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フィリップス、歯周病に悩む日本人のために開発した電動歯ブラシ「ソニッケアー ガムヘルス」

 フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、歯ぐきケアに特化した電動歯ブラシ「ソニッケアー ガムヘルス HX8931/11」を9月上旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は15,800円(税抜)。

電動歯ブラシ「ソニッケアー ガムヘルス」

 毎分31,000回の高速振動と幅広い振幅の組み合わせにより、唾液を活用した「音波水流」を口内に発生させる電動歯ブラシ。毛先の届きにくい歯のすき間や、奥歯の歯垢までしっかり除去できるという。

 ソニッケアー ガムヘルスは、歯周病予防に適した製品とし、歯ぐきケアに特化したブラシとモードを搭載。歯垢には歯周病の原因となる菌が生息しており、磨き残しの多い歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットに付着しやすいという。歯周ポケットを磨きやすいブラシと、歯ぐきをやさしく刺激するモードを備えることで、健康的な口内環境へ導くという。

音波水流を口内に発生させて歯垢をしっかり除去する
歯ぐきケアに特化したブラシとモードを用意

ソニッケアーで初めて日本のニーズをもとに開発

 同社の調査によると、日本の消費者が口腔内に抱える悩みやトラブルとして、最も多く挙がったのが「歯周病」だという。また、海外と比較して歯周病経験者の割合は、アメリカが16%、イギリスが15%なのに対し、日本は29%と高い結果となった。

 これは、欧米では病気になってから歯医者に行くのではなく、定期検診やクリーニングなどの予防治療が多く行なわれているほか、歯並びや歯の白さといった審美歯科が注目されているなど、歯に対する意識の違いがあるという。

 そこでフィリップスは、日本人の歯周病予防への関心に応えるべくガムヘルスを開発。同社が日本のニーズから製品を開発するのは、ソニッケアーブランドとしては初の試みとなる。日本での発売を皮切りに、世界でも発売を予定している。

日本のユーザーは口腔内の悩みとして「歯周病」が最も気になるという
海外と比較して日本は歯周病経験者の割合が高い
フィリップス エレクトロニクス ジャパン オーラルヘルスケア ジュニアマーケティングマネージャー 佐々木 栄美氏

 フィリップス エレクトロニクス ジャパン オーラルヘルスケア ジュニアマーケティングマネージャー 佐々木 栄美氏は、新製品のターゲットについて以下のように語った。

 「電動歯ブラシを選ぶとき、日本のユーザーは2つのタイプに分かれます。口臭やステイン除去、本体デザインなどに気を使う“身だしなみとしての口腔ケア”と、歯ぐきケアや虫歯予防を目的とした“自分自身の健康のための口腔ケア”の2つです。今回発売するガムヘルスは、後者の健康のために口腔ケアをするユーザーに向いた製品です」

「身だしなみとしての口腔ケア」タイプ
「自分自身の健康のために口腔ケアを行なう」タイプ

歯周ポケットに入り込む新開発のブラシ「プロリザルツガムヘルス」

 ブラシは、歯ぐきケアに特化した形状と硬さの「プロリザルツガムヘルス」が付属。コシがありながらもやわらかい高密度なブラシ毛を採用し、毛先全体が長くしなるため、歯ぐきへの当たりがやさしいという。

 また、先端が長くカーブ形状になっており、歯間に毛先が入り込みやすい。中央部分は少し長めのブラシ毛で、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットにフィットする。これにより、歯周病の原因菌がひそむ歯垢をしっかり除去できるとしている。

歯ぐきケアに特化した「プロリザルツガムヘルス」(手前)
拡大図。コシがありながらもやわらかい高密度なブラシ毛
先端が長いため、歯間に毛先が入り込みやすい
中央部は少し長めのブラシになっており、歯周ポケットにフィットする

 モードは、歯垢をしっかり落とす「クリーン(2分)」と、歯ぐきをやさしく刺激する「ガムプラス(2分)」の2つを用意。ガムプラスは、歯ぐきをやさしく叩くような心地よい動きが特長で、歯ぐきが腫れて出血が気になる人などでも使いやすいという。約2週間で健康な歯ぐきへと導くとしている。

 いずれのモードも強さを「高/中/低」の3段階で調節でき、口内環境に合わせたオーラルケアが可能。電動歯ブラシを初めて使う人であれば、通常よりもパワーを抑えた「低」から使うことが推奨されている。

「クリーン」と「ガムプラス」の2モードを用意。いずれも強さは3段階で調節できる

 本体サイズは、30×31×250mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は141g。充電時間は48時間。使用可能時間は約3週間(1日2回、2分間使用した場合)。充電器とソフトトラベルケースが付属する。

 なお、付属ブラシ「プロリザルツガムヘルス」は単体での購入も可能。本体はソニッケアーシリーズの各ブラシとの互換性があり、多彩なブラシでニーズに合わせた選択ができるという。

付属の充電器
本体は、ソニッケアーシリーズの各ブラシにも対応する

歯周病は自覚症状がないままに進行する病気、毎日のセルフケアが重要

誠敬会クリニック内科・歯科 理事長 田中 真喜氏

 会場には、誠敬会クリニック内科・歯科 理事長であり、日本歯周病学会 専門医・指導医の田中 真喜氏が登壇。

 田中氏は、「歯周病になると、歯を支えている骨が弱り、歯が抜けて入れ歯生活になってしまいます。しかし、歯ぐきから出血する、口臭がするなどの軽度の症状では、通院する人が少ないのが現状です。歯周病は、自覚症状がないままに静かに進行する病気です。歯を喪失してしまうと、食事が美味しく感じられなくなったり、発音や呼吸に支障をきたします」と話す。

 そのうえで、歯周病を予防するために重要な自宅ケアについて以下のように語った。

 「歯周病菌のすみかは、歯ぐきの中と歯ぐきの上の2箇所にあります。歯ぐきの中は歯石がこびりついており歯ブラシでは落とせないため、歯医者で定期的にクリーニングする必要があります。もう1つ大事になってくるのが、毎日のセルフケアです。歯ぐきの上に付着する菌を含む歯垢は、物理的に磨かないと効率的に除去できません。また、手磨きよりもソニッケアーを使った方が、口腔内の総菌数を減少できることもわかっています。短時間で効率よく磨けるソニッケアーは、口腔ケアの強い味方といえます」

歯ぐきが腫れて出血し、最終的には歯が抜けてしまう
出血や口臭などの軽度の症状では通院する人は少ない
歯ぐきの中にこびりつた歯石は歯医者でクリーニングする必要があるが、歯ぐきの上についた歯垢は毎日のセルフケアで除去できる
ソニッケアーは手磨きよりも効率よく口腔内の菌を減少できるという