イベントレポート
IFA 2014
ネットワークと繋がることで家電は次のステージへ~IFA2014事前説明会
(2014/4/28 12:02)
毎年秋にドイツ・ベルリンで開催される世界的な家電見本市「IFA」の事前記者説明会「IFA Global Press Conference」が4月24日から26日(現地時間)に、トルコ・ベレクで開催された。
世界50カ国以上、300人以上の記者を招待して行なわれるプレイベントで、協賛メーカーやIFAの関係者によるプレゼンテーションが行なわれる。家電Watchではその中から生活家電について、レポートする。
家電のスマート化はより加速する
様々なプレゼンテーションの中で、白物家電についてはインターネットに製品をつなぎ、スマートフォンやタブレットで操作できる「スマート化」が今後ますます進むことが強調された。
ドイツのBSHのプレゼンテーションでは、製品のブランドを問わず様々な機器をスマートフォン、タブレットから操作できるアプリケーション「Home Connect」を紹介。アプリをオープンソースにし、単純な構造とすることで、専用のゲートウェイやボックスなどを用意することなく使える点が特徴。自宅にインターネット環境があれば、すぐに使えることができるという。
また、Home Connectでは家電4品の操作のみならず、通信販売や料理のレシピなど様々なサービスにも対応していく予定という。現在はビジネスパートナーを探している段階で、実際の運用については未定。
GfKやMesse Berlinの代表者などが登壇した全体カンファレンスでも、家電製品をインターネットにつなぐことで新たな利便性や技術が生まれることが指摘された。
ミーレがロボット掃除機に参入
IFA Global Press Conferenceの協賛メーカーの1つ、ドイツの大手家電メーカー、ミーレのブースでは、2014年5月に発売するロボット掃除機が展示されていた。ロボット工学のスペシャリストを抱えた韓国の若い会社とタッグを組んで開発した製品で、製品名は「Scout RX1」。ドイツでの販売価格は619ユーロ。ミーレは1927年から掃除機を作っている老舗メーカーだが、ロボット掃除機を発売するのは今回が初めてとなる。
Scout RX1は、独自のナビゲーションシステムを搭載したロボット掃除機。本体には、ジャイロセンサー(角速度センサー)、室内の天井をスキャンするカメラ、家具や壁への衝突を避けるセンサー、落下防止センサー、赤外線センサーなどを搭載する。これらのシステムにより、「1つのコーナーも残すことなく掃除できる」という。
このタイミングでの参入についてミーレでは、「ロボットクリーナーが最初に登場した当初はダストピックアップ率や、バッテリー寿命の問題などがあり、ユーザーが満足できる製品とはいえなかった。ミーレのユーザーは、妥協した製品では決して満足してくれない。技術的に円熟したパワフルな製品だからこそ、発売できる。価値のある技術を搭載したことで、市場においても存在感を発揮するだろう」とコメントする。
IFA2014は、9月の5日から10日までドイツ・ベルリンで開催される。オープニングキーノートはSamsung ElectronicsのPresident & CEOを務めるBoo-Keun Yoonが行なうことが既に発表された。来場者数、出展者数ともに年々増加しており、2014年からは、展示スペースをさらに拡大させるという。家電Watchでは現地リポートを予定している。