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その製品、危険物じゃない? 製品の安全性を示す「SDS/MSDS」とは

SDS/MSDS(えすでぃーえす/えむえすでぃーえす)

 「Safety Data Sheet」の略、または「Material Safety Data Sheet」の略で、どちらも同じ「安全データシート」のことを指す。以前までは「MSDS」と呼ばれていたが、現在では呼び方を国際的に共通化するため「SDS」に統一された。とはいうものの、現場では今なお「SDS」「MSDS」の呼び方が混在している。

 有害な恐れのある化学物質や、そうした化学物質を含む製品を他者へ提供する際に、該当の製品が安全であることを示すために必要な書類。輸出入の際に発生するHSコードと異なり、SDSは相手が海外か国内か問わず必要となる。

 化学物質というと縁遠い存在のように思うかもしれないが、SDSが必要となる製品は身の回りに溢れている。その代表的な存在が、電化製品で用いられるリチウムイオンバッテリーだ。

 昨今の報道にもある通り、リチウムイオンバッテリーを搭載した電子機器が爆発するといった事故が各所で発生しており、最近では飛行機で移動する際もバッテリーは預け入れができず、手荷物として機内に持ち込むルールが主流となっている。

 とはいえ個人旅行程度であればいざ知らず、ビジネスでやり取りする物量をすべて機内に持ち込むわけにはいかない。そのため飛行機はもちろん輸送の際に「このバッテリーは安全である」というメーカー発行の書類としてSDSが要求される、というわけだ。

 SDSが要求されるのはバッテリーだけでなく、液体を使った製品や液体そのものなどもSDS対象となりうる。例えばマニキュアの除光液などもSDSの対象だ。対象の製品を輸送する場合、下記のように危険物であることを証明するマークを貼り付けることもある。

 SDSは記載すべき内容が決められており、書式に従って自社で作成が可能だ。一方で作り方がわからないという人のために、下記のようなSDS作成代行というサービスも提供されている。

SDS(MSDS)作成代行サービス:日立化成テクノサービス株式会社

 なお、Cerevoが昨年12月に実施しているブログ企画「Cerevo アドベントTechBlog 2017」では、海外の物流を兼任している営業担当によるSDSの実例を紹介しているので、合わせてこちらもご一読いただきたい。

「モノの出入国手続き」を担う海外物流の苦労[12日目]

この記事は、2017年12月11日に「カデーニャ」で公開され、家電Watchへ移管されたものです。

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