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丸鶏が焼けるノンフライオーブン、スマート加湿器など新感覚の家電「FoElem」登場
2022年11月18日 10:00
EPEIOS JAPANは、IoTスマート家電の新シリーズ「FoElem(フォーエレム)」4製品を発表。第1弾としてスマート加湿器「Heal(ヒアル)」を11月17日より発売した。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は24,000円前後。これに続けてスマートノンフライオーブン「Chef(シェフ)」、スマートコーヒーメーカー「Mocca(モカ)」、スマートファン「Wind(ウィンド)」を順次発売する。
発売時期と店頭予想価格は、Chefが12月15日で39,000円前後、Moccaが2023年4月以降で30,000円前後、Windも2023年4月以降で20,000円前後。
FoElemシリーズは、有名ブランドのデザインを数多く手掛けてきたBenoît Pierre Emery(ブノワ・ピエール エメリー)さんがチーフ・デザイナーを務め、Damian O'Sullivan(ダミアン・オー シュリバン)さんもデザイナーとして参加した。
自然界における「水」「火」「土」「風」の4元素に着目しており、加湿器が水、ノンフライオーブンが火、コーヒーメーカーが土、ファンが風を象徴する製品と位置付けている。いずれもスマートフォンと連携させることで、使う人の好みに合わせた機能を使えるのも特徴。
外部の著名デザイナーとコラボレーションした製品開発は、EPEIOS JAPANにとって初めて。製品の発表会には両名も来場し、デザインに込めた思いやこだわりについて語った。
音や光、香りも楽しむスマート加湿器「Heal」
スマート加湿器「Heal EPHM501」は、超音波式と加熱式のハイブリッド方式を採用。加湿だけでなくBGM音声やLEDライトの光、アロマの香りも1台で楽しむことができ、スマートフォンからの操作で音や光をコントロールできるIoT機能を備えている。加湿器としては木造和室約4畳/プレハブ洋室約7畳に対応する。
水の存在に着目したデザインで、気化や降雨といった自然界での水の循環をモチーフとした。水を蓄えるガラスタンク部分は、時の流れから着想した砂時計の形状になっている。
今回の発売に先行してデザイナーの詳細などを伏せてMakuakeにて先行予約を開始したところ、600%を超える目標達成率を記録。支援者の7割が女性で、デザインなどに高い評価を受けたという。
本体にスピーカーを内蔵。日本の四季の移ろいから着想したサウンド4曲(春:雨の朝、夏:海岸、秋:深夜の雨音、冬:焚き火)と、ヨガや瞑想に適した4曲を合わせた計8曲を収録する。音でも心地よい部屋環境づくりをサポートするという。ガラスの水タンクの下にはLEDライトを備える。アプリでサウンドの選択や、LEDの色と明るさを設定可能。日中や就寝時などはLEDをオフにできる。
電気代を抑えられる超音波式と、内部の清潔性を保てる加熱式を併用したことで、快適かつ低コストで使用できるという。フィルターなどの交換は不要。
ミストの噴出口にはアロマユニットを備え、手持ちのアロマオイル(精油)を数滴垂らすことで加湿と同時に香りも楽しめる。
水タンクの容量は約1L。給水はフタを外して上から注げるほか、タンクを取り外して水道などからの給水もできる。加湿量は最大約220ml/時で、3段階の調整が可能。加湿時間は最大10時間。
本体サイズは400×201×197mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約2.65kg。消費電力は117W。
丸鶏もそのまま焼けて見た目も楽しくヘルシーなスマートノンフライオーブン「Chef」
スマートノンフライオーブン「Chef EPAO502」は、油を使わず肉などを調理できるノンフライヤーと、オーブンを1台に集約したハイブリッド家電。スマートフォンから簡単な操作で調理できるという。温度調節は50℃~220℃。
丸鶏がそのまま入る14Lの庫内サイズも特徴で、ロティサリーチキンを作る様子が外からも見えて、パーティー料理にも適している。スチーム機能で食材の水分を逃さずジューシーに仕上げられるほか、冷めてしまったポテトを温めてカリッとさせるなど、ヘルシーな調理に使える。
消費電力は1,350W。本体サイズは350×352×380mm(幅×奥行き×高さ)、重量は10.8kg。電源ケーブル長は1.2m。
ハンドドリップの味を追求、バリスタチャンピオン監修のスマートコーヒーメーカー「Mocca」
「Mocca」は、ドリップ式のコーヒーメーカーで、スマートフォンアプリの操作により、好みの温度や淹れ方を調整できるのが特徴。
多くのドリップ式コーヒーメーカーとは異なり、水のサーバーを背面などに隠すのではなく上に配置した“トーテム”のような形を採用。ハンドドリップする際と同じように、上から下まで水の動きを見せるデザインとなっている。
詳細な仕様は2023年春に公開予定だが、アジア人初のワールドバリスタチャンピオンとなったコーヒーコンサルタントの井崎英典さんが監修。「本格的なハンドドリップの味の再現を目指した」という。
風で日本各地を体感するスマートファン「Wind」
スマートファン「Wind」は、IoT機能を持つサーキュレーター。膨大な気象データをもとに、日本の様々な地域で流れる風を再現するユニークな特徴を搭載する。「思い出の場所や、憧れの場所に訪れた感覚を自宅で楽しめる」という。
ジェットエンジンをモチーフとした形状も特徴。日本の障子の桟(さん)のような雰囲気を持たせ、横から見ても、後ろから見ても美しいデザインに仕上げたという。DCモーター搭載で細かな風の調整が行なえるほか、アロマやサウンドなどの機能も搭載する予定で、詳細な仕様は2023年春に公開される。
数々のブランドを手掛けたデザイナーが大事にしたのは「シンプル」と「本質」
FoElemシリーズは、海外の著名なデザイナーがプロダクトを担当したのが大きな特徴だが、それは外観のユニークさにとどまらず、機能性と融合することで家電の新たなスタイルを提案している。
今回の製品でチーフ・デザイナーを務めるBenoît Pierre Emery(ブノワ・ピエール エミリー)さんは、カルティエ財団アートディレクターを経てパコラバンヌやミサハラダに所属。エルメスとのコラボのほか、資生堂の香水瓶のデザインなどにも携わっている。
エミリーさんにとって家電は初のチャレンジながらも、これまでエルメスのスカーフやテーブルウェアなどのプロダクトで培ってきた経験をベースに、このプロジェクトで大事にしたことは「シンプルであること」と「本質をとらえること」と説明。「私たちはテクノロジーにあふれた世界に生きていますが、例えば『食事を温める』などの生活の本質は変わっていません。そうした部分に注目してデザインしました」と語る。
各製品については「オーブンは“家”のようなものをイメージしました。サーキュレーターでは“風”といったように、様々なイメージを形にしました。シンプルなデザインを心掛けながら、一つ一つの製品にオリジナリティとパーソナリティがある形を目指しました。4つの製品は1つの“ファミリー”とも感じられます。1つの家の中に置かれていても兄弟姉妹のような同じスタイルを見いだせて、違和感がない製品に仕上がりました」
共にデザイナーとして参加したDamian O'Sullivan (ダミアン・オー シュリバン)さんは、アニッシュ・カプーア、アシックス、キャンパー、デルヴォー、ポール・スミス、ローゼンソール、資生堂、ルイ・ヴィトンなど多くの著名ブランドに関わってきたほか、フィリップスで工業デザインも長く担当してきた経験が今回のデザインに活きたという。「生活の中に、魔法のような楽しいこと、楽しいものを作るのが私の目的」と語る。
オー シュリバンさんは「シリーズの特徴である4つの元素のうちオーブンは火、コーヒーメーカーは土、加湿器は水、サーキュレーターは風を表しています。4つの製品それぞれに色々な特質がありますが、そのディテールにも4つの元素の基本原理が活かされていて、それを見ていただきたいです」とした。
「このプロジェクトは記録的ともいえる速いスピードで進められました。その中でも仕事はスムーズに行なわれ、この4つの製品になり、こんなスピードで素晴らしいものが作れました」(オー シュリバンさん)
心が豊かになる“スペック以上の価値”を
EPEIOS JAPANの金 成賛会長は「家で過ごす時間が長くなり、その環境を充実させようとアイテムを探してみると『買いたいけど価格が高い』『安いけれどプラスチック感が……』など、自分のライフスタイルや価値観に出会うことの難しさを感じることがあります。こんな時代だからこそ、製品の本質を見極め、シンプルかつ一歩進んだ製品を合理的な価格で提供したい」との思いでFoElemシリーズを立ち上げたことを説明。
このシリーズで目指したものについて「心が豊かになる製品を提供したい。機能だけでなく、何を付加価値にできるのかを考えて製品化しました。例えば作った料理を“映える”ようにしたり、加湿器がインテリアになじむようなデザインで、写真を撮っても違和感がなかったり、落ち着ける空間を実現するといったことで、スペック以上の価値を感じていただきたい」と述べた。
駒崎竹彦社長は「(5月に最初のモデルを発売した)ノンフライオーブンは、中でもトップの人気製品です。機能として楽しむだけでなく、使っていく過程を楽しむことで好評を得ています。ただ家電としてだけでなく、見て楽しむ、置いて楽しむ、心が豊かになる製品を目指しました」と製品の狙いを語った。