パナソニック、ナノイーで全室を除菌する“クリーン”な冷蔵庫

 パナソニックは、除菌・脱臭効果のあるナノイーイオンを全室に放出する冷蔵庫全5機種を10月15日より発売する。製品の詳細は以下の表の通り。

「NR-F555XV」ロイヤルダークステンレス「NR-F555XV」ロイヤルロゼステンレス「NR-F555T」シャンパン

型番定格内容積ドアタイプ本体カラー希望小売価格店頭予想価格
NR-F555XV552L6ドア

ロイヤルダークステンレス

ロイヤルロゼステンレス

オープンプライス29万円前後
NR-F555T

シャンパン

シルキーシルバー

ハーモニーホワイト

27万円前後
NR-F505T501L25万円前後
NR-F475TM470L24万円前後
NR-F455T451L

 同社の冷蔵庫のラインナップで最上位機種に当たる製品。熱を持つコンプレッサーを本体上部に設置し、冷却部を本体下部に設けた断熱効率の良い部品配置、独自の断熱材を採用しており、省エネ性能を高めた特徴となる。また、センサーにより周囲の明るさやドアの開閉頻度、本体周囲の室温、庫内温度を検知し、自動で運転を制御する「エコナビ」機能も備える。

ナノイーを全室に送るために発生ユニットを強化したほか、風路を整えた

 新モデルでは、従来は野菜室にのみ放出していた同社独自のナノイーイオンを、冷蔵室、冷凍室、野菜室の全室に放出する点が最大の特徴。ナノイーは、空気中の水分を結露させ電気分解した際に発生するイオンで、除菌・脱臭効果があるという。

 ナノイーを全室に送るために、ナノイー発生ユニットを強化。ナノイー生成に必要な水分が確保できるよう、電極先端での集水効率を向上させたほか、電極部にかける放流電流を従来の3倍とした。また、水量を安定させるために、放流電流を検知し、制御する方式を新たに採用した。さらに、各室にナノイーを循環させるための風路も新たに搭載した。

 冷蔵室では、ナノイーのほかに、Ag抗菌脱臭触媒を風路内に設置。ナノイーが庫内の付着菌と浮遊菌を99%除菌するほか、触媒とナノイーの2つの効果で、冷蔵室のニオイを脱臭するという。

 野菜室では、ナノイーが浮遊菌と付着菌を99%除菌するほか、野菜や果物などの表面に付着した防カビ剤をはがれやすくする、野菜や果物の栄養素を向上させるなどの効果があるという。また、冷気を直接野菜に当てないために、冷気をケース内部ではなくて、周辺に流す独自の構造も採用する。

 冷凍室・新鮮凍結ルーム・製氷室などの冷凍ゾーンでは、庫内のニオイを抑えて、清潔に保つ効果があるとする。

ナノイーによる除菌の仕組み。ナノイーに含まれるOHラジカルが菌の水素を抜き取り、菌の水素を水に変性し、菌を抑制するという
ナノイーによる浮遊菌の除菌効果(左)、付着菌の除菌効果(中央)、脱臭効果(右)

 冷凍機能では、急速冷凍を行なう「新鮮凍結ルーム」の機能を強化した。凍結スピードを速めるために、庫内のプレートの形状を改良したほか、冷気を送り込むダクトの形状を変更したという。

 食材の熱を素早く吸収する「新鮮凍結プレート」は、融点マイナス15℃の蓄冷剤を使った蓄冷プレートとアルミプレートで構成されている。新製品では、2枚のプレートの間における熱の流れをスムーズにするために、蓄冷プレートとアルミプレートを一体化した。また、食材に直接冷気が当たるようにダクトの形状を変更した。これにより、凍結スピードは従来の約5倍となった。

 また、凍結スピードが向上したことで、肉のうまみ成分を損なうことなく、冷凍・解凍ができるようになったという。これは、凍結による組織へのダメージが抑えらられるため、解凍時にうまみ成分(グルタミン酸)が肉の組織にとどまるというもので、同社では“業界初”の機能としている。

凍結スピードを速くするために、プレートとダクト部分を改良したそれにより冷凍スピードは従来の約5倍の速さとなった凍結時の組織へのダメージを抑えることで、うまみ成分の流出を防ぐという

 省エネ性では、外部からの熱の侵入量を低減させるため、新開発の「低吸熱量キャビネット」を新たに採用したほか、冷却システムの効率を向上させるために、コンプレッサーの高効率化させ、冷却器の熱交換面積を拡大させた。

 定格内容積552Lの「NR-F555XV」の本体サイズは、685×729×1,818mm(幅×奥行き×高さ)。各室の容量は冷蔵室が276L、チルドルームが23L、野菜室が115L、新鮮凍結ルームが32L、独立製氷室が15L、冷凍室が114L。





(阿部 夏子)

2010年9月14日 13:25