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正しいダニ対策でアレルギー予防を。虫研究に取り組むアース製薬が専門家とともに提唱
2017年5月17日 15:18
アース製薬は、ダニの専門家によるダニ対策セミナーをメディア向けに開催。これからダニが増える季節を迎えるにあたり、ダニの生態から正しいダニ対策法について紹介した。
セミナー開催の目的について、同社マーケティング総合企画本部本部長の八田篤氏は次のように語った。
「昨今、インターネットなどでダニに関する様々な情報が出回っていますが、目に見えないものだけに、間違った情報が氾濫しています。そこでメーカーとして虫の研究に取り組んでいる私たちが、改めて正しい情報を発信していきたいと考えています」
布製品に潜むダニ、フンと死骸がアレルギーの原因に
今回、講師として登壇したのは、ダニの研究を20年以上行なっており、多くのメーカーや機関でアドバイザーを務める、環境アレルゲンinfo and care代表取締役の白井秀治氏。白井氏によると、ダニは気温と湿度が上昇するこれからの季節に活動的になるし、気温20℃、湿度75%の状況下で培養されたチリダニは、6週間で約150倍に増加したという。
一方、ここ数年で何らかのアレルギー疾患に罹患している人が急増。平成17年時点では約3人に1人だったのに対し、12年後の平成23年には、約2人に1人が罹患しているという。そして、これらアレルギーの原因として重要な位置を占めるのがダニ。死骸やフンが、気管支炎喘息やアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などを引き起こすアレル物質(アレルゲン)となりうる。
ちなみにアレル物質となるチリダニは、人のフケや垢、食品カスなどを餌としており、気温25%、相対湿度65~75%前後で活動が活発化。ダニの数が増えるほど、ダニアレルゲン量も増え、室内においては床より布団に多くのダニアレルゲンが検出されている。特に浮遊ダニアレルゲンに関しては、居間の浮遊量に比べ、布団の上げ下ろしで1,000倍、寝返りで8~10倍増加するという。
そこで白井氏が提唱するダニ対策として、ダニ自体は「殺す」「寄せ付けない」「増やさない」「捕獲する」。フンや死骸は、「増やさない」「舞い上げない」必要があるという。実際、アレルゲンとなるのは小さくて軽いフンや死骸で、舞い上がったものを人が吸い込み、粘膜に直接触れることでアレルギー疾患を発症する。その原因を減らすためにも、ダニ自体を減らすことが重要になる。
では具体的にどのようなダニ対策をすればいいのか。様々な方法で殺ダニ効果の検証を行なった結果、水洗いや天日干しだけではほとんど死滅しなかったものの、防ダニスプレーや布団乾燥機、衣類乾燥機の使用では、高い殺ダニ効果が得られたという。
これら死滅したダニは、そのままにしておくとアレルゲンになるため、掃除機などで吸引し、回収する必要がある。布団についてはダニの通過を防止する生地にしたり、新しい布団に替えることで、舞い上がりを防ぎ、吸い込む量も減らせるとしている。
ダニ対策の基本は駆除と除去
具体的なダニ対策法について、毛足の長いカーペットを使って実現した。まず使用したのは、アース製薬の「ダニアース 防ダニスプレー」。布団や枕、クッションなど人の肌に直接触れるものにスプレーするだけで、ダニの駆除や予防ができ、効果は約1カ月持続するという。
スプレー後、約1時間で駆除効果が表れるため、ここで掃除機で吸引する。使用したのは、三菱電機のコードレススティッククリーナー「インスティック HC-VXG30P-N」。出しっぱなしにしておけるデザインと空気清浄機能を兼ね備え、電源プラグをコンセントに挿す手間もなく、さっと使えるのが特徴だという。
なおインスティックは、ふとんクリーナーとして使えるアタッチメント「アレルパンチふとんクリーン」を付属。空気清浄機能も備えていることから、寝室に置いておくとダニ対策に役立つとしている。
これらの方法について白井氏も、「ダニ対策で大切なのは、継続して行なうこと。それが難しいという声もありますが、この方法なら手軽に続けられるのではないかと思います」と太鼓判を押していた。