e-bike試乗レビュー

快速系クロスバイクと個性派ミニベロも試乗【家電 Watch編集長、e-bike買うってよ!】

本気でe-bike購入を考えている家電 Watchの中林編集長を追いかける本連載。車種選びから購入までの過程を紹介することで、これからe-bikeの購入を考えている人の参考にしてもらえればと考えています。今回は、以前に乗ることができなかった快速系クロスバイクとミニベロのe-bikeに試乗してもらいました。

今回もe-bike専門店の代官山モトベロにお世話になりました。車両の説明をしているのはスーパーバイザーの大地さん

e-bikeを選ぶ際に大切なのは、使い方に合わせることですが、中林編集長の使い方は街乗りがメイン。ただ、3駅分ほど離れた体育館にバスケをしに行くことがあり、その際は荷物が大きく、坂道も通るとのことでe-bikeのメリットが活きてくるシーンです。これまではアシストのないクロスバイクに乗っていたので、スポーツタイプの自転車には慣れています。

コンパクトに折りたためるDAHON「K-Forth」

まずはミニベロタイプから試乗してもらいました。最初に乗ったのはDAHON(ダホン)の「K-Forth(ケーフォース)」。16インチホイールを採用した車体は、折りたたみも可能でコンパクトに収納できます。変速機構は搭載しておらず、シンプルな見た目も魅力の1つです。

ミニベロの中でも小径のタイヤを採用し、重量は12.5kg。価格は168,000円
ハンドル、フレームを折りたたむことでコンパクトに。折りたたみ時のサイズは77×60×35cm(幅×高さ×奥行)
バッテリーはフレームに収納されていて容量は120Wh。取り外しはできない
ドライブユニットは後輪の車軸と一体となったハブモータータイプ。変速ギアは搭載されていない

見た目にはe-bikeと思えないほどシンプルな車体構成。特にバッテリーがコンパクトなのが効いていますが、実際に乗ってみるとアシストは思った以上に強力です。中林編集長も「軽快な見た目で変速もないのに、しっかりアシストしてくれる」と驚いていました。「小径だけど、がんばって漕がないといけない感じでもなく、ちょっとした移動なら十分」との感想です。

小径タイヤで変速もないので速度維持は苦手と思いきや、街乗りには十分な速度で巡航できる

バッテリー容量は小さめですが、その分軽く折りたためるのもメリット。実際に持ってみても軽いので、たたんで自宅に持ち込むようなシーンでも負担は少なそうです。編集長も「これまで輪行はまったく考えていなかったけど、旅行先に持って行ったら楽しみの幅が広がりそう」とイメージを膨らませていました。装備をシンプルにしたことで、価格が抑えられているのも魅力で、対応身長は140~190cmと幅広いので共用しやすそうです。

変速ギアはないものの、アシストがしっかりしているので坂道も苦労することなく上れる

BMXスタイルが個性的なFUJI「MX-E」

続いて乗ってもらったのがFUJI(フジ)の「MX-E(エムエックス イー)」。e-bikeには珍しいBMXスタイルで、20インチのホイールにオフロード向けのようなゴツいタイヤを履いたスタイルが個性的です。こちらも変速ギアはなく、バッテリーは外付け感が満載ですが実車を前にすると不思議な魅力があります。

細身のクロモリフレームにノブのあるタイヤを組み合わせた車体。重量は20.2kgで価格は198,000円
BMXらしいガセットの入ったフレームに、20インチのゴツいタイヤの組み合わせが個性的
容量378Whのバッテリーは近年のe-bikeには少なくなってきた外付け式。最大アシスト距離は85km
ハブモータータイプのドライブユニットを採用し、変速ギアのないシンプルな構成

「BMX自体はあまり身近に感じてなかったけど80年代風のデザインはかっこいい」。標準装備されるリアキャリアは最大積載量27kgでかなりしっかりしています。「荷物が多い移動にはうれしいですね。カジュアルな服装で乗れそうですね」と中林編集長も好印象。

ハンドルが高めでシートにどっかり腰掛けるような乗車姿勢も独特。駆動輪に荷重しやすい設計だ

アシストは強力ですが、お尻に荷重が集中するライディングポジションなので長時間乗るとちょっと痛くなりそう。「BMXなのであまり座らないものだと思いますが、長く乗るのには向いていないかもしれないですね。ただ街乗りには十分ですし、個性という意味では突出しています」と編集長も話します。筆者も乗ってみましたが、フレームの作りがしっかりしていることもあり、乗っていて楽しい車体で、長距離移動というより近所で遊ぶのが似合っていると感じました。

乗っている姿も個性的で街中で目を引きそう。変速はなくてもアシストは強力で坂もスイスイ上れた

軽快な走りが光るSpecialized「TURBO VADO SL」

ここからは編集部的にこの辺りが本命となると考えている快速系のクロスバイクタイプに乗ってもらいます。まずはSpecialized(スペシャライズド)の「TURBO VADO SL(ターボ ヴァド エスエル)」。独自のドライブユニットとフレーム内蔵のバッテリーを採用し、軽量な車体が特徴です。

試乗車は2018年モデルですが、現行モデルの「VADO SL 4.0」は重量が15.5kgで価格は330,000円
バッテリー容量は320Whで取り外しはできない。ディスプレイはなく、バッテリー残量とモードはLEDで表示する方式
操作系もシンプルでスッキリしたルックスを実現している。このシンプルさが軽さにも効く
試乗車の変速ギアはシマノだが、現行モデルはSRAMの11速を採用している

コンパクトで軽量なドライブユニットと、容量を抑えたバッテリーのおかげもありシンプルでスッキリした見た目。中林編集長も「今回の中では一番好き」と気に入った様子です。実際に持ってみると、前回乗ったクロスバイクタイプと比べても軽量に仕上がっていることが感じられます。

走ってみても軽さは感じられる。アシスト任せに走るのではなく、適切なギアを選んでケイデンスを維持するのが楽しく走るコツ

発生するトルクは35Nmなので、他社のe-bikeに比べると控えめ。ただ、ペダルを回して行くとパワーが出てくる特性なので回転数を高めに走るとしっかり加速します。「スピードを出しているときは快適。坂を上るときはアシスト任せではなく、ギアを落とすと楽に上れた」と話していました。別売のレンジエクステンダーで走行距離を延長できるのも高評価のポイントだったようで「これなら遠出をもっとしたくなるかも」とのことでした。

かなり急な坂道を上ってみましたが、軽いギアを選べば座ったまま上れる力をもっていました

ドイツ生まれの快速系corratec「E-POWER SHAPE PT500」

最後に乗ってもらったのはcorratec(コラテック)の「E-POWER SHAPE PT500(イーパワーシェイプ ピーティー500)」。2020年に登場した快速系e-bikeの代名詞的モデルで、e-bike Watchでも何度も取り上げてきました。既にメーカーからの販売は終了していますが、代官山モトベロではラスト2台の在庫を持っているとのこと。価格も抑えられていて、お買い得感があります。

代官山モトベロでカスタムが施された車体。価格はこの状態で280,000円なので魅力的です。重量は19.5kg
ドライブユニットはボッシュ製「Active Line Plus(アクティブラインプラス)」。バッテリー容量は500Whを搭載
ハンドルは少し幅の狭いものが付いています。ちなみに試乗したのはe-bike Watch清水氏のもの
ペダルも三ヶ島製のものに変更されているほか、タイヤも替わっていました

「オーディオなどドイツ製品が好き」だという中林編集長は、ドイツブランドというのも気に入ったようです。設計段階から日本の代理店が関与していて、日本人の体格や走り方に合わせて設計されているのもポイント。筆者も過去に何度も乗っていますが、リアまわりの剛性感が高く、アシストのパワーをしっかり路面に伝えられる印象でした。

平地だとあっという間にアシストの効く24km/hを超えてしまうような加速感が味わえる

ボッシュ製のドライブユニットはパワフルで、それでいて静か。編集長も「平らな道も、急な上り坂もかなり安定感あって安心。日常にも遠出にも使いやすそうで、一番疲れなさそうな印象だった」とのこと。フレームのバッテリーが入っている部分が、ほかに比べて太いのが気になったようですが、使い方的にバッテリーを外して充電できる方がいいとのことで、その点でも評価が高かったようです。

激坂も楽々上れてしまうパワフルさも魅力。乗っていると車体の重さもあまり感じません

これまでクロスバイクに乗ってきたこともあり、やはりクロスバイクタイプのほうが気になっている様子。特に今回乗ったのは走りのいいモデルだったので、普段使いだけでなく遠出もしてみたいと希望も広がってきているようでした。これまで乗ったモデルの中で購入モデルを選ぶのか? ほかにも気になるモデルがあるのか? 購入に至るまでの過程を引き続き追っていきたいと思います。

増谷茂樹

乗り物ライター 1975年生まれ。自転車・オートバイ・クルマなどタイヤが付いている乗り物なら何でも好きだが、自転車はどちらかというと土の上を走るのが好み。e-bikeという言葉が一般的になる前から電動アシスト自転車を取材してきたほか、電気自動車や電動オートバイについても追いかけている。