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東芝、世界に誇れる新技術を搭載した新型クリーナーで中国“再参入”へ

 東芝ライフスタイルは、60分間の連続運転が可能なキャニスタータイプのコードレスクリーナー「VC-NX」シリーズを9月1日より順次発売する。

60分間の連続運転が可能なキャニスタータイプのコードレスクリーナー「VC-NX」シリーズと、東芝ライフスタイル 取締役社長 石渡敏郎氏

 自社開発した高機能モーター「ハイスピードDCモーター HD45」を搭載し、従来以上の吸引力を実現させたキャニスター型のコードレス掃除機。従来比約2倍となる10本の大容量リチウムイオン電池パックを搭載し、最長で約60分の連続運転が可能になった。2製品を展開し、市場想定価格は10~12万円前後(税抜)。東芝ライフスタイルでは、この製品を国内だけでなく、中国市場にも投入していくという。

自社開発した高機能モーター「ハイスピードDCモーター HD45」を搭載し、従来以上の吸引力を実現させたキャニスター型のコードレス掃除機

 同社は、昨年6月に中国のマイディアグループから80.1%の出資を受けたという経緯がある。東芝ライフスタイル 取締役社長 石渡敏郎氏は、「マイディアグループに入ってから約1年、シナジー効果で事業を拡大させていく。東芝の強みは、やはり最先端の技術開発能力と、東芝のブランド力にある。そこに、マイディアグループの持つ圧倒的な事業規模、先行投資、戦略的な投資をしていくという先進力が合わさることで、シナジー効果が生まれる。今回のクリーナー事業は、1つの事業事例となる」と語った。

東芝ライフスタイル 取締役社長 石渡敏郎氏

 今回発売するクリーナーは「日本発のグローバルモデル」として、世界的戦略製品という位置づけになる。本体は、世界各国でそのまま使える、共通プラットフォームを採用しており、電源の違いを選ばない直流モーター、床を選ばない新型のヘッドを備える。「使用環境やニーズが違うところでも使えるクリーナーを開発した」(東芝ライフスタイル 執行役員 クリーン事業部長 千田一臣氏)という。

東芝ライフスタイル 執行役員 クリーン事業部長 千田一臣氏

 世界市場で見ると、クリーナーの市場規模は、2016年で1億2,100万台、2017年予測で1億2,900万台と伸長を続けている。その中でも特に、大きな伸びを見せているのが、中国市場だという。中国におけるクリーナー市場は2,030万台で、これは3年前の3倍に当たる。

クリーナーのグローバル市場。2016年で1億2,100万台、2017年予測で1億2,900万台と伸長を続けている
中国市場でみると、市場規模は2014年の3倍にあたる2,030万台まで伸びている

 石渡社長は、中国市場について「世界の家電市場の三割を占める巨大なマーケット。東芝は中国で30年間、家電を展開してきた経緯があり、歴史と信頼感を持っている。まずは年内にも、中国での市場展開をスタートする」と話す。一度撤退した市場への「再参入」となることに対しては、「東芝は、中国市場では一度失敗している。しかし、現在はマイディアグループと一体感をもった経営をしており、マイディアグループが持っている販売網も活用できる。ただ、一番の理由は、グローバルでも通用するようなすばらしい製品ができたということ。東芝ならではの技術を備えた製品があるからこそ、再参入できる」と自信を見せる。

中国市場については過去に撤退した経緯があり「再参入」となる。今後は欧米市場への参入も検討する

 今後については、欧米市場への参入も視野に入れている。

 「欧米市場は、東芝クリーナー事業は今までできていないところ。マイディアの販売網やパワーと融合しながら、今検討を進めている」(千田事業部長)