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疲れたおっさんでも「大人のやる気ペン」でやる気が出るのか?
2025年5月16日 09:05
リスキリングなる言葉も広まっているように、大人も時代に合わせて学び直せという圧力が強まってきている昨今、皆さんは何か勉強されてますか?
必要性は認識しつつも、日々の生活の疲れなどから、どうにもやる気が出ない人も多いのではないでしょうか。そんな大人のためのIoT文具が、コクヨの「大人のやる気ペン」。普段使っているペンに装着し、ペンの動きから勉強の頑張りを記録し、アプリで可視化するアイテムです。本当にやる気に効果があるのか、疲れ切った50代のおっさんがレビューします。
資格取得など、特定の勉強はしていない私ですが、手書きの効能は昔から強く認識していました。企画や原稿のアウトライン(何を書くかのざっくりした内容)も、手書きの方が不思議と発想が湧きやすいのです。
最近は「書く瞑想」とも呼ばれるジャーナリングもしています。ただ心に浮かんだことを書きだしていくことで、感情や思考を整理するメソッドです。ほとんどのアウトプット作業がPCやスマホに依存している中で、これら手書きの効能を維持していきたい気持ちから「大人のやる気ペン」を手に取った次第です。
「大人のやる気ペン」のベースになっているのは、2019年に発売された小学生向け「しゅくだいやる気ペン」。これは、鉛筆を差し込んだ本体をペンのように使うアイテムで、使うのは鉛筆に限られていました。
「大人のやる気ペン」は、ペンの中央部にクリップのように取り付けて使うため、使うペンが自由。適合するペンの太さは直径9~13mmで、極端に細いボールペンや極太の万年筆でもないかぎり取り付けられます。iPadなどタブレットのスタイラスペンにも装着可能です。
「大人のやる気ペン」の重量は約8g。取り付ける場所は、ペンの中央付近が重心のバランス的にはベストですが、手に当たることが気になる人もいそうです。ペンの上部へとずらせば手との干渉はなくなりますが、重心のバランスが気になるかも。この辺は、それぞれ良き場所を模索してみてください。いずれにせよ、慣れればさほど気にならないです。また、副次的な効果ですが、クリップなどがないペンの転がり防止にもなります。
使用手順はシンプルです。まずは勉強をする前にスイッチを押します。ペンを使っていると、LEDライトの色が白から青、赤、ピンクへと変化していきます。作業への集中度を表しているのですが、本当に書くことに集中していれば、この色は目には入らなくなるはずです。
勉強が終わったら、アプリを起動し、ペンを振って「やる気パワー」をカメのキャラクターに注ぎます。やる気パワーの量に応じて、カメに生えている「やる木」にリンゴが実り、リンゴの数だけスゴロクを進めることができます。
正直に言えば、いい大人がリンゴとスゴロクかよと思わないでもないです(笑)。大人のモチベーションは何が良いか考えてみましたが、ウォーキングなどの運動や交通機関の移動でポイントが貯まり、マイルや電子マネーなどに交換できるアプリがありますよね。ああいった直接的な利益があるとやる気が出そうですが、そういった意識低い系のご褒美と勉強との相性はあまり良くないかもしれません。
いずれにせよ、単に自分の勉強が継続できているかを確認するなら、アプリに表示するグラフやカレンダーで十分で、必要以上のエンタメ要素は不要にも思えますが、これも少しでもゲーム的な要素があった方がやる気が出る人もいるでしょうから、1人のおっさんの意見として聞き流してください。
1週間ほど使ってみて感じたのは、こうしたアプリの仕掛けよりも、ペンに付いている「大人のやる気ペン」の存在自体が、勉強へのリマインドやトリガーになることです。普段使うペンに付けて机の上に転がしておけば、嫌でも目に入りますから、「あっ、今日まだやってない」と気づかされます。
脳には、作業を始めることで興奮してやる気が発生する「作業興奮」と呼ばれる仕組みがあるそうです。やる気が出るまで待つのは無駄で、まずはやり始めなければならないのですが、やる気がないからやり始めるハードルが1番高い。
しかし、「大人のやる気ペン」が目の前にあれば、義務的にでも手に取ってスイッチを押してみる→スイッチを押しちゃったからと、ノートに何かしら書き始める→書き始めることでやる気や集中力が高まる、となる。
実際に私も、最近サボりがちだったジャーナリングをほぼ毎日できるようになりました。「大人のやる気ペン」のスイッチが「やる気スイッチ」になるのです。