読者投稿「e-bikeな人々」

オートバイからe-bikeに乗り換えて、憧れの乗鞍スカイラインへいきなり遠征

e-bikeオーナーたちのリアルなe-bikeの楽しみ方や購入理由などをご紹介する読者投稿コーナーです

今回は石川県在住のトレック「Powerfly 5」オーナーの田村さんの投稿です。

初めまして、石川県在住の田村と申します。年齢は50代後半であります。e-bike Watchは3年ほど前から読者として毎日チェックしておりまして、楽しみながらいろいろな情報を収集していますが、e-bike Watchと出会ってなければ、今の楽しいe-bikeライフがなかったかもしれません。そして、まさか自分が記事を投稿する日が来るとは……。

後述するイベントでお会いしたe-bike Watch・清水氏から読者投稿の新コーナーが始まるので投稿してみませんか? というご依頼があり、「え、自分なんかで良いんだろうか(汗)」とも考えましたが、e-bikeの楽しさや購入を検討されている読者のみなさまにのお役に立てるなら、と投稿させていただきました。

愛車はトレックのハードテイルe-MTB「「Powerfly 5」

私の愛車は2020年初夏に購入したトレックのe-MTB 「Powerfly 5」です。もともとはオートバイのツーリングを趣味でした。ツーリング先といえば、ほぼ決まって信州方面。飽きもせず毎年毎年、年に4~5回頻繁に訪れていました。北アルプスや南アルプス、中央アルプスに美ヶ原、八ヶ岳、遠くの富士山など、大自然が作り出した地形のレイアウトがなんとも絶妙に感じられて何度も訪れても飽きることはなく、ツーリングだけではなく、夏は北アルプスで登山、冬は白馬でスキーと楽しんできました。

ですが、ちょうど3年ほど前に自宅のオートバイ置き場が諸事情で手狭になったため、残念ながら愛車の「アフリカツイン」を手放すことを決断したのです。

愛車の「アフリカツイン」。美ヶ原高原道路で槍穂高連峰をバックに

それでオートバイに代わる趣味を模索していたところ、インターネットでe-bikeの存在を知ります。「次はこれかな?」というおぼろげな感じでしたが。

基本的に新しいものが好きで、電動アシスト自転車といえばママチャリタイプしか知らなかった自分には、なんだか魅力的に感じたのです。自転車であれば室内保管もできますし、何よりも税金や車検がない!!

当初は“近場を20~30kmほどゆるポタでもすれば健康にも良いだろう”という軽い気持ちで車種選びを始めました。が、まさか現在のような楽しみ方になるとは想像もしませんでした。

オートバイ売却費から出せる予算としても25万円ほど。オーバーしても30万円が限界かなと物色していたところ、e-bike Watchの記事でトレック「Rail 9.7」をべた褒めしている記事を発見。カーボンフレームでフルサスのハイエンドモデルです。かなり惹かれたのですが、価格は見ると……さすがに無理(涙)。

ならば、セカンドモデル的に位置づけされるアルミフレームのハードテイル「Powerfly 5」はどうだろう……。こちらもかなりのお値段です。当初の予算の倍くらいになってしまいます。しかし、悩んだ挙句「Powerfly 5」を注文することに。その決め手になった1つが、e-bike Watchの記事でした。『試乗4車種の中では、舗装路での速さは「Powerfly 5」がピカイチでした』の一文。

自分の用途としては、ほぼ舗装路メインでの使用が予想されること(当時はロードバイクタイプのe-bikeの選択肢が限られていた)。ボッシュ製ドライブユニット「Performance Line CX」を体験してみたかったこと。そして、このe-bikeなら以前から走ってみたかった「乗鞍」を走ることもできるのでは? というのが理由です。

乗鞍高原は観光バスと自転車のみ走れます。マイカーやオートバイは乗り入れ禁止で、信州ツーリングを楽しんできた自分には憧れの場所だったのです。国道158号線の乗鞍近辺を走るたびに見かけるたくさんのロードバイク乗りの方々。「今から上がるんやろなー」「大変だろなー」と横目で見つつ、仲間と楽しそうにチャレンジされている姿を羨ましくも思ったものです。

「いや、そんなに乗鞍走りたけりゃ50万もする高額なe-bikeを買わんでも、そこそこのロードバイクでお前も頑張って走ればええやん」。もう一人の自分の声が聞こえましたが、その声は無視。50代後半に差しかかり、メタボでろくに運動していない自分にはハードル高すぎです。

納車翌日にいきなり乗鞍へ遠征。無謀すぎ!?

「Powerfly 5」納車翌日の天気予報が快晴だったので、テスト走行もそこそこに無謀にもいきなり乗鞍へ遠征です。 クルマに積み込む際、その車重で腰から悲鳴が上がりましたが、前後輪とバッテリーを外せば楽に積載できます。

岐阜県側の「乗鞍スカイライン」ゲート駐車場からスタート。 距離約15km、平均勾配約7.5%のコースです。バッテリーがどれほど持つか分からなかったため、中間の「Tour」モードからスタートしたのですが、「キツイ」「しんどい」が第一印象。

こんなはずでは……。たまらず最強の「Turbo」モードに切り替え。少しは楽になったものの感想は「うーん、こんなもん?」でした。心が折れかけてUターンの思いもよぎりましたが、せっかく石川から遠征に来たのだからとにかくゴールの畳平まで頑張ろうと。

当日は週末でたくさんの(速そうな)ロードバイクの方々が駐車場でスタンバイしているのを見て「何台に抜かされるのだろうか……」なんてこともスタート時に考えていました。 e-bikeとはいえ、乗鞍初挑戦に少しビビッていたのです。

そして、この辛さ。「やってもうた~」「e-bike Watchに騙された~」なんて考えがよぎるところ、前方のロードバイクを一台、また一台と逆に自分が追い抜いているではありませんか!! 「走り慣れてない方たちなのかな」とか失礼なことを思っていたのですが、さらに前方の集団も自分がパスし、そのまた前方の集団もパスしてその時「早いですねー!!」と声をかけられたのです。

「えっ? 俺が早い!?」と内心驚きつつ「あ、これe-bikeなんでー、すんませーん」と慌てて返答。そういえば中盤に差し掛かっても、まだ1台にも追い越されてないことに気付きます。そして、快晴の乗鞍の絶景に感動しながら畳平にゴール。結果的には50台以上のロードバイクをパスし、追い越されたのはまさかの「ゼロ」でした。

まさしく天空の道。1台にも抜かれなかったことに気付きました

「Turbo」モードを多用したにもかかわらず、バッテリーも最後までなんとか持ちました。スタート直後は辛さに車種選び失敗したかも……なんて少し後悔していたのですが、ゴールしての印象は「Powerfly 5、こりゃすごい! 楽しい!」「e-bike Watchありがとー」となりました(笑)。

雲海の乗鞍スカイライン
岐阜と長野の県境、自転車で上れる日本一高いポイント(写真はその後の遠征時のもの)

「Powerfly 5」に搭載されるボッシュ製ドライブユニット「Performance Line CX」は、ペダリングの方法次第でほどよいスポーツ感を残しつつも、楽に、速く、楽しく上れることに上っている途中に気付いたのです。

序盤は辛く、休み休みペダリングを繰り返していましたが、漕ぎ出す一瞬だけ「グッと押される感触」があって、なんだか楽なのです。一方で、一定のケイデンスでペダルを漕いでいると辛い。試しに「3回漕いでちょっと止め、3回漕いでちょっと止め」という変なペダリングを繰り返すうちに、ドライブユニットのおいしいところだけを抽出できて、本当に楽に上れるのです(少しセコイ技かもしれませんが・汗)。

しかも、10%以上の激坂になればなるほど、その恩恵が生きるようです。 これは後にライター・増谷さんもレポートされており、e-MTBのPerformance Line CXに限り「extended boost」というアシスト調整制御が効いていることのようです。

この乗鞍でのヒルクライムをきっかけに「e-MTBペダリング」を多用していくことになります。各地へ遠征する日々の始まりです。e-bikeならどんな遠征が楽しめるのか、またご紹介させてください。

投稿募集

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