ミニレビュー

レンジでおいしく炊飯できるガラス鍋「一膳屋」がマジ有能です

ミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
HARIO(ハリオ)の「一膳屋 XRCP-1」

2024年にいきなり我々を襲った、“お米品薄”問題。大変でしたよね。ご飯ガチ勢の筆者も、今夏は「お米がなければ麺を食べればイイじゃない」のスタンスで、ひたすら麺類レシピの開発に勤しんでいました。

しかし……そんな受難の時期を越え、ついに秋がやって来た! 新米が店頭に並び始め、いよいよ米不足が解消されてきています。

さあ、ここからはご飯のターンだぜ。ということで、簡単に美味しいご飯が炊けるアイテムをご紹介しましょう。HARIO(ハリオ)の「一膳屋 XRCP-1」です。

こちら、電子レンジでご飯が炊けるガラス製の鍋です。“電子レンジ用の炊飯アイテム”という括りでいうと、すでに他社からも様々な製品が出ていますよね。そんな中で、「一膳屋」の価値を端的に言うなら、ズバリ“美味しく炊ける”に尽きます。

電子レンジ炊飯の手軽さを叶えるだけでなく、大前提として、“ちゃんと美味しいご飯が炊ける鍋”であることが最大の魅力なのです。

一度に0.5〜1合のご飯が炊ける、1〜2人用の炊飯アイテム

「一膳屋」を手がけるHARIOは、1921年に創設された耐熱ガラスの企画・製造・販売を行なう日本のメーカー。「一膳屋」は、そんなHARIOならではの、オール国産耐熱ガラス製の鍋です。つまり、シンプルにガラス製品としての信頼性が高い! 「HARIOさんなら大丈夫だろう」と、安心して手に取れるのがまず強いです。

本体サイズは200×160×143mm(幅×奥行き×高さ)。口径は150mm。使用されている素材は、耐熱ガラス「HARIO Glass(R)」です。パーツは本体とフタの2つだけで超わかりやすい

我が家では元々、同じHARIOが開発した炊飯土鍋「フタがガラスのご飯釜」を日常的に使用していて、これがまあとにかく美味しくご飯が炊けるんです。それもあって、今回の「一膳屋」も使う前から期待していましたが……実際に我が家に導入したら、期待以上でした。

使い方としては、「一膳屋」の本体にといだお米を入れて水を注ぎ、30分ほど浸水させたら、フタを閉めて電子レンジで10分加熱するのみ。その後、電子レンジ庫内に入れたまま10〜15分ほど蒸らせばできあがりです。

なお、一度に炊けるお米の量は0.5合~1合なので、基本は1人用、多くても2人用といった感じですね。

本体には、0.5合炊きと1合炊きそれぞれの水位線が付いていて楽チン(撮影時は1合炊きました)
フタのふちにゴムのパーツが付いていて、フタを閉めた時に安定します
フタを閉めた際の全体の高さは143mmで、一般的な電子レンジならまず入ります。加熱中は、お米が炊飯されているゴポゴポっと低い音が聞こえてきます

電子レンジ炊飯への期待を軽く超えてくるクオリティ

さて、いよいよ「一膳屋」で電子レンジ炊飯し、蒸らしを終えたご飯のクオリティについてお伝えしましょう。というか、すでに冒頭で結論は言ってしまったので、繰り返しになりますが……普通に炊飯器で炊いたご飯と見紛うレベルなんですよ。

写真撮影時は新潟産「こしひかり」を炊きました
見るからにふっくら感があって美味しそう……!

まずフタを開けた瞬間に、ツヤツヤなご飯が目に飛び込んできて、「これは絶対に美味しいやつだよな?」と直感できます。そしてご飯をひと口頬張ると、期待通り……いや、期待以上にちゃんと“美味しい”。ふっくらとした炊き上がりで、パサつきもなく、何も言われなければ普通に炊飯器で炊いたご飯だと思ってしまいます。

ネット上では、「2〜3万円台の炊飯器で炊いたご飯の味と比べても遜色ない」という評価も見られるほど。本当に、「電子レンジ炊飯に期待するクオリティを軽く超えてきた」と言って良い仕上がりです。

ベチャベチャになることもなく、ふっくら炊けています
ツヤっとしたご飯が美味しそう

使いこなしのポイント

使いこなす上で大事なポイントはまず、お米に水を注いで30分間浸水させる工程を省略しないこと。これを怠けると、炊き上がったご飯に芯が残ってしまいます(試してみたら、実際になりました)。

なお、ネット上の口コミを見ていると「炊飯中に吹きこぼれる」という声もあるようですが、我が家で使用している分には、今のところ特に吹きこぼれていません。この辺は、季節・気温と水分量、電子レンジの出力W数などのバランスの兼ね合いもあるのかも。

季節的なことでいうと、時期によって蒸らし時間を調節する必要はあります。公式の目安は10〜15分とされていますが、実際に使っていて「最低12〜13分蒸らしておけば失敗しにくい」という感覚です。この辺はアナログな使いこなしが求められますね。

ちなみに我が家は、40代夫婦の2人暮らしで、夕飯時はお米を2人で1合くらいしか食べません(少食なのではなく、年齢的に体重管理が必要なのです……)。なので、我が家においては、「一膳屋」はちょうど夕食1回分のお米が炊けるアイテムとして、使い勝手もばっちりです。

……と言いつつ、一般的には「1人暮らし用の簡単炊飯アイテム」であり、「昼食やお弁当用にちょこっとご飯を炊きたい時に便利な調理器具」といった部分が魅力となるでしょう。

では、3人以上の家庭では出番がなさそうかというと、そんなことはないんです! 最後に、その辺をご紹介しましょう。

炊飯だけじゃない! レンチンおかずも作れる

この「一膳屋」、実は炊飯以外の電子レンジ調理にも使えます。つまり、普段のおかずを作る調理器具として活用できるということ。この仕様を知った時には「さすが! よく考えられてる!」と思いました。

豚キムチやチーズリゾットなどが、火を使わずに短時間で作れちゃいます。

「一膳屋」で作れるレンチンおかず「豚キムチ」
豚バラ肉、キムチ、ニラと調味料(ごま油、酒、塩コショウ、おろしにんにく)を入れて混ぜ、電子レンジで5分ほど加熱するだけでできちゃう
炊いたご飯を活用したレシピ「チーズリゾット」も
ご飯、玉ねぎ、しめじと調味料(バター、オリーブオイル、ピザ用チーズ、コンソメ、牛乳)を入れて混ぜ、電子レンジで3分ほど加熱すればOK

それこそ3人以上の家庭の場合、電子レンジで0.5〜1合の少量炊きをしたいタイミングってそこまで多くはないですよね? でも、普段から「一膳屋」でおかず作りができるならアリじゃないですか?

つまりは逆の発想で、「電子レンジ調理用のガラス鍋で、たまに少量のご飯も炊ける」くらいの考え方で使っちゃえばイイんです。そうなると、家に1台持っておいて損じゃないなって思えますよね。

それにちゃんと、ニオイ移りやニオイ残りがしにくいのも嬉しいところ。我が家では、おかず作りと炊飯の両方で何回も使っていますが、ご飯にニオイが移ったと感じたことはありません。

もちろんしっかりお手入れをすることは基本ですが、「一膳屋」は本体とフタの2パーツしかないし、そのパーツ自体の凹凸も少ないので、サッと簡単に洗えます。

さあ、ご飯のターンを楽しもうぜ

というわけで、最近の我が家の“推し炊飯アイテム”「一膳屋」について紹介してきました。手軽に美味しいご飯が炊けるし、おかず作りにも使えるし、お手入れも楽チン。こうして特徴をまとめてみると、改めて、使い勝手がよく考えられている製品だな〜と感動しますね。

さあ、いよいよお米不足が解消されてきた今こそ、新米を楽しんでいきましょう! 「一膳屋」なら、電子レンジ炊飯で手軽に美味しく食べられますよ。

杉浦みな子

オーディオビジュアルや家電にまつわる情報サイトの編集・記者・ライター職を経て、現在はフリーランスで活動中。音楽&映画鑑賞と読書が好きで、自称:事件ルポ評論家、日課は麻雀……と、なかなか趣味が定まらないオタク系ミーハーです。