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最新家電みられるIFA 100周年 赤いロゴから一新、日本メーカー参加は?

IFAのライフ・リントナーCEO

IFA Managementは、ドイツのメッセ・ベルリンで9月6日~10日(現地時間)に開催する世界最大級の家電/エレクトロニクス展示会「IFA 2024/国際コンシューマ・エレクトロニクス展」の展示概要や日本企業の出展などに関する最新情報をメディア向けに発表した。

1924年に誕生し、2024年に100周年を迎えるIFA。これまで多くの技術革新がこの場で披露されており、CDやデジタルカメラ、液晶テレビといったデジタル製品のほか、生活家電やキッチン用品、スタートアップ企業のテクノロジーまで、様々な製品やサービスを発表する機会となっている。

前回2023年のIFAには、138の国や地域から182,000人が来場。出展者は49の国や地域から2,285社だった。82%の出展者が今回の2024年にも出展の意向を示している。

2023年の開催実績

放送展示会からイノベーションの場へ

かつての家電メーカー中心の展示から、スタートアップ企業なども加わって規模の拡大を続け、コロナ禍で人の行き来が厳しくなった期間も、オンライン開催やオンラインとリアルの併催など形を変えて催されてきたIFAだが、近年は日本企業の参加が減少している。

これまでソニーやサムスンにも在籍し、テクノロジー業界で25年以上の経験を持つIFAのライフ・リントナーCEOは、2024年のIFAには現時点で日本企業10社が展示することを案内。ソニーやパナソニック、シャープ、ヤマハといった大手企業やスタートアップの各社が参加予定となっている。

IFAは、開始当初ラジオなど放送技術の展示会だったInternationale Funkausstellung(ドイツ語)の略称として親しまれてきた。

100周年を迎える現在はInnovation for Allを意味するイベントとして刷新。家電に限らない最新技術やカルチャー、エンターテインメント、ビジネスなど様々な要素を内包したものとなる。

1930年開催時のオープニングスピーチには、アルバート・アインシュタインが登壇
IFA 100年の歴史

2024年の新たなトピックとして、メイン会場のメッセ・ベルリンのほか、OEMやODMなどBtoB展示のグローバルマーケットを、「ステーションベルリン」会場に分けて行なうことも発表。

会場を分けたのは、これまで一般参加者やインフルエンサーなどが意図せずBtoBエリアに入ってしまい、目的のコンシューマー向け製品にたどり着けないことがあったという課題を解消するためのもの。メッセ・ベルリン会場はコンシューマー製品を楽しめる場と位置付け、両会場の間はシャトルバスを運行する。

会場は2つに

会場周辺では、100周年を記念した関連展示も先行して実施。8月17日までベルリンのアストリアホテルに隣接したビルに、100年を振り返る様々な名機などを展示するコーナーを用意。IFA開幕後は本会場で展示される。

100年を振り返る展示も

IFA期間中は、メッセの中央にある緑豊かな「サマーガーデン」で音楽ライブイベントなども実施。2025年はブライアン・アダムスがコンサートを行なうことも明かされた。

100周年に向けたマイルストーンとして、ブランド刷新についても発表。これまでIFAといえば鮮やかな赤色をベースとしたロゴが印象付けられてきたが、これを一新して黒の文字に複数のカラーを背景としたIFAの新ロゴを披露した。このデザインは、テレビのテスト放送に使われる「カラーバー」の色をイメージしたものだという。

IFAのロゴとイメージカラーが一新

日本は眠れる巨人。カメラメーカーの復帰に期待も

IFAのリントナーCEOは「日本は“眠れる巨人”。様々なイノベーションを生み出してきたが、過去2年間では出展状況をみても、本来ある高い存在感を見せられていない。日本の皆様にもIFAがどんなものを提供できるのか、出展の意味を理解してもらいたい」とコメント。

アジアでは中国企業が多くを占めるなかで「日本には実力を持っている企業がたくさんあるので積極的に参加してほしい。中国企業は製品が60%ほどできあがった段階で出展し、韓国企業の場合は85~90%なのに対し、日本企業は“110%”まで完成してから展示するという印象。私の感覚では“少し待ちすぎ”とも思う」との考えを示した。

特に“コンテンツクリエーション”の視点から、今後、日本のカメラメーカーが再び出展することにも期待を示しており「ニコンやキヤノンにカムバックしてほしいと願っている」と語った。

毎年注目されるスピーチの登壇者については、米Shark NinjaのMark Barrocas CEOや、トルコVestelのErgün Güler CEOの参加を発表している
IFAのプレスデーは現地時間の9月4日からスタート。例年、この時点から新製品などがいち早く披露される