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マスクで高まる熱中症リスク、窓開け中もエアコンONに。ダイキンがコロナ禍の換気方法を解説

ダイキン工業が会員向けWebセミナーを開催

ダイキン工業は、Webセミナー「コロナ禍における“熱中症対策”と“上手な換気の方法”」を7月21日に開催した。また同セミナーの動画を、同社の公式YouTubeチャンネルにて一般公開している。

会員サイト「CLUB DAIKIN」の登録者向けに初めて開催したWebセミナー。当日は189名が参加したという。

セミナーには、熱中症の専門家である帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター長・三宅 康史先生がゲストとして参加し、「コロナ禍における熱中症対策」について解説した。

帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター長・三宅康史先生

三宅先生は、マスクをしていると熱中症リスクが高まる理由について「人間は呼吸を通じて冷えた外気を取り入れることで、体内を冷やしています。それがマスクをしていると、マスクで暖まった空気を吸い、空気を吐くとさらにマスクが温まり、体に熱が溜まってしまいます」と説明。

また「マスクをしながらの呼吸は、呼吸筋を余計に働かせることになり、スポーツをしている状態と同じで体温が上昇するリスクもあります」と話す。

三宅先生は、「マスクをしている間は冷房の効いたところで過ごす」「周りに人がいない場所であればマスクを外す」などの対策を提案し、熱中症に気を付けるよう呼びかけた。

マスクをしていると熱中症リスクが高まるという

上手な換気方法については、同社コーポレートコミュニケーション室 広報グループの重政 周之氏が紹介。まず、24時間換気システムを備える家では、そのスイッチを常にONにし、加えて定期的に窓を開けて換気をするのが効果的だという。

ダイキン工業 コーポレートコミュニケーション室 広報グループの重政 周之氏

窓開け換気のポイントは2つ。

1.対角線上の離れた窓を開ける

風の入り口となる窓を小さく、出口の窓を大きく開けると風が勢いよく流れていくという。その際は、近い窓同士を開けるのではなく、離れた窓を選ぶと部屋全体が換気されやすい。窓が1つしかない場合は、窓に向けて扇風機やサーキュレーターを使用する方法もある。

2.換気の回数を増やす

換気の頻度については、1時間ごとに1回、10分換気するよりも、30分ごとに5分の換気を2回繰り返した方が効果的だとしている。換気はウイルス対策だけでなく、二酸化炭素を薄めて集中力を高める効果もあるという。

24時間換気システムをON
窓が1つしかない場合はサーキュレーターなどで送風する
こまめな換気が効果的

重政氏によれば、換気中もエアコンをつけっぱなしにするのがいいという。その理由は熱中症対策と節電だ。

窓を開けると室温が高くなってしまうことから、熱中症を防ぐためにも換気の際に室温を1~2℃低く設定することを推奨。

また、エアコンは電源を入れ空気を冷やすときに最も電力を消費する。こまめに入・切すると消費電力がアップするため、換気中もつけっぱなしにしておいた方が節電につながるという。

換気中もエアコンはつけっぱなしにした方が消費電力を節約できる

「エアコンは窓際に設置されていることが多いですが、冷房中に換気する場合は、室内機から離れた方の窓を開けましょう。室内機に近い窓を開けると、暖かい空気を直接吸い込むことで、エアコンへ負荷がかかり、消費電力が上がってしまいます」(重政氏)

セミナーで行なわれた質疑応答では、「除湿(ドライ)と冷房運転はどちらが節電になりますか?」「快適な温度と湿度はどれくらいですか?」など視聴者から多くの質問が寄せられた。セミナーの模様はYouTube上で公開されており、質疑応答のパートは動画の後半で観られる。

エアコンに近い方の窓を開けると消費電力がアップしてしまう
ダイキン工業 オンラインセミナー「“熱中症対策”と“換気とエアコン冷房の両立法”」