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血圧が最も上昇しやすい時間帯は? 暖房のタイマー活用で対策を

起床時にエアコンを活用することで血圧上昇を抑えられるという

三菱電機とオムロン ヘルスケアは、冬の起床時のエアコン活用法について紹介。両社の実験では、起床前にエアコン暖房を活用することで、起床時の血圧上昇を抑えられることがわかった。冬は血圧が上がりやすいことから、起床時に部屋が暖まっているよう暖房のタイマーをかけるなどの対応を推奨している。

日本高血圧協会理事長の島本 和明氏によれば、寒くなると体温を逃さないようにするために、人のからだが血管を収縮させ、血圧が上がりやすくなるという。また、起床時は一日のうち最も血圧が上昇しやすい。

このことから、両社は冬の血圧上昇に対するエアコンの効果を実験した。対象者の男女248人に、起床1時間前までに寝室のエアコンで部屋を暖めた場合と、エアコンを利用しない場合の血圧を家庭で測ってもらった。実験の結果、エアコンを利用した場合は、利用しない場合に比べて血圧上昇が低いという。また、血圧上昇が大きい人の場合は、起床前からエアコンで部屋を暖めておくことで、血圧上昇を緩和できた。

起床前にエアコンで温めておくことで、血圧上昇を抑えられた
血圧上昇が大きい人の上昇も緩和できたという

また、一定数以上の血圧上昇がみられる割合を、「床付近」「床から高さ1m」の温度別に比較したところ、床付近の温度をコントロールすることで起床時の血圧上昇を抑えられるとわかった。島本氏は「暖房器具のタイマーを使い起床時の室温を調整しておく、暖かい室内用の履物を準備しておくなどの工夫をすることで、血圧変動のリスクを下げることができます」とアドバイスしている。

床付近の温度をコントロールすることで起床時の血圧上昇を抑えられるとわかった

起床時にエアコン暖房を使用している人は2割程度

三菱電機は、「冬の起床時のエアコン暖房利用状況」に関するインターネット調査を実施。就寝時のエアコン暖房については、使用していない人が過半数を占めた。「就寝中はつけっぱなしにしている」人は14.0%、「起床前に入りタイマーを利用している」人は5.3%、「入りタイマーと切タイマーを同時に利用している」人が3.5%と、起床時にエアコン暖房を使用している人は22.8%にとどまった。「室内のどの辺りの温度を意識して設定温度を決めているか」という質問に対しては、56.9%が「部屋全体」と回答した。

また、血圧の上がりやすいタイミングの認知度についても調査。「冬は血圧が高くなりやすい傾向がある」と知っている人は59.3%、「起床時は、一日のうちで血圧が一番高くなるタイミングである」と知っている人は43.2%だった。

調査期間は2021年12月3日~5日で、調査対象者は東京・大阪在住の男女600人。

起床時にエアコン暖房を付けている人は2割程度にとどまる
エアコンの温度設定をする際に、部屋全体の温度を気にする人が過半数
血圧に季節変動の影響があることを知っていた人は6割程度
起床時に血圧が上がりやすいことを知っていた人は43.2%