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ライオン、すすぎが要らない洗剤「アクロン」

アクロンスマートケア グリーンシトラスの香り

ライオンは、「すすぎゼロ洗浄」により、今までの約半分の時間で洗濯できるおしゃれ着用の洗剤「アクロンスマートケア グリーンシトラスの香り」を、2月22日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は本体(440ml)が380円、詰め替え用(820ml)が600円。高級なおしゃれ着だけでなく、ライブTシャツなどよく普段使いするお気に入りの服も、ダメージを抑えながら洗えるという。

通常の洗濯の工程に必要とされる2回のすすぎをカットして、洗濯と脱水のみで仕上げる「すすぎゼロ洗浄」を採用したのが特徴。洗濯工程の7割とされるすすぎを不要にしたことで、洗濯の時間を約半分に減らした。

衣類ダメージの原因とされるすすぎ工程を省いたため「ライオン史上最高レベルのシワヨレなし」を実現。柔軟成分も入っており、柔軟剤なしでもふんわりなめらかな仕上がりになるとしている。

従来の洗剤は大量の界面活性剤により汚れを浮かせ、それを洗い流すことで落とす。これに対し、アクロンスマートケアでは新しい「スマートケア成分」により、界面活性剤の働きをサポートし、従来比約50%という少ない量の界面活性剤でも汚れを包み込む。そのため、脱水するだけで界面活性剤の残りが気にならず、すすぎを省くことを可能にした。洗濯後の泡残りもほとんどないとしている。スマートケア成分の詳細は公開されていないが、化学メーカーと協力して開発したもの。

タテ型洗濯機の弱水流コースでの洗濯例
泡残りを防ぎ、すすぎを不要にした(シャツを揉み洗いして取り出した後の例)

すすぎゼロにより時短だけでなくエコや節約も実現。1kgをタテ型洗濯機の弱水流コースで洗濯した場合、従来のすすぎ2回では水量が131L、電力が18Wh、CO2排出量124gに対し、すすぎを0回にすることによって、水量45L(65%減)、電力10Wh(44%減)、CO2排出量44g(64%減)を可能にするという(国内洗濯機メーカー主要4社製品の平均から算出)。

洗濯機で使う場合は、おしゃれ着用の洗剤自動投入口がある製品はそちらを利用する。無い場合は手動投入口から入れる。洗濯機のコースはおしゃれ着用などの弱水流コースを選び、すすぎボタンを押して「すすぎ0回」にして洗濯する。一例として、おしゃれ着コースでは約40分かかるのに対し、すすぎ0回だと約20分で済むケースもあるという。

ニットを手洗いする場合は、水4Lに対してアクロンスマートケアを10ml使用。約1分間、40回ほどやさしく押し洗いした後に押し絞りして、洗濯機で約1分間脱水すると完了する。

シワやヨレも防止

なお、トップやナノックス(NANOX)といった通常洗剤でもすすぎゼロ洗浄にできるかどうかについて現時点では「ナノックスのような洗浄力はカバーできていない。おしゃれ着用のアクロンとしての洗浄力やダメージケアの品質を実現できている」と説明しており、他ブランドへのスマートケア成分の活用は検討中だという。

「第3の洗い方」ライブTシャツも長く着られる

ライオンの調査によると、おしゃれ着用洗剤そのものの市場は縮小傾向にあり、それはファストファッションの浸透などで服の単価が下がり、「おしゃれ着用」として洗剤を使う機会が減っているためだという。また、洗濯機のおしゃれ着用コースは弱水流で洗うこともあり、時間がかかることも不満として挙がっていた。

一方で、洗濯時のダメージをケアしたいニーズ自体は継続して増加傾向にあり、おしゃれ着でも通常の衣類でもない「普段よく着るお気に入りの服」は、通常の洗剤で洗うと、衣類へのダメージに対して不満の声があったとしている。

新しいアクロンスマートケアは、おしゃれ着洗いでも時間が通常より長くかからず、シワやヨレがなく洗えるという点から「おしゃれ着用洗剤」「いつもの洗剤」に続く「第3の洗い方の選択肢」として提案する。

ライオンのお洗濯マイスター 大貫和泉さんによれば、洗濯に関する一般消費者からの問い合わせとして、音楽ライブ会場などで売られている「ライブTシャツ」を傷まないように洗濯したいという声が寄せられるとのこと。

おしゃれ着は洗濯ネットに入れて洗うことでダメージを抑えられるのは知られているが、例えばライブTシャツの場合は何度も洗うと、プリントのひび割れなどが心配される。対策としては裏返しにして畳んで洗濯ネットに入れることや、前面と背面の両方にプリントがある場合は、プリント同士がくっつくのを防ぐため、間に洗濯ネットを挟むという方法を教えてくれた。

また、おしゃれ着と通常の洗濯物が混ざらないように、洗濯カゴに仕切りが付いた製品を使うことで、脱いだ時に分けられる方法もアドバイスしている。