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三菱、ジャー炊飯器50周年の最上位機「本炭釜 紬」圧力使わずもちっとごはん

本炭釜 紬 NJ-BWD10

三菱電機は、ジャー炊飯器誕生から50周年のフラッグシップとなるモデル「本炭釜 紬(つむぎ) NJ-BWD10」を7月8日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は121,000円前後。炊飯容量は0.5~5.5合(0.09~1L)。

【6月27日更新】延期後の発売日が7月8日に決定したため、記事を更新しました(6月27日)

【6月8日更新】記事初出時「5月21日に発売する」としていましたが、発売日が未定となりました。理由は「新型コロナウイルス感染拡大に伴う上海市ロックダウンの影響により、部品サプライヤーからの調達に遅れが生じている」と説明しています。延期後の発売日は改めて案内される予定です(6月8日)

使用イメージ

1972年に業界初となるジャー炊飯器「NJ-1650形 ふた役さん」を同社が発売してから50周年となる2022年モデルのIHジャー炊飯器。同社にとって7年ぶりのフルリニューアルモデルでもある。

他社では高級モデルの主流が圧力IHなのに対し、三菱は圧力ではない方法による高火力にこだわって開発。炊き上がりの食感は、柔らかめではなく「かため」「もちっと感多め」を特徴とする。

三菱ジャー炊飯器の歴代モデル
三菱の炊飯器と内釜のこれまでの変遷

同社も2005年のモデルで手掛けていた圧力IHでは、加圧によって1.2気圧の状態で加熱し、沸点は105℃。多くの米が柔らかめで粘りのある仕上がりになるという。

一方で新モデルの本炭釜 紬などで圧力を使わない理由について同社は「古くから慣れ親しんだかまどごはんを徹底検証した結果」だと説明する。「お米に適している」という1気圧で、連続沸騰と高い断熱構造により、かまどに近い仕上がりを追求した。

大きな特徴である内釜は本物の炭を使ったもので、1つ1つを削り出して約100日間かけて完成。炭はIHによる加熱と相性が良く、ステンレスや鉄よりも磁力線の浸透深さ(発熱厚み)や、電気抵抗(発熱しやすさ)の面で有利だという。また、遠赤外線効果で米の芯まで炊き上げる。

本炭釜
本炭釜の製造工程
ステンレス釜との温度ムラ比較
炭とIHの相性をステンレスと比較

釜底の厚さは業界最厚とする10mmで、蓄熱性は従来機NJ-VEC10(炭炊釜シリーズ)に比べて約1.7倍。内釜の内面コート(フッ素加工)は、100万回洗米しても剥がれず問題ないという。

釜底の厚さは10mm

炊飯工程のうち本炊き時は、2020年モデル「NJ-AWB10」比で23%増の火力で加熱し、沸騰開始までの時間を短縮した。うまみの吹きこぼれを防ぐため内釜の口を段階的に広くした新構造を採用。間欠加熱ではなく内釜の中で加熱を続けることで、吹きこぼれを抑制しながら連続沸騰の状態にする。

内釜は上部が広い2段構造で吹きこぼれを防ぐ
間欠加熱の場合のイメージ
本炭釜 紬では内釜内で連続沸騰させる

さらに、内釜の周りに「新・エア断熱 5層」構造を導入。断熱材や空気層を複数設けて、連続沸騰で与えた熱を逃がさずに高火力/高温を維持しながらごはんが完成。粒立ちがしっかりして、噛み応えのあるもちっとした甘いごはんに仕上がるという。

新・エア断熱 5層で高温をキープ

手入れの面も配慮しており、炊飯後の洗い物は、内釜と内ぶたの2点のみ。内ぶたもシンプルな構造で、前述のAWB10に比べて約42%軽量な約171gとなった。また、米が上面のフレーム内にある溝に落ちてこびりつくのを防ぐため、フラットで拭き取りやすい形状とした。ふた開きボタンにはSIAA認定の抗菌加工を施しており、これはジャー炊飯器で初だという。

内ぶたをシンプル&軽量化

炊飯メニューは16種類。全国のお米50銘柄を指定して炊き分けられる「銘柄芳潤炊き」や、エスニック料理に適した長粒米(ジャスミンライス/ホシユタカ)モードも備える。

0.5合~2合炊きに使える「少量名人」モードは、米の量に合わせて通常より火加減を抑えながら少量炊きに最適化することで、炊き上がりのムラを防ぎ、粒感がありほぐれるように仕上げる。冷凍ごはん向けの「まとめ炊き(冷凍用)」モードなども用意する。

カレーやおにぎり、弁当など目的に合わせてかたさの調整も可能
少量名人モード

本体サイズは、261×314×257mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約5.8kg。最大消費電力は1,400W。本体カラーは、黒曜(こくよう)、月白(げっぱく)の2色。

カラーは黒曜と月白
光沢のある表面
炊き上がりのごはん。粒が立っていて食感もしっかりめ。おかずは、きんぴらなどのあっさりからキーマカレーの濃い味にも幅広く相性が良かった
他社炊飯器のごはんと比較。今回試食した他社製はもちっと粘りと水分が多く、口に入れた瞬間の甘みが特徴的なのに対し、三菱は噛むほどにうまみと甘みがじわじわ口に広がると感じた