三菱重工、ジェットエンジンの翼形状の設計技術を応用したパワフル風量のルームエアコン

　三菱重工サーマルシステムズは、ルームエアコン「ビーバーエアコン」2020年モデル4シリーズ23機種を、4月から順次発売する。最高級モデル「SYシリーズ」、寒冷地向け高機能モデル「SYKシリーズ」、高機能モデル「RYシリーズ」、標準モデル「TYシリーズ」をラインナップし、価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に、17～24万円前後、20～26万円前後、11～17万円前後、8～17万円前後(いずれも税抜)。

ルームエアコン「ビーバーエアコン」2020年モデル(SY・SYKシリーズ)

　伊藤園が開発した、茶殻樹脂のフィルターホルダーを採用したルームエアコン。これにより資源の有効利用を大きく前進させたとする。

　また全機種とも、大風量でパワフルな「JET気流運転」と、急速な冷暖房を可能にする「ワープ運転」を搭載。

　「JET気流運転」は、少ない電力で大風量を吹き出し、音や振動を抑えて遠く隅々まで風を届ける。冷房時の気流到達距離は約14mで、シャワーのように天井から冷風が降り注ぐという。

　なお同技術は、ジェットエンジンの翼形状設計に使われる解析技術「CFD(数値流体力学)」を風路設計に応用したことで実現したという。

　「ワープ運転」は、エアコン近くを素早く冷やしたい、または暖めたいときにおすすめのモードだとする。

冷房時の気流到達距離は約14mで、シャワーのように天井から冷風が降り注ぐ

暖房時は床面いっぱいに暖かさが広がる

　そのほか別売の無線LANインターフェイスを接続することで、スマートフォンと連携可能になる。外出先からも、操作できるようになるという。

省エネ性に優れた最高級モデル「SYシリーズ」

　SYシリーズは、適用畳数6～18畳の6機種をラインナップ(冷房定格能力は2.2kW～5.6kW)。通年エネルギー消費効率(APF)が高く、省エネ性に優れている点が特徴だとする。

　また「JET気流」や「ワープ運転」のほかに、風量・風向の自動制御で部屋を均一に効率よく冷暖房する「おまかせセンサー気流」を装備。人感センサーにより人の動きに応じた、きめ細かい空調を実現するという。例えば人感センサーが人の不在を検知すると、約15分後に自動でパワーを控えめにし、人が戻ってくると通常運転に戻る。約1時間の不在が続くと、自動で停止する。

風量、風向を自動的にコントロールして、部屋全体をより素早く、より均一に効率よく空調する

人感センサーが人の不在を検知すると、約15分後に自動でパワーを控えめにする

約1時間の不在が続くと、自動で停止

　そのほかリモコン操作で、部屋のどのエリアを重点に空調すると選べる「エリア空調」を搭載。部屋全体、中央、左奥、右奥、左手前、右手前のエリアを組み合わせた、16パターンの中から、お好みのエリアを選択して空調できるとする。

部屋のどのエリアを重点に空調するかをリモコンで選べる

　室内機内部をクリーンに保つ「フィルター自動清掃」機能を搭載。抗菌仕様のダストボックスとブラシは、取り外して水洗いできる簡単構造とした。約1年に1回のダストボックスの清掃時期を、本体のフィルター清掃ランプで知らせるという。

　グループ会社の三菱重工冷熱が販売している、ハイブリッド加熱気化式加湿器「roomist」SHKシリーズとも連動できる。エアコンの湿度検知機能に基づき、エアコンから加湿器に運転・停止信号が送信され、加湿器は設定湿度に基づいて自動で運転・停止する。

　各機種の冷房定格能力や適用畳数などは下図の通り。

そのほかのシリーズ

　「SYKシリーズ」は、最高級モデル「SYシリーズ」と同様の機能を備えた、寒冷地向けのルームエアコン。ラインナップは下図の通り。

　「RYシリーズ」は、「エリア空調」や人感センサー以外の主要機能を備えた高機能モデル。

「RYシリーズ」

　室内機の高さを250mmに抑えてコンパクト化し、ハイサッシや下がり天井などの隙間スペースにも設置できるとする。

ラインナップは下図の通り。

　「TYシリーズ」は、「フィルター自動清掃」や「エリア空調」、「加湿器連動運転」、人感センサーなどを省いたリーズナブルモデル。

「TYシリーズ」

　「RYシリーズ」同様に、コンパクトな室内機を採用し、設置性を高めている。

ラインナップは下図の通り。