パナソニック、加熱エリアを絞って時短・節電するオーブンレンジ「3つ星ビストロ」
「スチームオーブンレンジ NE-R3500」ルージュブラック |
パナソニックは、加熱エリアを絞ることで時短・節電する「スチームオーブンレンジ NE-R3500」を6月1日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は15万円前後。
スチーム、レンジ、オーブン、グリル加熱などに対応した庫内容量約30Lの高級オーブンレンジの新モデル。パナソニックの3つ星ビストロは、マイクロ波と光ヒーターで直接グリル皿を加熱する独自の「光ヒーターシステム」により、加熱時間が短く、短時間で調理できる点が特徴。本体には、加熱時間10分で調理できる専用レシピ「10分でちゃんとごちそう100レシピ集」が付属する。
ホワイト | 扉を開けたところ | 本体操作部 |
扉下にはスチーム調理用の水タンクが備えられる | 本体側面 | 加熱時間10分で調理できる専用レシピ「10分でちゃんとごちそう100レシピ集」が付属する |
■少量を賢く調理する「スピードエリア加熱」
新製品のNE-R3500では、家族の食スタイルの多様化に着目した。同社のユーザーアンケートによると、家族の夕食時間バラバラであると答えた人は53%で、お弁当の材料や1人分の昼食など少量での用途が多いという。一方、1人分、2人分の少量でビストロを使うのはもったいないと感じている人もいたという。
NE-R3500では、これらのニーズを受け、1人~2人の分調理に便利な「スピードエリア加熱」機構を新たに搭載した。従来機種では、全体をまんべんなく加熱するために、マイクロ波と光ヒーターを上下で順次加熱していた。スピードエリア加熱機構では、3本ある光ヒーターのうち2本だけを使って、グリル皿の前方のみを集中的に加熱。マイクロ波と光ヒーターで同時に加熱するため、調理時間が約20%短縮できるほか、消費電力の低減にもつながるという。
家族でも食事時間がバラバラなことが多く、少量調理のニーズが増えているという | スピードエリア加熱は、少量調理専用の加熱方法。グリル皿前方のみを集中的に加熱するため、調理時間が短縮できるほか、消費電力も削減できるという | 塩さばの調理時間は従来の10分から、7分53秒に短くなった |
なお、光ヒーターシステムそのものの能力も向上している。光ヒーターの火力は従来の870Wから920Wに、グリル皿の食品との接触面積を従来の約1.2倍に向上している。
これらの新機構により、従来10分かかっていた1人~2人分の焼き物/揚げ物の調理時間は約8分に短縮。トースト1枚を焼く時の加熱時間を約3分50秒とした。これは、庫内容量同サイズのオーブンレンジとしては業界最速に当たるという。
トースト1枚の両面焼きにかかる時間は約3分50秒で、業界最速だという | トーストを焼く時は枚数によって、配置する場所が異なる | 少量を調理する場合は、グリル皿先方に食材を配置する |
さらに、焼き物・揚げ物・焼き魚のレシピについては、設定人数を変更している。ビストロでは従来、焼き物・揚げ物・焼き魚を調理する際の人数設定は2人あるいは4人からしか選択できなかった。NE-R3500では、世帯人数の多様化に合わせて、人数設定を1人/2人/3人/4人の4段階から選べるようになっている。
省エネ機能では、調理後に電気代を表示する機能を新たに搭載した。地域ごとに異なる電気代のレートも必要に応じて変更できる。
調理の設定人数は1人/2人/3人/4人の4段階から選べる | 調理後に電気代が表示される機能が新たに搭載された |
■スマートフォン連携で、レシピ確認や本体操作がぐっと楽に
おサイフケータイFelica搭載機種のAndroidスマートフォンで本体操作できる機能を新たに搭載した |
そのほか、おサイフケータイFelica搭載機種のAndroidスマートフォンでビストロの操作ができる機能を新たに搭載した。スマートフォンをパナソニックのクラウドサーバーにつなぐことで、レシピ検索や、ビストロ本体の操作を省略できるという。
スマートフォンに専用のアプリケーションをダウンロードすることで、ビストロ専用の「CookBook」やレシピ集に掲載されているレシピを食材やタイトルから検索できる「レシピ検索」機能、オリジナル料理の材料や作り方などを写真と一緒に最大100件まで登録できる「マイレシピ登録」機能、レシピの材料リストの中から必要な材料だけを選んでメールで送信できる「お買い物メモ」機能などができるという。
また、スマートフォンで検索したレシピの情報をビストロ本体に送信し、モード選択の手間などを省く機能も搭載する。同社では、スマートフォンとの連携機能により、ビストロの活用シーンがさらに広がるとしている。
食材やタイトルからスマートフォンでレシピ検索ができる「レシピ検索」機能 | 材料をスマートフォンで簡単に確認できる | 自宅にない食材のリストをメールで送信できる「お買い物メモ」 |
レシピ画面を表示してから、本体にかざすと、本体を操作することなく、コース設定が一発でできる | スマートフォンをかざす場所にはマークが記されている |
運転モードでは、自宅で調理・冷凍した食品を解凍から一気に焼き上げる「凍ったままグリル」機能、焼き物と煮物を同時に調理する「合わせ技セット」などを搭載するほか、使用した自動メニューの履歴が6つまで表示される「メニュー履歴表示」機能を新たに搭載する。
本体サイズは、509×468×414mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約22.2kg。レンジ加熱の最大出力は約1,000Wで、800~150Wで調節可能。オーブン加熱時の温度調節範囲は100~300℃で、30~45℃の発酵モードも備える。本体カラーはルージュブラックとホワイトの2色。
下位機種として、スマートフォン連携機能、「10分でちゃんとごちそう100レシピ集」などが省略された「NE-R305」も同時発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は12万円前後。
会場では、料理研究家の寺田真二郎氏が登壇。ビストロを使ったオリジナルレシピを披露した。寺田氏は、ビストロの使い勝手について「簡単・時短・本格的という印象を受けた。予熱なしでここまで短時間で、完成度の高い調理ができるのは、従来のグリルやレンジ調理にはない魅力」と話した。
料理研究家の寺田真二郎氏 | 会場で実際にビストロを使って調理を行なった | チキンにチーズを載せて、生ハムをかぶせて、パン粉をまぶしたカツレツ。パン粉にオリーブオイルを混ぜることで、揚げなくてもジューシーに仕上がる |
■「大火力おどり炊き」でごはんをふっくらと炊きあげるスチームIHジャー炊飯器
会場には、先日発表された「スチームIHジャー炊飯器 SR-SX2」シリーズも展示されていた。新搭載のインバーター技術と、コイルの高速交互通電により、釜底全体から大小の希望を出して連続沸騰する「大火力おどり炊き」が特徴の新製品で、内釜には熱効率の良い「ダイヤモンドハードコート」を施した「ダイヤモンド竈釜(かまどがま)」を採用する。
これらの新機能により、炊きあがったごはん一粒あたりの大きさは従来より約10%大きく、うまみ・甘み成分も従来より約17%向上しているという。
「スチームIHジャー炊飯器 SR-SX2」ルージュブラック | ホワイト | 操作部は本体天面に備えられている |
本体底部に搭載されているコイル | 熱効率の良い「ダイヤモンドハードコート」を施した「ダイヤモンド竈釜」を採用する | 米粒の大きさが従来より約17%向上しているという |
スマートフォンをかざす場所にはマークが記されている |
また、スマートフォンを使ってレシピの検索や炊飯設定ができる機能も搭載。家族の好みや予定に合わせた炊飯設定「我が家流 炊飯予約」が最大6件まで登録でき、一度登録すれば、次回からはスマートフォンをタッチするだけでコース・予約設定ができるようになる。対応するスマートフォンは、おサイフケータイFelica搭載機種のAndroidスマートフォン。
発売は6月1日で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は、5合炊きの「SR-SX102」が95,000円前後、1升炊きの「SR-SX182」が99,000円前後。
本体サイズは265×329×231mm(幅×奥行き×高さ)で、本体重量は6.2kg。消費電力は約1,210W。炊飯時間は23~48分。炊飯メニューは「白米・無洗米・玄米・発芽/分づき米・雑穀米・炊き込み専用・炊きおこわ・すしめし・カレー用・おかゆ・玄米がゆ・発芽/分づきがゆ・雑穀米がゆ」の13種類を備える。SR-SX102とSR-SX182ともに、カラーはルージュブラックとホワイトが用意される。
(阿部 夏子)
2012年3月27日 15:09