北海道電力、固定価格買取制度による風力発電の受付を開始
北海道電力は2日、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」による風力発電の購入受付を開始した。申し込みできるのは、定格出力が20kW以上の発電設備。
今回受付を開始したのは、「通常連系」分が8,300kW、「解列条件付連系」分が30,500kWで、合計38,800kW。
通常連系分は発電した電力を常時、北海道電力が買い取る。しかし、解列条件付連系は、稼働している火力発電所が3台以下になった場合には接続が切られる。北海道電力によれば、年間時間の約25%程度は接続されない想定としている。
北海道は、風力発電に向いた地域とされている。しかし、北海道電力では、電力系統の安定性を保つために、風力発電の上限を36万kWに制限している。今回、購入受付を開始したのは、この枠内で調達が未達だった部分。
今回、固定価格買取制度による、20kW以上の風力の買取価格は1kWh当たり23.1円で、従来の買取価格よりもかなり高く設定された。また、買取期間も20年に設定されており、風力発電事業者にとって状況が改善された。
なお、風力発電に関しては、発電容量が大きく変化するため、火力発電との組み合わせによる調整が必要となる。北海道電力の場合、火力発電所の出力が限られていることから、風力発電の容量を36万kWに制限している。
これを解消するため、同じ50Hz圏内である東北電力および東京電力と共同で、調整力を増やすための実証実験が2014年~2015年に予定されている。
北海道電力ら50Hz圏内の3電力会社で予定されている実証実験の概要 |
具体的には、30分以内の短い周期の変動は北海道電力が調整するが、30分より長い周期の変動は東京電力への送電量を変化させることで調整を行なう。これにより、北海道電力は20万kWの風力発電枠を増やす計画となっている。
東北電力の場合は、夜間の調整力が不足した場合に、火力発電所の出力を増やし、東京電力へ最大24万kWを送電する。
風力発電の受け入れ容量を増やすための相互協力は、60Hz圏内でも行われており、北陸電力と四国電力で、それぞれ20万kW程度の増加を見込んでいる。
(伊達 浩二)
2012年7月3日 13:55