://www.dyson.co.jp/store/product.asp?product=DC35-IRSBL

■雨の日でも、気にせず洗濯物が干せる!　～三菱電機「衣類乾燥除湿機 MJ-100FX」 by 小林 樹

三菱電機「衣類乾燥除湿機 MJ-100FX」

　三菱電機の「衣類乾燥除湿機 MJ-100FX」が我が家に来てから、雨の日だろうと、夜だろうと、天気や時間帯を気にせずに洗濯物を干せるようになった。

 

 

　大小さまざまな衣類を一度に洗濯する我が家の場合、MJ-100FXがあると室内干しが断然はかどる。ただ単に洗濯物の乾燥スピードが早まるだけでなく、部屋干しのニオイや、シワ、乾きムラなどをカットして乾かしてくれるのだ。

　乾きムラを抑える仕組みは、衣類の乾きムラを検知し、本体上部のルーバーの角度と風量を自動調節する独自のセンサー技術「ムーブアイ」にある。運転する様子を近くで見ると、センサーがまるで生き物のように動き、キメ細かく運転を制御している。天日干しした洗濯物とほとんど違いがないほど、ふんわり仕上がった衣類は、袖に手を通しても、部屋干し特有の不快感は全くない。

　もちろん天日干しとは違って、部屋干しするからには消費電力はかかるけれども、消費電力は最大245/275W（50Hz/60Hz）に抑えられている。さらに30%消費電力を抑える「エコ干しモード」も搭載し、節電に配慮されている。

　運転音は最大49dBだが、運転音が気になるかどうかは設置場所にもよる。我が家の場合、運転している部屋の扉さえ閉めてしまえば、運転音はほとんど気にならなかった。音の気になる方や、ワンルームの部屋に住んでいる方には、静かに運転する「夜干しモード」をオススメしたい。

　日中家を空けることが多く、なかなか洗濯物を干す時間がとれない方、外に衣類を干せない方、あるいは複数の家族で暮らしていて、一度にさまざまな衣類を干す方には、室内干しの不快感を一掃してくれるMJ-100FXを試してみてはいかがだろうか。

 

・家電製品ミニレビュー 三菱電機「衣類乾燥除湿機 MJ-100FX」
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/kdnreview/20110609_451509.html
・三菱電機
http://www.mitsubishielectric.co.jp/
・MJ-100FX 製品情報
http://www.mitsubishielectric.co.jp/home/jyoshitsuki/detail_moveeye.html