九州電力、32万kWの苅田火力1号機が発電を再開

~溶接不良で蒸気漏れが発生

 九州電力は8月30日、苅田発電所新第1号機の修理が完了し、通常運転を開始したと発表した。

 苅田発電所新第1号機は、8月4日に、ボイラーチューブからの蒸気漏れがみつかり、運転を停止していた。

 故障の原因は、ボイラー側面に溶接されているシール板の一部に溶接不良があり、割れが発生。割れによって空気が流入し、ボイラー内部のベッド材(石炭と石灰石の混合物)が巻き込まれて、ボイラーチューブが摩耗した。

 対策として、漏れを起こしたチューブ2本を交換した。また、類似した箇所の点検を行ない、溶接不良が見つかった場所は修理を行なった。

 苅田発電所は、福岡県京都郡苅田町に立地する火力発電所。新第1号機は、2001年に旧設備を置き換えた比較的新しい設備で、石炭を燃料として蒸気タービンを回し、さらに排ガスでガスタービンを回す加圧流動床複合発電方式を採用している。出力は、蒸気タービン29万kWとガスタービン7.5万kWの合計で36万kW。

苅田発電所新第1号機の構造と故障箇所





(伊達 浩二)

2011年9月1日 10:17