イベントレポート IFA 2013

ダイソン、2012年度の売り上げは約12億ポンド

~日本は世界で最も急成長する市場

 ダイソンは、ドイツ・ベルリンで開催されている世界的コンシューマー・エレクトロニクス・ショー「IFA 2013」において、2012年度の売り上げを発表した。2012年度の売り上げは12億ポンド、日本円にして約1,859億円(9月8日現在のレート)を達成しており、また、利益は19%増加の3億6,400万ポンド(同563億円)となった。

 ヨーロッパ、アジア、アメリカ、北米など各地域での具体的な成果も併せて発表し、その中で日本は依然として世界で最も急成長する市場と表現、日本以外のアジア地域に関しても台湾は世界でトップ10に入る売り上げを記録しているほか、中国では年内に65都市での販売をスタートするという。

 ダイソン本社CEOのMAX Conze(マックス コンツ)氏は「これらの急成長の裏には、V6という新しいモーターの存在がある。我々はモーターが完成させるために、多大な費用と人員をかけている。V6は従来のダイソンのモーターと比べても圧倒的に小さく効率的だ。これにより、製品はより小さく、機能的になる」と話した。

ダイソン本社CEOのMAX Conze(マックス コンツ)氏
従来型のモーター(右手)とV6モーター(左手)を手に、性能や大きさの違いを説明する

 会場では、ダイソン創業当時から在籍するデザインエンジニアのALEX Knox(アレックス ノックス)氏も登壇。ダイソンのこれまでの歩みについて説明した。

 「ダイソン創業当時は10人しか人がいなくて、エンジニアは2人だけだったが、そのあとジェームズ・ダイソンのひらめきから会社は飛躍的な成長を遂げた。ジェームズは、従来の紙パック式掃除機に対して、ゴミを捨てるときにホコリが舞う、交換が面倒、フィルターが目詰まりするなど様々な不満を持っていた。その後、紙パックを使わない掃除機も登場したが、フィルターを搭載している限り、そこに細かいゴミがたまってしまう。そこで、考えられたのが、ダイソン独自のルートサイクロン技術だ。ルートサイクロンは年々進化しており、より細かいゴミを集塵できるようになっている。

紙パック式掃除機のダストバックを手に従来型掃除機の問題を指摘するデザインエンジニアのALEX Knox氏
フィルターがある限り、そこにゴミが付着してバクテリアなどが繁殖してしまうという

 最新の掃除機では、サイクロンを並列に並べて、二重に配置している。この製品を開発するために、本当に細かい、微細なゴミを実際に製品に吸わせて、何度もテストを行なった。エンジニアの立場からすると、吸わせるのが嫌なくらいの小さなゴミだが、我々の技術によってクリアできた。技術的には、より微細なゴミを目詰まりすることなく吸うためには、より強力な遠心分離を発生させる直径が細いサイクロンが有効だが、その分、サイクロンの出口が小さくなり、ゴミが詰まってしまうというリスクが大きくなる。それをクリアするために、遠心分離によって先端を振動させるような柔らかい素材を採用した」と、日本未発売のキャニスター型掃除機「DC52」についても、言及した。

日本未発売のキャニスター型掃除機「DC52」
カットモデル
実際に採用されているもの。直径はかなり小さい。素材は柔らかい
素材が柔らかいため、遠心分離の際に先端が変形。根づまりすることがないという

 今後の展開としては「若いエンジニアを育てる」と名言した。同社では、シンガポールにV6モーター専用の工場を構えるが、シンガポールで若い世代を育てていくという。

 「有能なエンジニアを育てることで、新しい技術を開発、次のブレークスルーを作ることができる」と話し、2013 年に650人のエンジニアを採用することを明らかにした。

 また、プレゼンの中で同氏は、日本を「特別な強いつながりがある国」と表現。これは1993年に世界で初めてダイソンの製品が発売されたのが、日本であることに由来するもので、今後も持続して注力していくという。

先日日本で発表されたコードレススティッククリーナー「DC62」についてのプレゼンテーションも行なわれた。新しいモーターを搭載したことで、よりパワフルになったという
「Dyson Hot+Cool(ダイソン ホットアンドクール) ファンヒーター AM05」も展示されていた。カラーは新色のブラック/ニッケル

阿部 夏子