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手の感触をデータとして他の人に共有、力触覚センシングシステム

力触覚センシングシステム「SenseFuse」

東京大学発スタートアップのcommissureは20日、人の手に装着して使用する力触覚センシングシステム「SenseFuse」を開発したと発表した。

commissureは、東京大学 先端科学技術研究センターの稲見・門内研究室発、JST ERATO稲見自在化身体プロジェクト発のベンチャーとして2023年1月に設立。“筋肉間通信”とも呼べるような体性感覚共有システムや、独自の触覚提示手法などを研究開発しており、「目的の対象をまるで自分の身体のように理解を可能にする」ことを目指している。

同社は感覚情報の記録や共有を可能にする技術により“感覚資産”が流通する未来を見越し、これまでもバーチャル空間にある物に触れた感触を再現するハプティックデバイス「FeelFuse」などの力触覚提示システムに取り組んできた。

こうした技術はVR(仮想現実)やMR(複合現実)を含む、現実と仮想空間をつなげるXR分野への広がりがみられる一方で、現実世界で人の力触覚情報をデータとして簡単に取得可能な環境がまだ整備されていなかったことから、今回の新システムSenseFuseを開発した。

SenseFuseは独自の特許取得技術を活用した技術で、人の手部に生じる力を、筋繊維の動きから推定しながら、指先の振動を同時に取得してストリーミングできる。センシングしたデータは力触覚フィードバックシステムであるFeelFuseで再生可能。

人の手部を覆わないデザインにより、映像でのハンドトラッキングを阻害せず力触覚データを取得できるのが特徴。物体とのインタラクションに紐づいた力触覚データを収集できるようになる。

同社はSenseFuseを今後もアップデートするほか、収集した力触覚データを活用した感覚生成AIの構築に取り組む。