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2015年の生活家電市場は、エアコンや洗濯機などが減少傾向に ~GfK

 ジーエフケー ジャパン(GfK Japan)は、2015年の家電市場販売動向を発表した。消費増税時の需要の先食いや冷夏・暖冬の影響を受け、大型生活家電を中心に前年を下回る販売となった一方で、一部の理美容家電や調理家電など、プラス成長したカテゴリーも多く見られるという結果となった。

【お詫びと訂正】記事初出時、社名に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。

冷蔵庫は、小容量クラスと700L台の大容量クラスが好調

 冷蔵庫は前年比10%減の440万台となった。容量クラス別の数量構成比は、小容量クラス(200L以下)が前年から3%ポイント増加し38%、大容量クラス(401L以上)が2%ポイント縮小し40%となった。ただし2014年に登場した700L台の販売台数が前年の約4倍に拡大するなど、大容量クラスにおける容量増は進展。また省エネ性能の向上も続いており、年間消費電力200kWh以下の数量構成比は、前年から3%ポイント拡大し26%を占めた。

冷蔵庫の市場の推移。小容量が増加した一方で、中・大容量が伸び悩んだ

洗濯機は5年ぶりに500万台を下回るも、大容量モデルへのニーズはアップ

 洗濯機は前年比10%減の480万台となり、5年ぶりに500万台を下回った。販売数量で市場の85%を占める縦型が、数量前年比9%減、ドラム式が同10%減となった。容量クラス別の数量構成比では、小容量(6kg未満)が26%、中容量クラス(6kg以上8kg未満)が34%、大容量クラス(8kg以上)は40%を占めた。なお10kg以上の数量構成比は前年から4%ポイント拡大し12%に達するなど、大容量モデルへの高いニーズが見られた。洗濯時間は引き続き短縮しており、ドラム式では洗濯時間40分未満が約8割を占めた。

冷夏・暖冬の影響から、エアコンは前年比8%減

 エアコンは前年比8%減の770万台となった。冷夏により最需要期である夏季の販売が平年を下回り、さらに暖冬により冬の需要も鈍かった影響と見られる。搭載機能別の数量構成比は、人感センサー機能が44%と前年から4%ポイント拡大した。スマートフォン連携機能も前年の43%から59%に拡大したが、同機能の利用に必要な別売り機器の販売台数は、搭載エアコン販売の1%にとどまっており、普及は限定的と言える。また自動フィルタークリーニング機能は拡大が一段落し、前年並みの50%に留まった。

掃除機は前年比11%減も、スティックタイプは数量構成比が拡大

 掃除機は、前年比11%減の860万台となった。スティックタイプが数量前年比3%増、ロボットタイプが同6%増であったものの、シリンダタイプの同12%減、ハンディータイプの同26%減を補うには至らなかった。スティックタイプでは、引き続きコードレスが牽引し、数量構成比は前年から8%ポイント拡大し61%を占めた。また前年マイナス成長に転じたロボットタイプは、国内外メーカーの参入により市場が盛り上がった。ハンディータイプは前年に大幅拡大した布団専用クリーナーの販売減が影響した。結果、タイプ別の数量構成比では、シリンダタイプが47%、スティックタイプが27%、ハンディータイプがは20%、ロボットタイプは5%を占めた。

掃除機の市場の推移。シリンダタイプ、ハンディータイプが販売減に

田中 真紀子