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フィリップス、赤ちゃんが泣いた時間、飲んだミルクの量まで管理できるアプリなど

 フィリップスは、9月1日~6日にドイツ・ベルリンで行なわれた世界的な家電の展示会「IFA2017」において、同社の今後の方向性を発表、主要な製品も併せて紹介した。フィリップスのヘルス&ウェルネスビジネス部門のトップを務めるEgbert van Acht氏は、ビジネスの具体的な目標として、「2025年までに年間30億人の人々の生活を向上させること」を掲げ、それを実現するためのフィリップスの取り組みとして、“ヘルスケアプロセス”を紹介した。

プレゼンテーションを行なったEgbert van Acht氏。フィリップスのヘルス&ウェルネスビジネス部門のトップを務める。具体的な目標として、「2025年までに年間30億人の人々の生活を向上させること」を掲げる

 これは「健康な生活」「予防」「診断」「治療」「ホームケア」を一連のプロセスとして、統合的な医療、リアルタイム分析、及び付加価値サービスを通じて人々の健康と効率性を改善するというもの。また具体的な製品として、睡眠時無呼吸症候群の治療機器「ドリームファミリー」を始めとするより専門的な機器、赤ちゃんの成長をアプリで統合的に管理する「u Grow」、アプリと連動して最適な室内環境に導く「空気清浄機 2000i」、正しい歯の磨き方をガイドする電動歯ブラシ「ソニッケアー ダイアモンドクリーン スマート」、特殊な光を用いて行なう脱毛機器「Lumea Prestige」の5つを紹介した。

フィリップスが考える“ヘルスケアプロセス”「健康な生活」「予防」「診断」「治療」「ホームケア」を一連のプロセスとして、統合的な医療、リアルタイム分析、及び付加価値サービスを通じて人々の健康と効率性を改善するというもの
主要な5製品として、治療機器「ドリームファミリー」、赤ちゃんの成長をアプリで総合的に管理する「u Grow」、アプリと連動して最適な室内環境に導く「空気清浄機 2000i」、正しい歯の磨き方をガイドする電動歯ブラシ「ソニッケアー ダイアモンドクリーン スマート」、特殊な光を用いて行なう脱毛機器「Lumea Prestige」を挙げた

 いずれもアプリと連動して使うことが可能で、医療機器や電動歯ブラシにおいては、その情報を医師とシェアできるという。「よりダイレクトで先進的なヘルスケアが可能」(Egbert van Acht氏)としている。

泣いていた時間、飲んだミルクの量まで管理できるアプリ「u Grow」

 赤ちゃんの成長を総合的に管理できるアプリ「u Grow」は、ベビーモニターや体温計など様々な機器と連携する。温湿度計も兼ねたベビーモニターでは、日常的に赤ちゃんの様子を見られるだけでなく、赤ちゃんがいつ泣いたか、いつ寝たかなどを検知、アプリで管理できる。ベビーモニターはAmazonの音声認識技術「Alexa(アレクサ)」との連携にも対応する。

赤ちゃんの成長を総合的に管理できるアプリ「u Grow」
Amazonの音声認識技術「Alexa(アレクサ)」との連携にも対応

 また、すでに発売している体温計では毎日の体温測定のデータをアプリで一括管理できるという。さらに今後発売する計量機能付きのほ乳瓶を使うことで、赤ちゃんが何時にどれくらいの量のミルクを飲んだかもアプリで管理できる。

 これらのデータは、赤ちゃんの成長記録として活用できるだけでなく、体調不良の際に医師に提出するデータとしても有用だという。

「u Grow」との連携機器。左からベビーモニター、体温計、今後発売予定のほ乳瓶。計量機能が搭載されており、赤ちゃんが何時にどれくらいの量のミルクを飲んだかを管理できる

肌のトーン、最適な周期なども管理できる「Lumea Prestige」

 特殊な光によるIPL脱毛(インテンス・パルス・ライト)用の機器「Lumea Prestige」は、アプリと連携して使うことで、より効果的な脱毛が可能。アプリでは、自分の肌のトーンを選択、より効果的なプログラムを設定できる。また、毛の生えてくる時期には、一定の周期があり、時期に合わせて継続的な施術を行なうことで、より効果的に脱毛できる。「Lumea Prestige」のアプリでは、施術のスケジュールを管理、次にいつ施術するのが良いか、アプリで推奨してくれる。

IPL脱毛(インテンス・パルス・ライト)用の機器「Lumea Prestige」
自分の肌のトーンを設定できる
どこの部位を脱毛するかアプリで選択
その人に合わせた最適な脱毛スケジュールをアプリで作ってくれる

 最上位モデルには、顔用、足用、ビキニ用、ワキ用の専用ヘッドが用意されている。顔用のヘッドではより繊細な制御など、ヘッドに応じてプログラムが異なる。各ヘッドには、チップが搭載されており、ヘッドを交換するだけで自動でプログラムが設定される仕組み。

操作部
ヘッドは施術する部位に合わせて、4つ用意されている。ヘッドにチップが内蔵されており、付け替えるだけでプログラムが自動制御される

歯ブラシの情報を歯科医と共有できる「ソニッケアー ダイアモンドクリーン スマート」

 日本でもすでに発売している電動歯ブラシ「ソニッケアー ダイアモンドクリーン スマート」は、アプリと連動して正しい磨き方を指導する。本体とスマートフォンアプリはBluetoothで連動しており、歯ブラシの動きやどこを磨いているかなどを検知できる。

電動歯ブラシ「ソニッケアー ダイアモンドクリーン スマート」

 ブラシを動かしすぎた場合や、歯に強く押しつけ過ぎた場合は、アプリの画面でアラートがでるほか、本体のランプが点灯し、注意喚起を行なう。アプリ画面では歯を3Dで立体的に見ることができ、磨き残しなども確認できる。

 またドイツにおいては、これらの情報を歯科医に送り、アドバイスを受けるといった取り組みも開始しているという。

本体に搭載しているモーションセンサーにより、今どこを磨いているかをアプリで確認できる
ブラシを歯に押しつけ過ぎると、アラートが出る
アプリ画面では3Dで立体的に見ることが可能
歯磨きのデータを歯科医と共有することもできる

医療機器においてもアプリ連携を推進

 フィリップスは、医療機器分野での功績があり、現在2億人を超える患者が同社の医療機器を使用している。医療機器においても、ユーザーの利便性を推進する手段として、アプリとの連携を積極的に進めている。

 睡眠時無呼吸症候群の治療機器「ドリームファミリー」では、使用時に違和感のない形を採用したほか、睡眠時のデータをアプリで管理、医師と共有できる取り組みを進めている。また持ち運び可能でコンパクトな充電式の吸入器(メッシュ式ネブライザ)など、より便利で使いやすい医療機器も展示していた。

睡眠時無呼吸症候群の治療機器「ドリームファミリー」
持ち運び可能でコンパクトな充電式の吸入器(メッシュ式ネブライザ)