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パナソニック、ベビー用品のコンビと子乗せ電動アシスト自転車で提携。「1,000億の事業まで拡大させる原動力にしたい」

 パナソニック サイクルテックと、ベビー用品のコンビは、商品の企画開発やマーケティングなどを含めた子乗せ電動アシスト自転車関連事業で業務提携することを発表した。

 発表会にはパナソニック サイクルテックの代表取締役社長 片山栄一氏と、コンビの代表取締役社長 五嶋啓伸氏が出席。今回の提携により、変化する子育て市場に、より柔軟に対応した、付加価値の高い子乗せ電動アシスト自転車および関連商品やサービスの提供を目指すとした。

パナソニック サイクルテック 片山社長(写真左)と、コンビの五嶋社長(写真右)

これまで以上に踏み込んだ提携関係を築く

 片山社長は、子乗せ電動アシスト自転車は都市部において子育ての必需アイテムとして認識されはじめたとする。2013年度を起点としたGfKのデータを引用し、2017年度には台数ベースで170%も成長している市場だとする。

伸長し続けている子乗せ電動アシスト自転車の国内市場において、パナソニック サイクルテックは52%のシェアを占める
現在52%のシェアを60%以上に広げていきたいと片山社長は語る

 そうした重要市場において、新たな価値の創造を目指し、新たなパートナーを検討。子育て世代へ新たな価値提供ができると認識が一致したことで、コンビとの業務提携に至ったとした。

 「パナソニックグループの中では、他社さんと提携をしたり、デザインを取り入れたりといった事例は過去に何度もありました。ですが、我々の今回の取り組みでは主力事業の中に他社様のテイストを入れて、製品のデザインや雰囲気などを混ぜていくことで、根本的に製品を変えていこうと思っています。その意気込みにおいては、今まで以上に踏み込んだ提携という風に考えていただいて結構です」(片山氏)。

売上1,000億円を目指すと語る、パナソニック サイクルテック 片山社長

 同社は、新年度には創業66年目を迎えるが、成熟市場であるにもかかわらず、今季も来季も二桁の増益を見込める状況だということにも言及。今回の提携は、今後10年の成長を見越した上での提携であると次のように語った。

 「さらに10年後を見越して、グループ内でも存在感のある事業体になりたいということで、私が社長になってから、現状の売上の3倍となる1,000億を目指すということを会社の中でも発信しております。

 これは、何を目指しているかというと、今までの延長線上で考えていては我々の成長はないということ。既存の我々が持っているものを一旦忘れて非連続で考えてみようというメッセージです。

 その中の一つとして、今回のコンビ様との提携で我々にはないコンビ様のデザイン力やお客様との接点などと融合させることによって、我々としては1,000億の事業まで拡大させる原動力にしたいと考えております」(片山氏)

秋口には新製品をリリース

 2社の具体的な取り組みについては、まず協業によってアクセサリーを含む電動アシスト自転車の新製品を開発していくとした。

 「今後の目標は『育児の質の向上』を念頭に、両社の強みを活かして製品やサービスを開発していきたい。まずは共同でのマーケティング、そして特設のWebサイトを新設し、新製品および新サービスの訴求を推進していく」(片山氏)。

両社は協業して商品開発、共同マーケティング、特設Webサイトを開設していく

 また、子乗せ電動アシスト自転車の顧客ニーズについては、これまでの「軍艦のようなデザインではなく」、もっとファッショナブルな自転車に乗りたいというのが一番なのではないかと片山氏は言う。既に両社は、今後の子乗せ電動アシスト自転車に関して話し合いを重ねているという。

 「そうした中で、こんな素敵な電動アシスト自転車ができるのかという提案を、コンビ様からいただいている」(片山氏)。

 両社の協業による新製品は、第一弾を秋口にはリリースしたいとした。

リーディングカンパニーの2社の融合で新しい製品づくりを始める

 片山氏に続いて登壇したコンビの五嶋社長は、2社の協業により、商品だけでなくサービスなど、あらゆる面を融合させることで、強力な育児サポートを提案していきたいと語った。

 「サイクル事業のNo.1と、ベビー事業のNo.1、この2社のリーディングカンパニーが協業することで、一番良いソリューションを提案できるようにしたい。

 2社が組むことで、さらに選択肢が増えると考えています。そしてまだ陽の目を見ていないカテゴリーについても、両社で開発していくチャンスは、まだまだあると思います」

コンビの五嶋社長