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マスクで高まる熱中症リスク、窓開け中もエアコンONに。ダイキンがコロナ禍の換気方法を解説
2020年7月22日 20:29
ダイキン工業は、Webセミナー「コロナ禍における“熱中症対策”と“上手な換気の方法”」を7月21日に開催した。また同セミナーの動画を、同社の公式YouTubeチャンネルにて一般公開している。
会員サイト「CLUB DAIKIN」の登録者向けに初めて開催したWebセミナー。当日は189名が参加したという。
セミナーには、熱中症の専門家である帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター長・三宅 康史先生がゲストとして参加し、「コロナ禍における熱中症対策」について解説した。
三宅先生は、マスクをしていると熱中症リスクが高まる理由について「人間は呼吸を通じて冷えた外気を取り入れることで、体内を冷やしています。それがマスクをしていると、マスクで暖まった空気を吸い、空気を吐くとさらにマスクが温まり、体に熱が溜まってしまいます」と説明。
また「マスクをしながらの呼吸は、呼吸筋を余計に働かせることになり、スポーツをしている状態と同じで体温が上昇するリスクもあります」と話す。
三宅先生は、「マスクをしている間は冷房の効いたところで過ごす」「周りに人がいない場所であればマスクを外す」などの対策を提案し、熱中症に気を付けるよう呼びかけた。
上手な換気方法については、同社コーポレートコミュニケーション室 広報グループの重政 周之氏が紹介。まず、24時間換気システムを備える家では、そのスイッチを常にONにし、加えて定期的に窓を開けて換気をするのが効果的だという。
窓開け換気のポイントは2つ。
1.対角線上の離れた窓を開ける
風の入り口となる窓を小さく、出口の窓を大きく開けると風が勢いよく流れていくという。その際は、近い窓同士を開けるのではなく、離れた窓を選ぶと部屋全体が換気されやすい。窓が1つしかない場合は、窓に向けて扇風機やサーキュレーターを使用する方法もある。
2.換気の回数を増やす
換気の頻度については、1時間ごとに1回、10分換気するよりも、30分ごとに5分の換気を2回繰り返した方が効果的だとしている。換気はウイルス対策だけでなく、二酸化炭素を薄めて集中力を高める効果もあるという。
重政氏によれば、換気中もエアコンをつけっぱなしにするのがいいという。その理由は熱中症対策と節電だ。
窓を開けると室温が高くなってしまうことから、熱中症を防ぐためにも換気の際に室温を1~2℃低く設定することを推奨。
また、エアコンは電源を入れ空気を冷やすときに最も電力を消費する。こまめに入・切すると消費電力がアップするため、換気中もつけっぱなしにしておいた方が節電につながるという。
「エアコンは窓際に設置されていることが多いですが、冷房中に換気する場合は、室内機から離れた方の窓を開けましょう。室内機に近い窓を開けると、暖かい空気を直接吸い込むことで、エアコンへ負荷がかかり、消費電力が上がってしまいます」(重政氏)
セミナーで行なわれた質疑応答では、「除湿(ドライ)と冷房運転はどちらが節電になりますか?」「快適な温度と湿度はどれくらいですか?」など視聴者から多くの質問が寄せられた。セミナーの模様はYouTube上で公開されており、質疑応答のパートは動画の後半で観られる。