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三菱冷蔵庫は野菜を冷凍して食品ロス防ぐ キャベツを手で砕ける超低温

冷凍室真ん中の「WZシリーズ」

三菱電機は、「中だけひろびろ大容量」冷蔵庫の新モデルを12月中旬より順次発売。野菜室真ん中「MZシリーズ」や、冷凍室真ん中「WZシリーズ」、新ラインナップの「JWシリーズ」などを展開する。

価格はオープンプライスで、店頭予想価格と発売時期はMZシリーズが429,000円~484,000円前後(定格内容積485~602L)で12月中旬、WZシリーズが407,000円~462,000円前後(同495~608L)で2025年1月中旬、JWシリーズが385,000円前後(495L)と407,000円前後(547L)で2025年1月下旬。

野菜を冷凍保存、そのまま手で砕いて調理「できちゃうV冷凍」

各シリーズに共通する新機能は、野菜を冷凍しておくことで食品ロス削減や調理の時短を可能にするという「できちゃうV冷凍」。冷凍室の約-18℃よりもさらに低い約-25℃という冷気で野菜を冷やしておくことで、調理時は包丁を使わず手でパリパリと砕けてサッと鍋やフライパンに投入できることから、手間を省けるという新しい提案だ。

冷凍室に新機能「できちゃうV冷凍」を搭載

物価高騰などでまとめ買いが普及する一方、同社調査では「食品ロスのうち約28%が野菜で、そのうち約4割が葉物野菜」との結果が出た。野菜の冷凍保存をより広めつつ、解凍や調理の手間を減らすのを目的に、この新機能が開発された。機能名の「V」はVegetable(野菜)からつけられており、野菜の冷凍に特化したものになっている。

対応するのは通常の冷凍室で、MZシリーズとJWシリーズは真ん中、WZシリーズは下段。使い方として、まずキャベツやホウレンソウなどの野菜は、購入してすぐザク切りにして冷凍室へ入れておく。下茹では不要で、冷凍の状態になるまでは約8時間。

野菜はザク切りにして冷凍しておく
「できちゃうV冷凍」で凍らせたキャベツ

調理で野菜を使う前に、本体またはスマホアプリで「できちゃうV冷凍」を指定すると、約-25℃以下の冷気を吹き込み、庫内の温度を調整(JWシリーズはアプリ非対応)。約20~30分で野菜が固く、もろくなって手で砕ける温度になる。

この状態が1時間30分ほど保たれるため、夕食などを作り始める少し前に「できちゃうV冷凍」の操作をすれば、フライパンに入れるときには野菜がちょうど使いやすい状態になる。

「できちゃうV冷凍」にすると、キャベツが手で簡単に砕ける
砕いた後のキャベツ
「できちゃうV冷凍」の動作
利用は3ステップ
動作中は、冷蔵庫本体LEDで表示

これまで野菜を冷凍保存せず余らせてしまったり、冷凍はしても解凍を手間だと思う人、市販の冷凍野菜は割高だと感じる人などにも適した機能となっている。また、冷凍野菜はザク切りのままでも細かく砕いても使えるため、調理のレパートリーの幅が広い点もメリットとなっている。

「できちゃうV冷凍」の対象となる野菜は、キャベツ、ホウレンソウ、玉ねぎ、小松菜、ニンジン、白菜、大根、えのき、パプリカなど全12種類。同機能の使い方やレシピなどは、三菱電機のWebで公開されており、レシピサイトNadiaとのコラボメニューも展開している。

「できちゃうV冷凍」の対象となる野菜
レシピサイトNadiaとのコラボメニューも
Nadiaアーティストによる調理デモ。「できちゃうV冷凍」や「切れちゃう瞬冷凍A.I」などの活用で簡単に作れる様子が紹介された

なお「冷凍室内を常に-25℃に保つ」のではなく、一時的に冷気をあてるだけのため消費電力としては大幅には上がらず、「できちゃうV冷凍」を1回使用した時の電気代は1円程度だという。

また、冷凍室内の他の食材への影響についても、室内の温度を-18℃よりも上げてしまうのではなく必要な低温を保っているため、品質低下など悪い影響はないと説明している。

切れちゃう瞬冷凍A.Iなど人気機能も

独自の「切れちゃう瞬冷凍A.I」も引き続き利用可能。ひき肉などを解凍不要で包丁でサクッと切ることができ、鮭の切り身なども小分けしなくてもパリッとはがして使える温度に保てる。過冷却減少を応用して食品を心から均一に凍らせる独自技術により、冷凍しても食感をそのまま保てるという。

切れちゃう瞬冷凍A.I

全ての部屋が仕切られた全室独立設計で、16個のセンサーにより温度を管理。冷凍室では、AIが自動で食品の霜付きを抑える霜ガードを備える。

センサーと独立した全室で温度を管理
冷凍室それぞれの役割

野菜室では3色のLEDを照射。野菜のビタミンCをアップさせ、緑化も促進させる。

新ラインナップとして加わったJWシリーズは、鋼板の面材を採用し、2024年度からのバイオフィリックデザインと掛け合わせた、空間と調和しやすい外観を追求したのが特徴。MZシリーズやWZシリーズはガラスドア。3シリーズともフレンチ6ドア構成。

新しい「JWシリーズ」は鋼板ドア

MZシリーズ最大容量602LモデルMR-MZ60Mや、WZシリーズ608Lモデル「MR-WZ61M」の本体サイズは685×738×1,833mm(幅×奥行き×高さ)。年間消費電力は、順に286kWh/年、273kWh/年。JWシリーズ547Lモデル「MR-JW55M」の本体サイズは650×699×1,833mm(幅×奥行き×高さ)、年間消費電力量は293kWh/年。

MZシリーズやWZシリーズ、JWシリーズ以外にも、新カラーラインナップを採用した「MR-MD45M」や、大容量700Lの「MR-WXD70M」、スリムな幅60cmで455Lサイズの「MR-BD46M」なども用意する。

【ラインナップと発売時期、店頭予想価格】

野菜室真ん中
・MR-MZ60M 12月中旬発売 484,000円前後
・MR-MZ54M 12月中旬発売 451,000円前後
・MR-MZ49M 12月中旬発売 429,000円前後
・MR-MD45M 12月中旬発売 341,000円前後

冷凍室真ん中
・MR-WZ61M 2025年1月下旬発売 462,000円前後
・MR-WZ55M 2025年1月下旬発売 429,000円前後
・MR-WZ50M 2025年1月下旬発売 407,000円前後
・MR-WXD70M 2025年2月上旬発売 506,000円前後
・MR-WXD47LM 2025年2月上旬発売 385,000円前後
・MR-BD46M 2025年1月下旬発売 319,000円前後
・MR-JW55M 2025年2月上旬発売 407,000円前後
・MR-JW50M 2025年2月上旬発売 385,000円前後