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細部へのこだわりがニクイねぇ! 毎日使いたくなる三菱のコードレスクリーナー「ZUBAQ」開発秘話

 三菱電機は、コードレススティッククリーナー「iNSTICK ZUBAQ(インスティック ズバキュー) HC-JD1J」を10月21日に発売した。本機の特徴は、充電スタンドにセットした状態で、上部の持ち手を手前に引くとスティック掃除機、上に持ち上げるとハンディ掃除機になるという点。開発に際してのこだわりや苦労を、デザイン・設計担当者に聞いた。

iNSTICK ZUBAQ(インスティック ズバキュー) HC-JD1J

 同社は掃除の負担を軽減したいという思いから、部屋に出しておけるデザインの本機を開発したという。掃除機をそのまま部屋に置いておくことで、掃除機を収納する・収納場所から持ってくるという手間を省き、掃除したいときにすぐに取り出せるため、掃除に対するハードルが下がるとする。

手前に引き出すとスティッククリーナー
真上に引き上げるとハンディクリーナーとして使用できる

 部屋に出しておけるデザインを考えるうえで、掃除機を使用する時間よりも使用していない時間の方が長いことから、本体と充電台をセットでデザインする必要があったという。三菱電機 デザイン研究所・奥田 勇氏はズバキューのデザインについて、次のように語った。

 「デザインを第一に考えると、充電台はコンパクトな方がすっきり見えて良いのですが、設計担当者からは、コンパクトにしすぎると不安定で倒れやすくなってしまうと指摘がありました。

 製品を設置した際に安定するかどうか厳しい自社基準を設けているので、デザイン性を保ちつつ基準をクリアするのが大変でした。また充電台にセットしている間は掃除機の裏面が見えてしまうため、セットしたときにすっきりと見えるようにデザインしました」

三菱電機 デザイン研究所・奥田氏
収納時に見える裏面をすっきり見えるようにデザイン

 本機は充電台から片手で着脱できるようになっているが、この機構を開発するために何度も試行錯誤したと、本機の設計を担当した三菱電機ホーム機器の赤石 亮介氏は話した。

 片手で簡単に外せるようにしながらも、使用していないときは勝手に外れてしまわないように、しっかりと固定する必要があったという。そのため掃除機本体と充電台のジョイント部にバネを組み込み、掃除機をセットしたときにカチッとはまり固定される現在の機構が採用された。またジョイント部に傾斜を作ることで、スムースな着脱も実現したという。

三菱電機ホーム機器・赤石氏
ジョイントに傾斜をもたせてスムースな着脱を実現

充電台だけじゃない! ハンドルやブラシ、付属品までこだわりまくり

 またハンドルをラウンド形状にすることで、掃除する場所に合わせて持ち手を変えられるため、手首の負担を軽減できるとしている。ほかにもハンドルと本体の間の幅は27mmに設定し、手が大きい人も握りやすいという。

ベッド下や棚の上など掃除する場所に合わせて持つ部分を変えられる
ハンドルと本体の間は27mmで、男性の手でも持ちやすい

 そして本体のブラシに絡まった毛をカットできる「毛がらみ除去」機構は、コードレススティック掃除機では新たに搭載する。ヘッドのブラシを真横に引き抜くことで、ヘッド内部のカッターが毛を切り取りブラシから取り除いてくれる仕組みで、これまでハサミで切っていた手間が省けるという。

 アタッチメントまでこだわった本機は、付属の毛ブラシにナイロンではなく馬毛を採用。馬毛は水分を含むため静電気が起きにくく、ブラシにホコリが付きにくいという。そのうえ毛が柔らかいため家具を傷つけにくいほか、ブラシ自体が広がりにくいとしている。

 このほかアタッチメントは、アレルパンチふとんクリーンブラシ/ロングノズル/ロングホース/サッシノズル/お手入れブラシを用意。本体カラーはウォームシルバー。

ヘッドブラシを引き抜くだけで絡まった毛をカットできる
馬毛を使用したアタッチメントブラシ