パナソニック、京都・清水寺にLED電球817個を奉納

LED電球が点灯している、夕方の清水寺

 パナソニックは、京都の観光名所「清水寺」に、同社のLED電球817個を奉納、7日に交換式を開催した。

 パナソニックが2007年より実施している、白熱電球から環境配慮型の電球への交換を推進するキャンペーン「あかり交換」の一環として行なわれたもの。あかり交換ではこれまでにも、世界遺産の白川郷(岐阜県)や厳島神社(広島県)などで、白熱電球を電球型蛍光灯などの省エネ光源に交換してきたが、LED電球への交換は、2011年の青森・ねぶた祭りに続き2回目となる。

 清水寺にて白熱電球から交換されたLED電球は全817個で、すべてパナソニックが一般向けに販売しているものとなる。光色は電球色が中心で、光が全方向に広がるLED電球「LDA11L-G/W」「LDA7L-G」や、カバーが透明でクリア電球との交換を狙った“クリアLED電球”の「LDA6L/C」「LDA4L/C」、口金が斜めで断熱施工器具のダウンライトにも設置できる「LDA6L-E17/BH/S」なども使われている。

昼間の清水寺。紅葉シーズンの真っ最中で、多くの旅行客で賑わっている
清水寺各所の照明器具を見ると、光源がLED電球に変わっているのがわかる売店の明かりもLED電球になっている

 LED電球が設置されたのは、“清水の舞台”で知られる「本堂」をはじめ、国が名勝として指定した庭園「月の庭」がある「成就院」、事務所や宝蔵殿も兼ねた「大講堂」など13カ所。このほか、各所の通路などにも使用されている。交換作業は10月中旬より始められており、現在工事中の阿弥陀堂など一部を除いて完了している。なお、今回の交換による具体的な省エネ効果の数字については、現在のところ不明。

夜の本堂のようす。点灯している光はすべてLEDの光だ
本堂内の明かりには、全方向に光が広がる明るさ40W形相当のLED電球が使われているという灯篭の中を開けたところ。LED電球1灯で照らしている
国が名勝として指定した庭園「月の庭」がある「成就院」成就院の内部にも、LED電球が採用されている
こちらも光が広がるタイプのLED電球が採用されている
「大講堂」の内部。写真の天井照明は、直管形の蛍光灯を使用しているその周囲の明かりには、LED電球が採用されている壁の明かりにもLED電球を使用している

 7日には本堂にて交換式を開催。式典は、諸外国の子供達が京都に集い、二条城や清水寺といった京都の世界遺産を学習する、パナソニックとユネスコ世界遺産センターによる環境教育活動「エコ絵日記 グローバルウィナーズツアー」の一環として開催された。世界から集まった子供たちが、本堂の灯篭に使われていた従来の白熱電球を取り外し、LED電球に付け替えるデモンストレーションが行なわれた。

 交換式に登壇した、パナソニック アプライアンスマーケティングジャパン本部 商品グループ ライティングチームの浅井浩規チームリーダーは、LED電球のメリットについて「白熱電球と比べ、省エネ・長寿命という特徴があり、取替えや廃棄の手間が軽減されます。また、紫外線や赤外線をほとんど含まないので、国宝であるこの本堂や多くの重要文化財についてもダメージが少なく、保存に貢献できます」と説明した。

 LED電球の奉納を受けた音羽山清水寺の大西英玄氏は「寺の灯りとは仏の教えであり、先人たちの祈りの象徴。その灯りが今回、環境をはじめ、安全性などをより配慮したLED電球を採用させていただくことになりました。誠の光が我々の生活のみならず、我々の心により明るく照らすことを祈念申し上げます」と語った。

パナソニック アプライアンスマーケティングジャパン本部 商品グループ ライティングチームの浅井浩規チームリーダー音羽山清水寺の大西英玄氏式典では浅井氏から大西氏へクリアタイプのLED電球が贈られた
式典は、パナソニックとユネスコ世界遺産センターによる環境教育活動「エコ絵日記 グローバルウィナーズツアー」の一環として行なわれた。世界から集まった子どもたちが、灯篭を明かりを白熱電球からクリアタイプのLED電球に交換する
クリアタイプのLED電球に交換し、点灯したところ。灯篭が全体的に光っている

 敷地内各所に設置されたLED電球は、夕方より徐々に点灯。器具全体に光が広がるなど、白熱電球とほとんど印象は変わらない様子だった。

夕暮れの本堂をLED電球の光が照らしているこちらは日が暮れた時のようす。本堂の内部を明るく照らしているのがわかる





(正藤 慶一)

2012年11月8日 13:18