カデーニャ

400円で買えるBLE忘れ物防止タグ、激安ならではの割り切り活用術とは

 Bluetooth Low Energy(以下BLE)でスマートフォンと連携する忘れ物防止タグはさまざまな製品が世に出ていますが、、最近は安価なものを見かけるようになりました。たとえば今回見つけたのは秋葉原の電子雑貨屋さんで400円ほど。他製品とはひと桁値段が違う、激安品ですね。

忘れ物 探し物発見探知タグ ブルートゥース 防滴仕様 ブラック 盗難 置き忘れ キーファインダー:400円

 はたしてちゃんと使えるのだろうかと、気になって筆者も1個買ってみました。が、たとえば「これを傘に付けてさえいれば、いつでも、どこに忘れてもわかるよね!」なんて考える方には、残念ながらこのガジェットはオススメできません。

 というのも、このタグ、あまりに電池がもたないのです。連続使用では3~4日、長くても1週間で電池切れを起こします。電池1個で数カ月から1年もつようなデバイスを作れるのがBLEの特徴のはずなのですが……。ただ、それ以外はちゃんとしていて、電波の発信位置を地図上で表示してくれたりします。

連携しているスマートフォンのGPS機能で定期的に位置を記録し、電波をキャッチした場所を地図で表示する仕組み。機能的には他の忘れ物防止タグと同等に思えますが……
タグ検索アプリの起動画面。子供やお年寄りの迷子対策には使えそうです

 とはいえ電池がもたないので、この製品は使い方が少々限定されてしまいます。家を出るときにはスイッチを入れ、帰ったら切る。そういった使い方ができる場面であれば使えるでしょう。

 普段使いは難しいかもしれませんが、たとえば特別なイベントで、これだけは絶対になくしてはいけない荷物に付けておく、とか。あるいはお休みの日のおでかけに子供に付けておくとか。万一子供が迷子になってしまったとき、どこで離れてしまったのかスマートフォンを見ればその手がかりは得られます(電波を受信できなくなった場所が、恐らくお子さんが離れてどこかに行ってしまった場所です)。

 タグの電波が届かなくなるとけたたましい音が鳴りますので、取り付けた何かがちょっと手元を離れただけでわかります。迷子や忘れ物をしそうになったら最短距離で気づけるでしょう(注意してほしいのは、家に帰ってタグの電源を切るより先にスマホアプリを終了しておかなかいと、やはりけたたましい音がすることです)。

 繰り返しますが、このタグは、なくしたくないモノに長期間付けっぱなしにしておくだけでいい、という性質の製品ではありません。一般的にそのようなタグはひと桁値段が高いのですが、それはそれだけの値段がする理由がある、ということなのですね。

トートバッグに取り付けてみました。この製品、安価ですが見た目はけっこういいんです
この記事は、2017年6月28日に「カデーニャ」で公開され、家電Watchへ移管されたものです。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身のライター。88年、パソコン誌「Oh!X」(日本ソフトバンク)にて執筆開始。PCやスマートフォン、モバイル関係のQ&A、用語解説、プログラミング解説などを書く。代表作は「ケータイ用語の基礎知識」(インプレス・ケータイWatch) Oh!X誌上では「オタッキー(で)」とも呼ばれた、その筋人。最終学歴は東海大学漫画研究会。ホームページはhttp://ochada.net(イラスト : 高橋哲史)