イベントレポート IFA 2013

ボダム、カラフルなデザインが楽しいキッチン家電

 国際コンシューマ・エレクトロニクス展「IFA 2013」が、ドイツ・ベルリンの国際見本市会場において9月6日~9月11日(現地時間)に開催された。

 IFAは、世界最大級のコンシューマー・エレクトロニックス・ショーで、白物家電をはじめ、テレビやオーディオなどのAV機器も多数出品される。今年で53回目で、前回の2012年は、出展企業が56カ国/1,439社、来場者数は延べ約24万人だった。

 家電Watchではその中から、洗濯機や冷蔵庫などの生活家電に焦点を当てて、レポートする。

ポップでカラフルなデザインが楽しいキッチン家電

 1944年にデンマーク・コペンハーゲンで創業したボダムは、機能性とデザイン性に優れたキッチンウェア・ブランドとして欧州や北米で高い知名度を誇る。現在、ボダムの製品は世界55カ国で販売されており、20カ所の直営店舗に加えて、多くのショップインショップを展開する。家電分野への進出は1992年からで、1974年に発表されて以来のロングセラーである「フレンチプレス」の弱点である”時間がかかる”ことを解消するために、電気ケトルを売りだしたのが始まりだった。キッチンウェアの分野同様、生活家電でも機能性とデザイン性の両立に定評がある。

ボダムブース
ライトのカバーには同社のフレンチプレスコーヒーメーカーのガラス部分が使われている
製品を分解した展示も行なっていた

 ポップなデザインと、カラフルなカラーリングが特徴の「e-bodum(イーボダム)」というシリーズで生活家電のラインナップを充実させたのはこの数年のことで、IFAへの出展は2012年から始めた。今年は、既存の「ビストロスタンドミキサー」に新しくアタッチメントを追加したほか、5種の新作をラインナップに加えた。

e-bodumシリーズ。様々なサイズとカラーリングが揃う。デザインが統一されているので、そろえて使うことができる点も特徴だ
コーヒー豆を好みに併せて挽くことができるグラインダー

 ボダムが当初から展開している電気ケトルは、ボディ部分に透明な部品を採用して、お湯が沸くようすが見られる。60~100℃まで20℃刻みで5段階に水温調整ができるのが特徴で、コーヒーや紅茶の愛好家から好まれいる。1,500Wの発熱量があり、沸騰までの時間が短いのも魅力だ。

 透明な部分は二重構造になっており、お湯に直接触れる内側はガラス製、外壁は透明なプラスチック製で、衝撃を吸収して内壁を守る役割を持つ。沸騰すると、スイッチが点滅したあと、点滅の停止と共にビープ音が鳴ってお湯が湧いたことを知らせる。従来の電気ケトルと同様の機能を保ちながら、沸騰後に30分の保温が可能な保温ボタンが追加された。水垢フィルターの取り外しが簡単なのも嬉しい。こちらも、e ボダムの基本色である4つのカラーバリエーションが揃う。

容量1.1Lの電機ケトル
温度調節機能を備える

 ビストロ・シリーズには、サンドイッチトースターとワッフルメーカーも加わった。サンドイッチトースターは、一回の操作で三角形のホットサンドを最大4つ作れる。700Wのコイルを採用し、120~200℃までの20℃ごとに5段階の調整が可能だ。はじめに予熱が完了すると、インジケーターが適正な温度になったことを知らせてくれる。その後、パンと具材をセットして、ハンドルグリップを閉じて固定する。ワッフルメーカーも同様に、700Wで120~200℃での5段階の調整が可能。2つの長方形のベルギーワッフルを焼くことができる。

左からホットサンドメーカーと、ワッフルメーカー
表面にパンチングが施されたデザインはほかの製品と同様

 日本では馴染みが薄いスタンドミキサーも展開する。料理はもちろん、製菓用としても活躍する製品で、大きめのボウルの上にミキサーが備わっており、ボウルの上に手を添えなくても、材料をミックスできるというものだ。

 今シーズンは、このスタンドミキサー専用のアタッチメントを2種類追加した。1つは、野菜をスライスできる回転式のカッターで、スライスはもちろん、みじん切りなどにも対応する。固いチーズもこれを使えばあっという間におろすことができる。

 もう1つは、肉のミンチが作れるカッター。上部から塊肉を押し込むようにすると、カッター前方から、新鮮なミンチが出てくるという仕組みだ。いずれも、衛生面を重視した設計で、調理後は部品を分解して隅々まで洗うことができる。もちろん、食洗機にも対応する。

左がアタッチメントを付けていない状態のスタンドミキサー。右が回転式のカッターを装着した状態
野菜をスライスしたり、チーズをおろしたり、用途に応じて4つのアタッチメントが用意される
肉をミンチするためのアタッチメント。上から肉を入れるとカッター前方からミンチとなって出てくる

 生活家電の分野の歴史は浅いボダムだが、使いやすさを重視したシンプルな操作系が特徴で、デザイン性にも優れる。今後の展開に期待したい。

川端 由美