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シマノの新型XTR、電動ワイヤレスの良さを150万円のメリダ最新MTBで体感した
- 提供:
- シマノセールス
2025年11月19日 09:00
ちょうど1年前から、MERIDA X BASEでのMTB基礎レッスンに始まり、トレイルライドやダウンヒルをe-MTBで楽しんできた筆者ですが、そんななかでシマノのMTB向けコンポーネンツ、新型XTRが登場しました。ワイヤレスの電動変速システムに加え、ブレーキ、クランク、カセットスプロケット、ホイールなどをラインナップし、高い操作性・走破性を実現しているモデルです。
それを装備した車体がどんな走行感だったかもレビューしましたが、上記にあるとおり大雨のダウンヒルという難しいコンディションだったので、できれば走りやすい環境でもう一度試してみたい、と思っていました。
その願いが叶い、ついに新型XTRをまとったメリダのハイエンドMTB「BIG.NINE 10K(ビッグナイン テンケー)」をお借りできることに。こちら、お値段なんと1,485,000円! しかもe-bikeではない、普通のMTBです。転かしてしまったら大変なことになりそうだなあ、と思いつつも、2025年の締めくくりとしてトレイルコースで走り回ってみることにしました。
新型XTRとBIG.NINE 10Kがとにかくカッコよすぎる
新型XTRについては、今のところ日本国内ではe-bikeで採用するモデルがまだ登場していません。発表当時、e-bike向けパーツ(電動ワイヤレスディレイラー)の国内導入は予定していない、というシマノからの説明もあったのですが、あらためて確認してみるとe-MTB向けのディレイラーとなる「RD-M9260」の日本語ページが開設されており、今後の日本向けe-MTBでの採用に期待が高まります。
とはいえ、現時点で販売されているのは通常のMTB向けモデル(ディレイラーの型番はRD-M9250)で、これを含む新型XTRのコンポーネンツをフル装備した市販MTBはメリダとキャノンデールのみ。メリダのBIG.NINE 10Kは、お値段も冒頭に書いたとおり約150万円と目ん玉が飛び出そうですが、せっかくお借りできるならちゃんとしたコースで走ってみよう、ということで、都心のほど近くにある「トレイルアドベンチャー・よこはま」にお邪魔しました。
で、BIG.NINE 10Kを見て真っ先に目を引いたのは、その無駄のないシンプルなフォルム。新型XTRの各パーツがそのシルエットを崩すことなくコンパクトにまとまっていて、極めて洗練された印象を受けます。ありていに言えば「超カッコいい」。正面から見ると平たいエアロハンドルバーもクールで、低めのポジションになっているのは筆者の好みにジャストミートです。
そして、車体は驚くほど軽い。下の写真にあるとおり軽々と持ち上げられます。フレーム、前後リム、ハンドルバー、シートポストとあらゆる部分がカーボン製ということもあるのだと思いますが、もちろん新型XTRの軽量設計も活きているのでしょう。
軽さは大正義! さらに軽快なシフターでe-MTB並みの登坂力!?
そんなわけで、さっそくコースイン。スタートから中盤まで続く上りをやすやすと駆け上がっていけます。以前このコースを走ったときは、トレイルアドベンチャー・よこはまのレンタルMTBも試させてもらったのですが、1本走ったら完全に息が上がり、合間に長く休憩を取らないと走る気力が湧かないほどでした。
しかし、BIG.NINE 10Kはそれより明らかに軽快で、疲れも少ない。これは単純に車体の軽さだけでなく、新型XTRの電動ワイヤレス変速システムのレスポンスの良さも影響しているように感じます。ハンドル右にあるシフターのパドルを親指で軽くプッシュすればサクサクと変速できますし、その瞬間にペダリングをほとんど緩める必要もないので、推進力を無駄なく地面に伝えられるのです。
トレイルアドベンチャー・よこはまのようなトレイルコースは時間貸しですから、その限られた時間内にできるだけ走り込みたいもの。ただ、トレイルライドの一番のお楽しみ、コース後半に設けられているジャンプやバームのポイントまで行き着くには、そこまでの前半の上りをこなさなければならず、体力が削られてしまうのがネックです。つまり、たっぷり楽しむには「いかに疲労を抑えられるか」がカギになってきます。
その意味では、アシストのあるe-MTBが最も効率的にトレイルライドを楽しめるのは間違いありません。しかし、BIG.NINE 10Kもe-MTBほどではないとはいえ、軽快さという強力な「バフ」が得られることで効率良く周回できます。シフターの操作性の高さを活かしてスピードも乗せやすく、軽量な車体はe-MTBよりもはるかにコントローラブルです。
コントローラブルといえば、微妙な力加減で制動力を操れるブレーキシステムもそう。たとえばウェット気味になっている下りターンでは、タイヤがギリギリでロックしない「限界」を見極めて適切に減速し、走り抜けることもできました。
BIG.NINE 10KはリアサスペンションのないハードテイルMTBではありますが、その分全体的な剛性感が高く、車体の挙動を捉えやすいようにも思います。そこに新型XTRの高性能が加わることで、「走る・曲がる・止まる」をライダー(筆者)の技量より一段高い次元で達成できるように感じるほど。いつもより速く走れて、さらに高くジャンプできたような気がします。
ところで、走り出してしばらくすると、少し気になったのがシフターのパドルの位置。筆者にとっては手に触れやすい位置にあり、そのために自分の意志とは無関係に唐突にシフトダウンしてしまいがちでした。が、このパドルは方向を変えられるようになっています。アーレンキー1本でボルトを緩め、向きを少し調整することで、意図せず触れることが減り、より快適にライディングできるようになりました。
今回は試すことができなかったのですが、シフターの機能はスマホアプリからカスタマイズすることもできるので、自分の好みに合った操作性を追求していく楽しみもありそうです。
これを体験したら、もう元には戻れない!!
以前のダウンヒルで体験したときも思ったことですが、新型XTRはやはり筆者のようなビギナーや、体力に自信がない人にとっても適したアイテムだなあとあらためて感じました。「走りの良さ」を即座に実感できるいいところだらけの新型XTR。ですが、それによる軽快な走りを一度体験してしまうと、もう元に戻れなくなってしまいそうなのが、もしかしたら最大の「デメリット」かもしれません。
BIG.NINE 10Kはさすがに手が届かないので、もっとリーズナブルな価格の新型XTR採用MTB、またはe-MTBの登場を待ちたいところ。だけれど、BIG.NINE 10Kのような車体の軽さ、ポテンシャルがあってこそ新型XTRの性能が活きるのでは、という気もします。
いずれにせよ、おそらく2026年からはメーカー各社から続々と登場することになるだろう他の新型XTR搭載MTB(e-MTBも?)が楽しみ。ストイックにMTBにするか、無理なく続けられそうなe-MTBにするべきか、まだまだ迷う日々が続きそうな予感です。
(提供:シマノセールス)






























