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Alexa内蔵の冷蔵庫や、衣類に合わせてコースが変わる洗濯機など~IFAで見つけた最新家電たち

 2018年8月31日から9月5日まで、ドイツ・ベルリンにてIFA(国際コンシューマ・エレクトロニクスショー)が開催された。今年は去年を上回る161,200m2という広大な会場に1,814社の出展があった。その中から、生活家電を中心にリポートする。

2018年IFA会場入り口

 今年の生活家電のテーマはずばり「connect」。家電同士がつながることによるライフスタイル提案がメイン。会場の至るところに「connect」の文字が躍っていた。欧州・中国・韓国など、世界各国のメーカーは冷蔵庫をハブとすることをこぞって展示していた。キッチン分野についてはこちらの記事があるので、ここではキッチン以外で印象に残った提案をピックアップする。

会場内のポスターにはたくさんの「connect」の文字!
ボッシュ冷蔵庫の庫内カメラにも「connect」の文字!

ハイアール~amazon連携で冷蔵庫から日用品も発注可能に

 中国メーカー・ハイアール。amazonとの提携をリリースし、大きな注目を集めた。冷蔵庫にはAlexaが内臓され、日用品の発注も冷蔵庫に頼むようになる。「ひとは買い物から解放される!」というメッセージが印象的だった。2つの巨大企業が手を組んだことは、今回最大のニュースといえるだろう。

Haierとamazonの提携を発表

 衣類管理ができる「Magic Mirror」は、クローゼット内の衣類を管理するだげでなく、「仕事・デート・スポーツ」など、シーンに応じたコーディネート提案もしてくれる。自分の体型をインプットすると体型を反映したアバターが登場。クローゼット内に収められいる服が画像で一覧表示され、選んだ服をアバターが着用しイメージが確認できる。

洋服一覧が表示され、アバターが着用した様子が鏡に登場する

 「Smart care and Storage for clothes」の展示は、子どもの衣類をケアできるクローゼットシステム。上室は、吊るした状態でスチームと振動によるシワ取り・除菌・脱臭のケアができ、下室はUVライトによる除菌ができる。

 扉にあるパネルでは、子どもの服のサイズで成長の記録ができたり、素材などから衣類を探してショッピングにつなげることもできる。本国上海ではすでに発売予定とのこと。子どもにとことんお金をかける中国ならでは、の提案だと感じた。

右側がケアゾーンで、ケアが終わると左側に移して使う。扉の操作パネルで、成長の記録やショッピングができる

シーメンス~運動量や筋肉疲労の状態を踏まえ、最適な栄養が摂れるレシピも提案

 ドイツ・ミュンヘンに本社があるシーメンス。日常の生活管理や買い物を家電に任せることで、時間を有効に使うことを提案。

 冷蔵庫をハブとし、キッチン家電のほか、洗濯乾燥機・トレーニングマシーンまで “connected”。トレーニングマシンから届く運動量や筋肉疲労の状態を踏まえ、最適な栄養が摂れるレシピ提案も可能とのこと。まさに家電と生活をつなぐ「connected Life」だ。

スポーツジムや自宅のトレーニングマシンとつながる「connected Life」のブース

ボッシュ~現実的なHome Cnnectを提案

 ドイツメーカーのボッシュは、日本での家電展開は食洗機と高圧洗浄機くらいだが、本国では有名な家電総合メーカー。冷蔵庫を中心にHome Cnnectを積極的に提案していた。

 Cooking・Shoppingほか4つのジャンルで様々なパートナーと連携し、Home Cnnectがかなり現実的な印象。

Home Cnnectパートナーとして、本国ドイツで提携している業者一覧

サムスン~上下で温度設定を変えられるビルトインオーブンや衣類に合わせてコースを変える洗濯機など

 サムスンは、冷蔵庫を中心に、ドアホン・子供部屋のカメラ・エアコンなど様々な家電をつなげ、その画像や情報が冷蔵庫に液晶画面に表示されるなど“connected”により実現できることをわかりやすく展示していた。

connected Livignの概念展示

 キッチンでは、庫内が上下別々の温度に設定できるビルトインオーブンを展示。扉が上下一緒にオープンしたり、上だけ・下だけオープンすることもできる。アナログな提案だが、Upper・Lower・Dual・Wholeと4通りの使い方ができるのは、なかなか便利。

上下の組み合わせでフレキシブルな使い方ができるオーブン

 洗濯乾燥機のコーナーでは「LAUNDRY PLANNER」というアプリの提案が目を引いた。洗濯機の中に入れる衣類を選んでいくことで、最適な洗濯コースを提案してくれる。

 シャツ・ブラウスなどの種類から、色・汚れ具合と選択肢を選んでいくと一緒に洗えない衣類は選べなくなる。夫に洗濯を頼んで、シャツとセーターを一緒に洗ってしまいケンカになることも減りそうだ。

洗うものを選んでいくだけで、どのコースで洗えば良いかわかり便利

AEG~衣類に残った水分を検知しダウンジャケットもしっかり乾燥

 AEGは、本国ドイツでは食洗機・IHクッキングヒーター・洗濯乾燥機・掃除機など幅広く手がける、総合家電メーカー。

 洗濯乾燥機では、衣類の表面だけでなく中に水分が残っていた場合も検知でき、よりしっかり乾燥ができるセンサーを展示。ダウンジャケットのように内部に湿気が残りがちな衣類は、仕上がりが格段に違うことアピールしていた。

右のシルバーのパーツが新しいセンサー。同じ位置でも右側は「WET」と判断しているのが、奥にあるモニターに表示されている。生地の下には水の入ったパックが隠されていた
左が新センサー搭載の洗濯乾燥機で乾かしたジャケット

フィリップス~頭に装着して眠りをモニタリングする「Smart Sleep headband」

 電動歯ブラシ「ソニッケアー」が有名な、オランダのメーカー・フィリップス。本国では、ヘルスケアのほか、空気清浄機・照明・AV機器など、幅広く展開している。今回の展示では、睡眠をサポートするウェアラブルデバイス「Smart Sleep headband」を展示。

 頭にヘッドバンドを装着して寝ると、耳裏にあるセンサーが眠りの深さをモニタリング。さらに特別な音波を出して深く長い睡眠状態になるようサポートする。フィリップスによると、睡眠不足の人が2週間試すと睡眠が改善されるとのこと。巻いて寝る様を想像するとやや滑稽だが、世界でも屈指の睡眠不足大国・日本に、ぜひ上陸して欲しい!

頭に巻いて寝るだけで睡眠が改善されるデバイス「Smart Sleep headband」

ケルヒャー~日本未上陸のユニークな掃除アイテムをズラリ展示

 日本でも高圧洗浄機で有名な、ドイツの清掃システム専業メーカー。ブースには日本にまだ上陸していないユニークな掃除アイテムがたくさん展示されていた。

 中でもユニークだったのは、床の水拭きができるスティッククリーナー「FC3」。本体スティック部分に水タンクがあり、先端にあるロール型のモップに少しずつ給水する。さらに、モップがクルクルと回転することで、床の汚れを落とす仕組み。

 回転力が強く自走感がすごいが、前に進まないようにすることで回転するモップが何度も床を拭くことになるので、とても楽に床が拭けた。こぼしてしまった飲み物やペットの鼻スタンプなどの汚れに最適。裸足で過ごすことが多い日本の文化に馴染みそう。

ロール型のモップが新しい、床拭きクリーナー「FC3」
モップがクルクルと回転することで、床の汚れを落とす

 そのほかにも、古くから発売しているロボット掃除機・バッテリー式のコードレス高圧洗浄機・コンパクトタイプの高圧洗浄機・コードレススティッククリーナー・窓拭きクリーナーなど、実にさまざまな掃除アイテムがあり、綺麗好きなドイツ人の気質を感じた。

ロボット掃除機
高圧洗浄機もさまざまなモデルが展示されていた
窓拭きクリーナー

 本国では、空気清浄機も発売している。背の高いスリムな空気清浄機「AFG100」はスッキリとしたフォルムがなかなか美しい。電気集じん式なのでフィルターファン式が主力の日本ではニーズが少ないかもしれないが、デザイン的には人気がでるのではないかと感じた。まだまだ日本に入っていない製品が多く、今後の日本への上陸が楽しみだ。

タワー型空気清浄機「AFG10」