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"e"じゃないけど「AIオートマ」自転車も試乗する【家電 Watch編集長、e-bike買うってよ!】
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- シマノセールス
2025年12月11日 09:00
本気でe-bike購入を考えている家電 Watchの中林編集長を追いかける本連載。車種選びから購入までの過程を紹介することで、これからe-bikeの購入を考えている人の参考にしてもらえればと考えていますが、今回はちょっと番外編。シマノが開発したオートマチックシフト機構「Q’AUTO(クォート)」を搭載したNESTO(ネスト)のクロスバイク「AUTOMATE(オートメイト)」に試乗してもらいました。
AI学習機能を備えたオートマチックシフト
「Q’AUTO」とはライダーのペダリングに応じて最適な変速を自動で行なうオートマチックシフト機構で、AI学習機能も備えているので、ライダーの好みに合わせたシフトタイミングを実現してくれます。変速は電動で行なわれるため、変速に気を取られることなくライドに集中できるのがメリット。「AUTOMATE」はリアハブに発電するダイナモに加えてリチウムイオンキャパシタを内蔵しているため、充電不要で使える気軽さも持ち合わせています。
「AUTOMATE」はe-bikeではありませんが、中林編集長の使い方にはマッチしそう。おさらいしておくと、街乗りがメインで、1駅程度の近所での買い物や、たまに3駅分ほど離れた体育館にバスケをしに行く際に乗りたいとのこと。バスケの際は荷物が重く、近所には坂道も多いためe-bikeが良さそうですが、「AUTOMATE」も実は向いているのでは? と思い今回試してもらうことにしました。
自転車のオートマチックといってもあまり馴染みはないと思いますが、シマノでは50年以上前からこの機構について研究開発を続けていて、1968年には「オートマチック5」という外装5速に自動2段変速を組み込んだ機構を実用化。1997年には「AUTO D」というスピード感知型オートマチック変速システムを、2000年には内装3速の「AUTOMATIC INTER-3」をリリースしています。
今回登場した「Q’AUTO」はいわばその集大成ともいえる製品。外装の10速と11速が用意されていて、「AUTOMATE」には10速が採用されています。変速は電動で行なうDi2システムで、リアハブ部分にダイナモとリチウムイオンキャパシタのほか、速度・ケイデンス・傾斜を計測するセンサーを搭載しています。
「Q’AUTO」は速度やケイデンス、傾斜などをセンシングして自動で変速してくれる機構ですが、変速のタイミングはライダーによって好みもあります。その好みに対応するために採用されたのがAI学習機能。自動で選択されたギアやタイミングが好みと違った場合、シフトスイッチ操作でギアを選びなおすことが可能で、次に同じシチュエーションになった場合にはそのギアを選ぶように学習してくれます。AIを活用することで、約6kmほど走れば学習時間は済むとのことで、学習が終われば操作をしなくても好みのギアを選択してくれるようになるとのことです。
「Q’AUTO」の詳細を知ると、それを搭載しながら198,000円という価格を実現している「AUTOMATE」はかなりリーズナブルだと感じてきます。シフトワイヤーを装備しなくて済むメリットを活かし、車体のルックスは非常にシンプル。ブレーキワイヤーもフレームの内部を通すインターナル方式とし、ベルなどもシンプルな造形のものを採用することでスッキリしたルックスとなっているのも魅力です。重量は10.75kg(520mmサイズ)。
自然なシフトフィーリングと高い学習能力を実感
中林編集長には「Q’AUTO」の学習能力を実感してもらうため、いつもの使用条件で1週間ほど乗り回してもらいました。乗ってみてまず感じたのは「違和感のない自然なシフトフィーリング」だったとか。
筆者も試乗しましたが、確かに「この辺でシフトアップしてもらいたいな」と思ったタイミングで変速され、そのフィーリングも自然。手動の変速だとガチャっと変速されるイメージですが、「Q’AUTO」はコツっという程度で変速ショックが少ない印象。ギアが変わったことは感じられるけど、乗っている側としてはいつの間にか変速されているくらいの高級感があるフィーリングです。これは「リンクグライド」というペダリング中でもスムーズなシフトを実現するシマノの独自技術の効果で、チェーンやスプロケットの寿命を従来の3倍に伸ばす効果もあるのだとか。
変速のタイミングについては「乗り始めてすぐは、少しシフトアップのタイミングが早いなと思うこともありましたが、スイッチで変速すると次からはそのタイミングを学習してくれるので、ストレスがなくなってどんどん自分好みになっていきました」とのこと。AI学習の効果は名ばかりのものではないことが実感できたようです。「シフトスイッチははじめのうちは操作しましたが、後半にはほとんど触らなくなっていた」とか。実際に、編集長が乗る前と後で試乗してみたのですが、シフトアップするタイミングが少し変わっていることが感じられました。
自動で変速してくれるのは、シフトアップだけではありません。車速が落ちてくれば自動でシフトダウンもしてくれます。信号などで停まる際にも1段ずつ変速されるので、一気にペダルが軽くなってしまったりもしません。ただ、外装変速のため、ペダルを回していないと変速されないので、停まる手前でもペダルを止めずに回し続ける必要があるのが、少し慣れが必要かもしれません。
ちなみに、信号の手前でペダルを止めてしまってギアが落ちていなかったとしても心配ありません。再び漕ぎ始めた際に車速に合ったギアまでシフトダウンしてくれます。ペダルを回し始めた段階では重く感じても、スムーズにシフトダウンしてくれるのでそれを待てば大丈夫。しかも、ペダルをかなり強く踏み込んでいても問題なく変速できます。これも「リンクグライド」の効果でしょう。
その効果を最も感じるのは上り坂。スタンディングで思い切りペダルにトルクをかけた状態でもスムーズに変速してくれます。従来の外装変速機だと、ギアが変わる瞬間に少しトルクを抜く必要がありましたが、そんなことを考える必要がないのには驚きました。中林編集長も上り坂でも変速の快適さは実感していた様子。
「変速するときはペダルを止めないといけないのかと思っていましたが、ペダルを止めなくてもどんどんシフトアップ/ダウンしてくれるため、何も考えずに漕いだり周囲を確認することに集中できて安心でした」と話していました。急坂で一気に何段もシフトダウンしたいシーンでは「何度もスイッチを押すのではなく長押しで軽くなるのがラクでした」と操作性の良さも感じていたようです。
自宅の周辺には坂道が多いという中林編集長ですが「想像以上に良かったのは、下り坂から急な上り坂に変わる道を進むとき。アップダウンが急でもスムーズに追従してくれました。坂を上り始めるときの “ここからがんばらなきゃ”という心の負担も減るのがいいですね」と話します。「学習が進むとさらに快適な移動手段になったので、ちょっと遠目の場所でも電車ではなくQ'AUTOで出かけたいと思えるようになりました」。
中林編集長に「AUTOMATE」を試乗してもらう前、e-bike Watchスタッフにはちょっとした危惧がありました。それは「これがいい」となってしまったら【家電 Watch編集長、e-bike買うってよ!】という連載タイトルに関わってくるからです。そして、そうなってもおかしくないほど「Q’AUTO」の完成度は高く、快適だったから。その点についても試乗後に確認してみました。
「適切なギアを選んでくれるので、坂もスイスイ上れるし、これでも十分かなと思いましたが、バスケで疲れた後の帰り道はやはりe-bikeのほうがありがたみを感じる」との答え。確かに、運動で疲れた後に坂を上って帰るような使い方だと、アシストがあったほうが楽ですよね。「このオートマチックシフトがe-bikeに搭載されていたら、それが一番いいかも」とのことでしたが、確かに「Q’AUTO」とe-bikeの相性はかなり良さそう。e-bikeに乗っているとついつい変速をサボってしまうこともあるので、そこで変速を自動でやってくれたら……と妄想も膨らみます。今後の展開に期待したいところです。
(提供:シマノセールス)






















