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エアコンの間違った使用で事故も 暑くなる前に試運転を
2025年5月30日 16:05
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)は、夏季の熱中症と製品事故のリスク低減を目的として、家庭用エアコンの早期試運転を呼びかけている。
猛暑が予想される今夏に備え、エアコンの安全かつ正常な動作を早期に確認することにより、シーズン直前の点検集中や重大事故を未然に防ぐことを狙っている。
NITEに通知された製品事故情報において、2020~2024年度に報告されたエアコンの事故は合計363件。そのうち約9割にあたる337件が火災によるものだった。製品が壊れるだけでなく、死亡事故など人的な被害も発生している。
調査が完結した261件のうち、事故原因の半数以上が「製品に起因しない」ものであり、誤使用や不適切な設置環境が主な要因とされる。こうした背景を受け、NITEでは使用前点検と早期の試運転を推奨している。
主な確認項目は次のとおり。
電源プラグが専用コンセントに直挿しされているか
エアコンは大電流が流れる場合があるため、延長コードやテーブルタップを用いると異常発熱し、発煙・発火のおそれがある。プラグやフィルターにほこりがないか
電源プラグはコンセントとの間に隙間が生じないようしっかりと差し込み、定期的に掃除をする。掃除の際はプラグを抜き、から拭きする。隙間にほこりがたまって表面に水分が付着するなどしてトラッキング現象が生じるおそれがあるため、特に湿度が高くなる夏は注意が必要。このほか、室内機のフィルターにほこりがたまっていると空気の通りが悪くなるため、試運転時だけでなく小まめに掃除をするよう呼びかけている。室外機周辺に物が置かれていないか
室外機の周囲に可燃物が置かれていると、可燃物が着火した際室外機が燃え移り、大きな火災に至る恐れがある。また、段ボールなどを置くと小動物や虫のすみかになり製品内部の配線をかじったり電源基板に接触することで短絡して発火する恐れがある。 エアコンの試運転は、設定可能な最低温度に設定し、冷房運転で冷風が出るかを10分間動かして確認する。さらに、30分ほど運転して、「室内機から水漏れがないか」「室内機や室外機から異音・異臭がないか」
「エラー表示がないか」をチェックする。異常が認められた場合は販売店やメーカーへの相談をするよう呼びかけている。
なお、詳しい試運転の方法は、それぞれの製品の説明書を確認してほしい。