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ダイエット停滞期を抜け出すにはどうしたらいい? タニタに相談しました

順調に減量していたと思っていたら突然全く痩せなくなりました

家電 Watch編集部数名による「ダイエット部」発足から早1年。筆者もコツコツと頑張り、去年の暮れの記事では「約2.5カ月で-4.5kg減量できました」と報告しましたが、その後全くと言っていいほど痩せなくなってしまいました(なんなら微増)。

いわゆる“停滞期”ってやつなんだろうとは思いつつ、でもそこからどうやって抜け出したらいいのか分からず悶々としていたところ、ダイエット部の存在を知ったタニタから「お気軽にご相談ください」とのお言葉が。

タニタ本社

お言葉に甘えて、早速相談しに行ってきました。

相談に乗ってくださったのは、同社タニタ栄養研究所の堀越理恵子さん。管理栄養士と公認スポーツ栄養士の資格を持っており、現在はプロのアスリートの食事やコンディショニングのサポートなどスポーツ支援を行なっているそうです。

同社タニタ栄養研究所の堀越理恵子さん

どうやったら停滞期から抜け出せるの?

堀越理恵子さん(以下敬称略):松川さんの状態は想像通り、まさに停滞期ですね。約2.5カ月で-4.5kgというのはスピードとしては結構早めだと思います。頑張っても1カ月に1kgから、どんなに頑張っても2kgくらいにするとリバウンドもしにくいですよ。

松川:停滞期が来てしまった=ダイエット失敗と捉えたほうがいいんでしょうか?

堀越:そんなことはないです! やはり順調に体重が落ちてくると、どこかでこう頭打ちというか、停滞期に入ってしまうのは、生命維持のために身体の防衛反応がしっかりと働いている証拠です。

松川:この停滞期から早く抜け出すにはどうしたらよいでしょう?

堀越:個人差があるので、何カ月で抜け出せます! とは言えませんが、ある程度期間を空ければ十分抜け出すことは可能です。

身体が「これ以上体重を落とされたら生命維持に危険が及ぶのじゃないか」と感じて、食事からのエネルギーの吸収率を高め、基礎代謝や運動時の消費エネルギー量を低く抑えるようになります。例えるなら“省エネモード”に入ってしまっている状態なんです。

松川:よく聞く「代謝が落ちる」ってやつですね。

堀越:そこから抜け出すためには、食事制限をしていた場合には、食事の量を少しずつ増やす必要があります。体重が急激に増えないように、様子を見ながら、ちょっとずつ増やしていただければ、リバウンドも防げます。例えばご飯を1口ずつ増やしていくイメージですね。

松川:私も「食事量を増やして代謝を上げる」というのは聞いたことがあったので、試しにと自己流で食事量を増やしてみたんですが、止め時が分からず……。気が付いたらかなり食事量が増えていってしまいました(笑)。

堀越:止め時は、食事量を少しずつ増やしていって、体重が増えたタイミングです。体重がちょっと増えた=そこまで食べると多いということなので、体重が増えなかったところで、その後しばらくは食事量を維持してみてください。そうすれば身体が「ちゃんとエネルギーが入ってくる!」と安心して、また減量期に突入することができますよ。

松川:なるほど。私は既に体重が微増しているくらいに食べているので、停滞期(省エネモード)から脱却できますね! 減量スピードに気を付けてまた頑張ろうと思います。

堀越:じわじわと減量する方が、停滞期になりにくくなりますからね。あとは食事のバランスも気を付けて欲しいです。筋肉量が減ってしまうと代謝も下がってしまうので、筋肉の材料になるたんぱく質もしっかり確保できるよう意識してみてください。

インタビュー中の堀越さん

体組成計の正しい測定時間と姿勢は?

松川:そもそもなんですけど、体組成計に乗る時間っていつがいいんでしょうか?

堀越:おすすめしているのは、運動や食事、入浴の後を避けた同じ時間帯での測定です。体温や体内の水分バランスが異なると測定値にも影響が出てしまうので、できるだけ条件が近くなるよう、同じ時間帯で測ることを推奨しています。

松川:運動や食事、入浴の後……って、具体的にはどれくらい空ければいいんでしょう?

堀越:2時間程度です。とはいえ“同じ時間帯”での測定が最も重要なことですので、必ず運動や食事、入浴の2時間後でなくても大丈夫ですよ。

松川:分かりました! 自分の生活リズムに合うタイミング・同じ時間帯での測定を心がけます。

運動や食事、入浴の後を避けた同じ時間帯に測ることを推奨

松川:あと測定時に、結果を早く知りたすぎて、ついつい足元のモニターを猫背になって見てしまうのですが……測定時はまっすぐ前を見てなきゃいけないとか、正しい姿勢ってあったりしますか?

堀越:接着面が足だけの体組成計であれば、ちょっと猫背になる程度であれば数値に影響が出ることはほぼ考えられません。膝や腰が曲がってしまうと影響が出てしまいますが。

松川:どうして膝や腰は影響が出てしまうんですか?

堀越:体組成計は、足から弱い電気を身体に流しているのですが、膝や腰が曲がっていることで電気がうまく流れることができず、数値に影響が出てしまうのです。なので体脂肪率や筋肉量といった、電気を流すことで算出している数値には影響が出てしまいます。

松川:正しい値を測るためにも、なるべく姿勢はまっすぐを心がけておいた方が良さそうですね。

堀越:表示部を見る時にはなるべく視線だけで、姿勢は維持するっていうところを意識していただくのがイイかなと思います。

左のように少し首を下げて表示部を見ながら測定するのはOK。右のように腰を曲げるのはNG

一番痩せる有酸素運動はなわとびって本当?

松川:そういえば、先日某YouTuberが動画の中で「一番痩せる有酸素運動はなわとび」と紹介していたんですけど、それって本当なんでしょうか?

堀越:一番痩せるのかと言われると明確に答えることは難しいですが、運動強度が高いので、ダイエットしたい人におすすめできる運動ではあります。消費エネルギー量の大きさは、ウォーキングやジョギングを大きく上回っています。

「メッツ」という運動強度の単位では、普通歩行やピラティスが3メッツ。早歩きや自転車が4メッツ。ジョギングが7メッツで、エアロダンスだと7.3メッツです。一方、なわとびは飛びぬけて12.3メッツになります。これはバスケやサッカーの試合よりも高い数値です。12.3メッツよりは若干低くはなりますが、潜水士もなわとびと同じくらいの運動強度ですね。

松川:海猿よりも運動強度が高いなんて……(笑)。思っていたよりなわとびが激しい運動だったと知って驚きました。

堀越:ボクサーがするイメージがあると思いますが、それくらい激しい運動なのです。ちなみに私も自宅でなわとびをするのですが、長時間は無理です(笑)。短時間で効果的に運動をしたい人におすすめですね。

松川:なわとびは、タイパがいい有酸素運動なんですね!

堀越:ご飯100g分のエネルギーを消費するために、なわとびは15分、早歩きは45分と考えたら、手っ取り早く同じエネルギー量を消費できるという点で、やはり強度の高いなわとびは有効だと思います。

タニタから発売されているなわとび「カロリージャンプ」では、消費カロリーが表示される

堀越さんにいろいろとお話を伺い、停滞期を抜け出す希望の光が見えたような気がしました。これからまたバランスの良い食事を意識しつつ、なわとびで有酸素運動を取り入れたダイエットを行なっていこうと思います。

相談に乗ってくださった堀越さん、ありがとうございました!

松川 叶実