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2016年の生活家電市場は、平均価格上昇で金額ベースでの成長を維持~GfK調べ

 GfKジャパンは、全国の有力家電・IT取扱店の販売実績データ等を基にした、2016年の家電およびIT市場の販売動向を発表した。

 AV関連製品、IT関連製品、生活家電製品を含めた2016年の家電小売市場規模は前年比1.5%減の7兆円となった。大型家電は洗濯機やエアコンなどの平均価格の上昇に支えられ金額前年比2%増、小型生活家電も空気清浄機、ドライヤー、トースターなどが成長し、前年を上回った。一方、IT関連製品はマイナス成長、AV関連製品も金額前年比6%減となった。市場規模が縮小する中、インターネット通販は成長基調にあり、家電小売市場全体におけるインターネット通販の金額構成は前年から0.5%上昇し、12.1%となった。

 生活家電については、販売数量では前年を下回る製品も多々あったが、平均価格の上昇により、金額ベースで成長を維持した。

 冷蔵庫は前年比2%減の430万台と、ここ数年で一番低い水準となった。容量クラス別では、200L以下の小容量クラスが38%、201~400Lの中容量クラスが22%、401L以上の大容量クラスが40%を占めた。ここ数年601L以上の大型冷蔵庫が成長を続けていたが、2016年は拡大も見られなかった。冷蔵庫市場全体の平均価格は前年横ばいの90,000円となった。

 洗濯機は、前年並みの480万台。容量別では、6kg未満の小容量クラスが29%、6kg~8kg未満の中容量クラスが31%で減少傾向に、8kg以上の大容量クラスが40%で1ポイント拡大、10kg以上も前年から5%拡大し、17%を占めた。タイプ別では、ドラム式が2012年以来のプラス成長となった。10kg以上のモデルやドラム式の伸長などにより、洗濯機の平均価格は66,000円に上昇、過去5年で最も高い水準となり、金額前年比は5%増となった。

洗濯機は、前年並みの480万台。タイプ別では縦型が優勢だが、ドラム式が2012年以来のプラス成長となった

 エアコンは前年比3%増の790万台となった。平均価格が上昇したことで、金額前年比は5%増となった。機能別にみると、自動フィルタークリーニング機能は47%と大きな変化はなかったが、人感センサーは42%に縮小、スマートフォンとの連携機能モデルは前年から3%増加し62%となった。一般的にエアコンの付加価値機能は、冷房能力の高いクラスに搭載される傾向にあるが、スマートフォン連携機能は冷房能力の低いクラスへの搭載も進展している。ただし、連携に必要な別売り機器の販売規模は小さく、同機能の使用は限定的とみている。

 掃除機は、前年比3%減の830万台と2年連続の縮小となった。スティックタイプは前年比19%増、ロボットタイプは同11%増と成長したが、シリンダタイプが同8%減、ハンディータイプが同25%減と縮小した。タイプ別数量構成比ではシリンダタイプが46%、スティックタイプが33%、ハンディータイプが15%、ロボットタイプが5%を占める。平均価格は22,300円と前年から変化はなかった。

掃除機市場は2年連続の縮小となった。タイプ別数量構成比ではシリンダタイプが46%、スティックタイプが33%、ハンディータイプが15%、ロボットタイプが5%を占める