ニュース

“おかずをおいしくするごはん”を目指したバルミューダの炊飯器

開発期間18カ月、バルミューダ初の炊飯器

 バルミューダは、同社初となる炊飯器「BALMUDA The Gohan」の記者発表会を都内で行なった。会見では、代表取締役社長の寺尾 玄氏によるプレゼンテーションが行なわれたほか、記者向けの試食会も開催された。

バルミューダ初の炊飯器「BALMUDA The Gohan」と、代表取締役社長の寺尾 玄氏

 BALMUDA The Gohanは独自の二層釜構造の炊飯にこだわった炊飯器。外釜に水を張ってから、研いだ米を入れた内釜をセットし、外釜の水が蒸気になって内釜の米を蒸す仕組み。一般的な炊飯器では、土鍋のような安定的な加熱を行なうために、釜を厚くする傾向にあるが、バルミューダでは二層釜で釜を中空にすることで、温度を維持。急激な温度変化を起こさず、さらに100℃を超えないようにコントロールすることで、米を煮崩さず、粒立ち良い仕上がりを実現するという。2月中旬の発売を予定しており、価格は44,820円(税込)。

製品本体
フタをあけたところ
一般的な炊飯器とは異なる二層釜構造の炊飯器
外釜に水を張ってから、研いだ米を入れた内釜をセットし、外釜の水が蒸気になって内釜の米を蒸す
本体には2つの釜が入っている
釜を出したところ。炊飯後は2つの釜と、内フタを手入れする
熱源は釜下のシーズヒーター
本体上部に操作ボタンがまとめられている

 製品開発には、バルミューダの製品としては最長の18カ月をかけた。

 「炊飯器を作りたいと思ったきっかけはトースター。パンがこれだけおいしくなるんだから、ごはんももっとおいしくなると思った。開発にあたってのオーダーは1つ、土鍋と同じあるいはそれ以上のごはんを実現するということ。かまどや土鍋ではガスなど直火を使ってごはんを炊いてるが、電気はその3分の1のエネルギーしかない。それで土鍋と同じようにおいしく炊く方法を考えて、たどり着いたのが“蒸気の力”。蒸気を使って、100℃を超えず、無理なくゆっくりと炊き上げていくことで、お米の表面を傷つけることなくおいしいご飯を炊き上げることができる」(代表取締役社長 寺尾 玄氏)

代表取締役社長 寺尾 玄氏
100℃を超えないように温度制御を行なっている

 ごはんの味として目指したのは、「おかずをおいしくするごはん」だという。

 「張りのある食感、ほぐれのよさ、抜けるような香ばしさを実現した。なにより、バルミューダの炊飯器で炊いたごはんはおかずに合う。カレーやたまごかけご飯との相性は最高、冷めておにぎりにしてもおいしい。特にカレーとの相性は抜群なので、個人的にはバルミューダからレトルトカレーを出したいと思っているが、社内の許可がおりない」(代表取締役社長 寺尾 玄氏)

たまごかけご飯によく合う粒感のあるごはん

 実際に試食したところ、「さっぱりとしたごはん」という印象。IH式や圧力を用いた炊飯器では、表面が粘ついて、口の中に入れた時に甘みが感じられるが、「BALMUDA The Gohan」で炊いたご飯は、しゃっきりとして、粘つきはない。粒感がしっかりしているので、たまごかけご飯によく合う。おにぎりにした冷めたごはんは甘みが感じられた。

さっぱりとした味わいで、粒感がしっかりしているのでたまごかけご飯などに合うと感じた

 本体の機能は、最小限とした。保温機能は省略し、炊飯モードは白米、白米早炊、玄米、炊き込み、おかゆの5つ。本体サイズは275×251×194mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約4kg。消費電力は670W。本体カラーはホワイト、ブラック。

本体サイズは275×251×194mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクト。バルミューダのトースターやケトルのサイズ感と変わらない

売上は2倍に成長、今後もキッチン家電分野に意欲をみせる

 バルミューダでは、トースターやケトルなど、キッチン家電に参入してから、売上が倍増。現在もレンジやコーヒーメーカーなどの開発を進めていることを明かした。

2016年の売上は55億円と、前年から倍増。今後もキッチン家電の開発を進める

 寺尾社長は「バルミューダでは、“モノより体験”に重きをおいて製品開発を進めている。ものが溢れている時代、人々が本当に欲しいのはモノそのものよりは素晴らしい体験だ。今年はキッチン家電の海外進出も考えている。国内では秋ごろにまた新しい製品を発表できれば」と話した。