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「世界一、おいしいご飯」を目指したバーミキュラの炊飯器がついに発売

 愛知ドビーは、鋳物ホーロー鍋を採用した炊飯器「バーミキュラ ライスポット」を、12月1日に発売する。価格は79,800円(税抜)。全国約14店舗の家電量販店と約11店舗の百貨店で購入でき、11月1日にはバーミキュラ公式オンラインストアで予約受付を開始した。

バーミキュラ ライスポット

 5合炊きのIH炊飯ジャー。鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」で知られる愛知ドビーが、“世界一、おいしいご飯”を目指して開発した初の家電製品となる。2015年5月に製品化を発表しており、今回発売日や価格などが明らかにされた。

 バーミキュラは、極限まで高められた密閉性により“究極の無水調理”ができる鍋として好評を博し、2010年の販売開始から2016年9月までで、シリーズ累計販売が20万個を突破。誰でも簡単に、素材本来の味を活かした料理が楽しめるという。

 製品は名古屋の工場で生産。職人の手仕事によって生み出されており、注文が殺到したことからホーロー鍋は最大15カ月待ち、現在でも約6カ月待ちの状態が続いているという。

本体
鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」は累計販売個数が20万個を突破

暮らしを変える鍋「バーミキュラ」が炊飯器市場に参入

愛知ドビー 代表取締役社長 土方 邦治氏

 愛知ドビー 代表取締役社長 土方 邦治氏は、バーミキュラについて次のように語った。

 「最近では、バーミキュラは“暮らしを変える鍋”と言われています。“外食が減った”、“息子がブロッコリーを食べるようになった”など、高い評価をいただいています」

 そうした声がある中で、炊飯器の開発も、ユーザーから“どの炊飯器よりもご飯が美味しく炊ける”という声があったことから始まったという。鍋での炊飯は火加減が難しく、キッチンで見張っている時間も長くなるため、火加減の調節を自動でしてくれる熱源があれば、より美味しいご飯が炊けるのではという思いから開発に至った。そこで生まれたのが、IH調理部「ポットヒーター」だという。

専用鍋(左)と、新開発のIH調理部「ポットヒーター」(右)

 熱源となる新開発の「ポットヒーター」は、鍋炊きのおいしさをそのままに、火加減の煩わしさをワンタッチで解消するという。底面にハイパワーIHコイル、側面にアルミヒーターを備え、さらに断熱カバーを組み合わせた「ラップアップヒートテクノロジー」を採用。炎が鍋を包み込む、かまどのような立体的な加熱を実現している。

 また、鍋底の温度を正確に把握する「ヒートセンサー」を搭載。繊細な火加減調整により、美味しく炊き上げるとしている。

側面にアルミヒーターを備え、立体的な加熱を実現
ラップアップヒートテクノロジーを採用

炊飯に適したホーロー鍋に進化

 熱源だけでなく、ホーロー鍋も炊飯に適したかたちに進化。素材本来の味を引き出す「トリプルサーモテクノロジー」は引き続き搭載し、米の対流をより起こしやすいように、鍋は丸みを帯びた形状にした。フタと本体が合わさる精密加工面は新たな構造を追加した、新技術「フローティングリッド」を採用。高火力調理時に吹きこぼれを抑制している。

 また、フタ裏にはリング状の突起「ダブルリッドリング」を搭載。炊飯後にフタをしたときに、水滴が鍋の周縁部に落ちるため、ご飯のべちゃつきを抑えられ、鍋をそのままおひつのように使えるという。

丸みを帯びた形状にした
フタ裏にはリング状の突起を搭載。フタを置くスタンドも付属する

 このほか、鍋底のリブ加工も通常のホーロー鍋では直線状にしているが、しゃもじでご飯を返しやすいようにライスポットでは水紋状にした。

 専用鍋は鋳物ホーローなため、内側に水位線の加工は施されていない。水の量は、付属の水用計量カップで計る必要がある。

鍋底のリブ加工は水紋状。内側に水位線はない
水用の計量カップが付属する

“あえて”なくした保温機能

 保温機能については“あえて”搭載していない。その理由として「保温したご飯は美味しくない」「保温用のフタがないとご飯が美味しく炊ける」「メンテナンスが容易」の3つを挙げる。

 同社の調査によると、炊いたご飯を炊飯器で保存する人は少なく、ほとんどが冷蔵・冷凍していることがわかったという。また、「保温は必要ない」「保温がなくても困らない」と回答した人も多く、余ったご飯は冷凍して温め直しを推奨している。

 なお、別売りの保温カバー「ヒートキーパー」(価格:約10,250円)を使用すれば、炊きあがり後2時間まで保温可能。

保温を必要としない人は多くいるという

 また、標準的な炊飯器に備えられている保温用の内ぶたをなくしており、加熱される鍋の下部と外気で冷やされる上部に温度差を発生させている。温度差が大きいと熱対流が起きやすくなるため、従来の炊飯器よりも激しい熱対流を起こし、お米一粒一粒までムラなく炊き上げる。

 また、仕上げの「蒸らし」工程も効率的に行なえるという。加熱を終えた鍋を外気で冷やす「蒸らし」において、保温用のフタがないことで、ポットヒーターに内蔵したファンが鍋をしっかり冷ませ、米を引き締めて水分を吸収させる。これにより、格段なツヤと食感を実現したという。

 保温用のフタに付随するパッキンなどの細かな部品もないため、洗いやすくメンテナンスが簡単で、常に清潔に使用できる。

毎回洗うのは鍋とフタのみで、手入れが簡単とする

ローストビーフなどが作れる調理モードも搭載

 操作パネルは、次の操作に必要な箇所だけ光る「スマートタッチキー」を採用。炊きあがり時間の設定やタイマー、モード切り替えなどを簡単にできるという。

 モードは、「炊飯モード」と「調理モード」の2つを用意。

 炊飯モードでは、「白米(ふつう・おこげ・おかゆ)」と「玄米(ふつう・おこげ)」が選択できる。炊飯容量は、白米(ふつう・おこげ)が1~5合、白米(おかゆ)が1~1.5合。玄米が1~4合。炊飯時間の目安は、浸水で30分、加熱で約30分。

操作パネルは必要な箇所だけ光る「スマートタッチキー」
まず「炊飯モード」か「調理モード」を選択する

 調理モードは、「中火・弱火・極弱火・保温」で調節可能。保温時は、30~95℃に1℃刻みで設定できる。100品のメニューが掲載されたレシピブックも付属しており、ローストビーフやデザート、パン作りなどが可能だという。

 本体サイズは、約311×296×208mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約6.9kg。消費電力は1,350W。専用リッドスタンド、米用計量カップ、水用計量カップ、レシピブックが付属する。

調理モード選択時
ポトフなどが作れる

ご飯もローストビーフも絶品! 何杯でも食べられる美味しさ

 会場では、ライスポットで炊いた白米やローストビーフが用意されていた。白米は見た目がまずツヤツヤで、しゃもじで混ぜるとふんわり香りが広がる。実際に食べてみるとふっくらと甘みのあるご飯で、用意されていたおかずとともにうっかり4杯もいただいてしまった。

 土方社長は、「バーミキュラはコンシェルジュサービスも特徴の1つです。ホーローは何10年も使うと剥げてきますが、再加工などの修理サービスも行なっています。また、私たちは“手料理と、生きよう”をブランドスローガンに掲げています。素材本来の味を楽しむライフスタイルを提供していきたいと思います」と述べた。

ライスポットで炊いた白米。ふっくらとして甘みがあった
バーミキュラの鍋で作ったおかずとともにいただいた
ローストビーフも絶品