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寝るときの足元暖房、低温やけどや事故に注意
2025年1月20日 12:05
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)は、暖房器具の事故を防止するために、点検方法や使用時の注意点を紹介している。今回取り上げるのは「電気あんか」「カイロ」「電気マット」など「足元」を温めるのに活躍する家電。
電気あんかの事故事例と気をつけるポイント
事例1:電気あんかを使用中、太ももに低温やけどを負った事例。当該製品は正常に動作しており、使用者が両膝に挟んで就寝し長時間太ももに触れさせたことから低温やけどに至ったものと考えられ、製品に起因しない事故と推定される。なお、本体表示や取扱説明書には、「低温やけど防止のため、身体から離して使う。腰の下や足に挟んで使用しない。折り曲げて使用しない」と記載されている。
事例2:電気あんかを使用中、電源コードが焦げて周辺を焼損。本体側の電源コードプロテクター付近に過度な応力が繰り返し加わったため、芯線が断線し、スパークが生じたものと推定される。
取扱説明書には、「電源コードを傷つけたり、無理に曲げたり引っ張ったりしない。火災の原因になる」旨が記載。
電気あんかは、就寝前に布団の中を温める製品であり、就寝時も布団に入れたまま使用すると足など電気あんかに触れている部位に低温やけどを負うおそれがある。NITEでは、電気あんかを就寝前に布団の中に入れ、温まったらスイッチを切るか身体から十分に離すよう案内している。
また、電源コードに無理な力を加えて使用したり、収納したりすると、火災を起こす危険があるとのこと。
カイロの事故事例と気をつけるポイント
事例:当該製品を使用して就寝中、脚に低温やけどを負った。使用者が就寝時の布団の中で使用が禁止されている当該製品を使用したことから、低温やけどに至ったものと推定される。
カイロを就寝中に使用すると、布団の中で蓄熱して製品表示にある最高温度を超える場合があり、やけどを負うおそれがある。また、他の暖房器具と併用するのも製品が高温になりやけどを負うおそれがあるとしている。
このほか、就寝時は熱さに気がつきにくく、長時間カイロが身体に接触する可能性があるため、就寝時には使わないよう案内している。
NITEでは、カイロは体温を超えて発熱するため、直接肌に当てたり貼ったりして使用するとやけどするおそれがあることから、やけどをしないよう布で巻くなど伝わる熱を減らすよう案内している。また、カイロには特定の使用部位、目的をもったものがあり、用途に応じた注意事項があるため、各カイロの注意事項を守るよう呼びかけている。
さらに、カイロをベルトやサポーターなどで圧迫して使用するのもNG。圧迫によって血流が制限されると熱が放散されにくく、そうした状態で同じ部位が温められるとやけどするおそれがある。また、急激に温度が高くなるため、こたつの中や暖房器具などの近くなどでは使用しないよう案内している。
電気マットの事故事例と気をつけるポイント
事例:当該製品を布団に入れ使用後、当該製品及び周辺を焼損する火災が発生した。当該製品を就寝時の暖房器具として足下付近で使用していたことから、寝返りなどによりヒーター線がずれて重なったため、部分的に過熱して焼損に至ったものと推定される。
取扱説明書には「就寝用暖房器具として使用しない。座布団等保温性の良いものを長時間のせない。本体を折り曲げたり、しわの寄った状態で使用しない」と記載されていた。
NITEは、本体を折り曲げた状態またはしわの寄った状態で使用するとヒーター線を傷付け故障の原因になるほか、ソファーやクッションなどやわらかい物の上で使用することでもヒーター線が傷付き故障のおそれがあると説明。ヒーター線が傷付いた状態で使用すると火災の原因となることがあるため、使用しないよう案内している。