トピック
1万km走ったe-bikeドライブユニットの状態は? 特別に分解してもらい中身をチェック
2023年8月8日 08:05
インプレスe-bike部・清水氏の愛車ことcorratec(コラテック)「E-POWER SHAPE PT500」。2019年発売のe-bikeですが、その走りの良さは現在でも定評があります。
発売時に車体を借りてレビューしましたが、試走してビックリ。それまで乗ったe-bikeのなかで抜きん出て速かったんです。軽快でスピードに乗りやすくて、「e-bikeでもこんなにスイスイ走る機種があるのか!」と感嘆しました。
で、インプレスe-bike部・清水氏は、このe-bikeで10,000km走りました。10,000km!! 仕事でもさまざまなe-bikeに乗りながら。
それはまた、走りまくり。清水氏にとってこのe-bikeは、もはや彼の記憶の一部を形成している大きな存在に違いありません。
ところで清水さん、10,000kmも走ってe-bikeにガタが来てたりしません? 「いや定期的にメンテナンスしてますし、ドライブユニットも快調で、バッテリーも問題ありません」とのこと。
でもでも、ドライブユニットの内部とかは、どうなんでしょう? 「そうですね、10,000kmもアシストさせているから、かなり汚れているかもしれません」と。
そこで、実際、10,000kmも走行をアシストしてきたドライブユニットがどうなっているのか? ボッシュの人に無理やり頼んで「かなり使い込んだドライブユニットの中身」を見せてらもうことにしました。
10,000km走行したドライブユニット「Active Line Plus」をパカリと開くと……?
10,000km走ったe-bike、「E-POWER SHAPE PT500」を都内某所へ持ち込みました。そしてさっそく、ドライブユニットを自転車から外し、パカリと中身を見せてもらうことに。はてさて、使い込んだドライブユニットの中身はどうなっているんでしょう?
果たして、ガッツリと走り込んだドライブユニットの中身はどうなっているのか? どのくらい汚れているのか? どこかに不具合は発生しているのか?
パカッとな! あら、これは、予想外に……!
ドライブユニットのハウジングカバーが外されました。そこにあったのは、予想外の……結果が待っておりました。
なるほど。Active Line Plusはそのトルクからギアが樹脂という仕様です。よりトルクフルなPerformance Line CX(最大トルク85Nm)は、ギア類に力がかかるためより高い耐久性が必要となり、ギア類は金属製。
豊田さんは「10,000km走ったPerformance Line CXとかだと、ギアの金属が削れる関係で、もう少し汚れていると思います。ただ、ドライブユニットは密閉性が非常に高いので、それ以外の汚れが付着することは考えにくいですね」と言います。確かにActive Line Plusでも外部からドライブユニット内に汚れが侵入したような様子は、どこをどう観察しても見当たりませんでした。
にしても、10,000kmの走行を支えてきても、ボッシュActive Line Plusの中身、全然汚れていないんですね。まだまだガンガン走れますね、清水氏!
最後に豊田氏は「今回は企画で特別にドライブユニットを分解しましたが、一般の方は真似しないようにお願いします。保証外となりますし、組み上げを誤るなどすると事故につながる可能性もありますので」とおっしゃいました。ですよね。分解はしない方向でゼヒ。
販売店で「e-bikeの健康診断」もできる、愛車の各種情報がわかる
分解したドライブユニットを再び組み上げてE-POWER SHAPE PT500に取り付けた後、「e-bikeの健康診断をしておきましょう」と豊田氏。ボッシュのe-bikeシステムには独自の「電動自転車診断レポート」アプリがあり、販売店が「e-bikeの状態を細かく見るため」に使っています。アプリをインストールしたPCとe-bikeをUSB接続し、e-bikeの各種状態示すデータを表示するというものです。
これで得られる情報は、走行データはもちろん、e-bikeの販売店や所有者、e-bikeとしてのユニークなプロダクトID、最大アシスト速度設定、各種(e-bike関連の)コンポーネンツなどなど。当該e-bikeに関するほぼすべての情報が得られます。
表示を見て清水氏が首を傾げた理由は、最小バッテリー温度の項目が「2.21℃」となっていたことです。「寒いのは嫌いだし、バッテリー温度が2.21℃になるようなときに走った記憶もないし……」とのこと。でもすぐに思い出して「あっあの雪の日の走行かな。そうそう、大雪の日、なにごとも体験とか言って走ってコケたときかー」と。
いろいろ記録されていて興味深いですね、ボッシュe-bikeの「電動自転車診断レポート」。なお、このレポートはボッシュe-bikeオーナーなら誰でも見られます。販売店に持ち込めばe-bikeとPCを接続して見せてくれると思いますので、興味のある方はゼヒ。
といった感じで、10,000kmのアシスト走行を達成したボッシュActive Line Plus。ドライブユニットも問題なしの健康状態で、「電動自転車診断レポート」アプリで詳細を見てもとくに問題は見つかりませんでした。予想以上にタフなボッシュ製e-bikeシステム。次は20,000km走行時にまた分解&診断してみたい気がします。