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エアコンで乾燥するのはなぜ? 湿度低下を防ぐ上手な暖房の方法

エアコン暖房による乾燥対策を解説

ダイキン工業は、「上手なエアコン暖房の方法」を動画で公開した。乾燥を防ぐためには加湿空気清浄機を併用するなど、エアコン暖房の本格シーズンが到来する中、寒さ対策として快適にエアコンを使用するためのポイントを解説している。

エアコン暖房で室内が乾燥する理由

世帯普及率90%を超えるエアコンは、安全性に加えて、燃料費や電気代も比較的に安い点を特徴とする。一方でエアコンやセラミックファンヒーターなどの暖房は、部屋が乾燥するという課題点があると指摘。

乾燥する理由は温度と湿度の関係にあり、空気に含むことができる水分の量は空気の温度によって変わり、温度が高いほど多くの水分を含むことができる。冬は室温が低いため、そもそも空気が持てる水分量が少ない状態で、エアコン暖房を使用すると部屋の温度が上がり、空気が持てる水分量が多くなるという。

しかし持てる水分量が増えても、加湿をしなければ空気中の実際の水分量は変わらず、空気中に含むことができる水分量に占める実際の水分量の割合は下がるため、部屋が乾燥するのだという。また相対的に湿度が下がった空気は水分を含みやすくなるため、体の水分は発散しやすくなり、肌の乾燥にもつながるそうだ。

エアコン暖房により、空気中の水分量が下がり乾燥する

乾燥を防ぐ「上手なエアコン暖房の方法」

室内の空気をエアコン暖房で暖めると、相対的な湿度の低下による「乾燥」につながるだけでなく、快適性を妨げる「温度ムラ」も発生しやすくなる。これらを防ぐエアコンも販売されているが、一般的なエアコンを使用する場合の対策方法のひとつとして、「加湿空気清浄機」の併用を推奨している。

暖かい空気は上昇するという特性があるため、エアコン暖房を使用すると、室内の天井側と床側に温度ムラができやすくなる。より快適な室内環境を作るには、空気の乾燥と温度ムラを改善することがポイントで、室内の空気が循環する状態をつくることが重要になるという。

こうした場面で役立つのが「加湿空気清浄機」で、エアコン正面の壁付近に置くと効果的。加湿空気清浄機から吹き出す潤った風によって室内の空気を動かすことができ、温度ムラを解消しながら湿度を上げることができるという。ただし、外気によって冷やされた窓際などは結露が起こりやすく、設置場所として適していないため注意が必要となる。

加湿空気清浄機を併用し、空気を循環すると乾燥対策として効果的

冬は「窓開け換気+エアコン暖房+加湿」が正解

一般的に冬場の室内温度は18℃以上が目安とされており、湿度は40%を下回るとウイルスが活発化し、60%を超えるとカビやダニが繁殖しやすくなると言われている。定期的な窓開け換気をする際は、窓を開けているときでもエアコンと加湿空気清浄機をつけっぱなしにして、温度と湿度が下がらないようにするのが望ましいという。

一般家庭で、エアコン暖房をつけっぱなしにしながら定期的に窓開け換気をした際に、湿度の違いを比較検証した結果、加湿空気清浄機で加湿をしていない場合、部屋の湿度は約30%の乾燥状態で推移。これに対して加湿をしている場合は、部屋の湿度は約40%の快適な状態に保つことができたという。

またサーモグラフィによる可視化検証では、同じ温度でも湿度が高い方が、より暖かく感じることが分かったという。加湿して体感温度を上げることで、エアコンの設定温度を控え目にすることもできるため、省エネ効果も期待できるとしている。

同じ室温でも湿度が高いほうが暖かく感じられる