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パナソニック、LEDディスプレイで仮想の天窓を作り出す「天窓照明」
2019年11月14日 16:28
パナソニック ライフソリューションズ社は、東京品川区にある同社のショールーム「スペースプレーヤーラボ」にて、「天窓照明」とスポットライト型プロジェクター「スペースプレーヤー」の体験会をプレス向けに開催した。
「天窓照明」は、空を臨む天窓をLEDディスプレイで再現する、空間演出照明。実際には窓がない空間に、明るさだけでなく開放感を提供できる照明だとする。
同社の新規事業推進部 インキュベーション推進課 主幹の山下 卓哉氏は次のように語った。
「一般的な液晶ディスプレイに空の映像を表示させると、どうしても平面的な印象になってしまいます。同製品では、より輝度の高いディスプレイを使うことで、実際の窓から眺めるような空の奥行き感や雲の立体感などが感じられるようにしました」
「天窓照明」に映し出されるコンテンツは、青空のほか、夕焼け雲、朧月などが用意されている。表示された雲は、ゆったりと流れるように動く。また2つの天窓照明を設置した場合には、片方からもう一方の天窓照明へと自然と流れていくように表示される。
既に病院での設置が決まっている。同事例では、レントゲン室の前に解放感を感じさせるものを設置したいという希望により、天窓照明が採用されたとしている。
また「スペースプレーヤー」や「スピーカー付ダウンライト」、「エアカーテン」などと組み合わせて使うことで、より自然の中にいるかのような体感ができた。
ショールームで見たのは、「天窓照明」に竹林の映像が映し出されると同時に、床には「スペースプレーヤー」が竹林の影の揺れを再現し、風が吹く音などが「スピーカー付ダウンライト」から流れ、「エアカーテン」が風を起こすというもの。
映像だけでなく、視覚や聴覚などが組み合わさリ、より林の中にたたずんでいるのに近い体験ができ、実際よりも風が清涼な感じがした。山下 卓哉氏によれば、今後は臭覚も加えられたら、と語っていた。
ショールームでは「スペースプレーヤー」を体験できる
「スペースプレーヤー」は、店舗や施設向けに開発されたスポットライト型の投影機。レストランやショーウィンドウ、美術館などでの利用されている。対象物を照らしながら、その周りに映像を投影できるのが特徴だ。
ショールーム「スペースプレーヤーラボ」では、「天窓照明」のほかにも、「スペースプレーヤー」を使った主に店舗演出用の事例を、数多く用意している。
例えば、エントランスでは、同機が床に映し出す鯉が泳ぐさまが表現されている(「鯉の誘導」)。実際に居酒屋では、入り口から店内へと向かう導線上に表示させているという。自然と鯉の動く方向に向かって人が移動するため、スムーズに店内へと誘導できる。
前述の「鯉の誘導」のほかにも、「スペースプレーヤー」を購入すると、すぐに使えるサンプルコンテンツが無料でダウンロードできる。多くは店舗利用を想定したもので、現在は30前後のコンテンツが無料で利用可能だ。
パナソニックのライフソリューションズ社 主務の山下 昌巳氏は「こうした無料コンテンツを利用していただくことで、様々な業態やシーンで手軽にスペースプレーヤーを活用できます。今後も随時増やしていく方向で考えています」と語る。
また、導入するユーザーに応じた映像を、同社が制作するサービスも行なっている。ショールームでは、ブランドロゴを使ったプロジェクションマッピングの作成事例が見られた。
その他にも桜の木を描いたポスターを使ったコンテンツでは、プロジェクター映像を追加することで、桜が満開になる春から葉が落ちた秋冬などの様子を表現していた。
ショールーム「スペースプレーヤーラボ」は、基本はB2B向けに開放されたショールーム。同社サイトから予約できるので、店舗演出などに興味があればチェックしてみよう。