三菱、ボーイング787の主翼を作る工程の廃材を掃除機に再利用

ボーイング「787」の複合材主翼

三菱重工業と三菱電機は、ボーイング社の中型ジェット旅客機「787」向け複合材主翼の工程廃材を、家電製品の部品として再利用する取り組みを開始した。

製造時に発生する炭素繊維複合材料の工程廃材をリサイクルし、三菱電機のコードレス掃除機「iNSTICK ZUBAQ」シリーズのパイプ部分とハンドル部分として再利用する。

炭素繊維複合材料の工程廃材を、「iNSTICK ZUBAQ」のパイプ部分とハンドル部分として再利用する

炭素繊維複合材料は、軽量かつ高強度な点が特徴。その特性から旅客機の主翼部分などへ採用される一方、炭素繊維製造時には、多くのCO2が排出されるという。また、廃棄処理時にかかる環境負荷も大きな課題。

三菱重工業は、従来から炭素繊維複合材料のリサイクル化に向けた取り組みを進め、三菱電機との間で、リサイクル材の有効活用に向けた協業を行なってきたとする。

そして三菱重工業は、安定したリサイクル材を供給できるサプライチェーンの構築と、リサイクル材特有の技術課題を克服。今回の、家電製品への再利用の取り組み開始に至ったとする。

なお、ボーイング787向けの複合材主翼の工程廃材からリサイクルされた材料は、今後、三菱電機から発売予定の「iNSTICK ZUBAQ」シリーズの新製品に加え、家電製品以外の用途での再利用も、進めて行く予定だとする。