家電トレンドチェッカー

体の“質”までわかる体組成計の最新動向をチェック!

体全体の“質”まで把握できるのが体組成計

 家電量販店のヘルスケアコーナーには、さまざまな体組成計(体重体組成計)が並んでいる。ひと昔前までは、ヘルスケアといえば体重計が定番だった。だが今や体の重さだけではなく、自分の体がどんな構成になっているかまでわかる体組成計が人気なのだ。

 そもそも体組成計と単なる体重計との違いは何か? 体組成とは筋肉や脂肪、骨など、体を構成する要素を指し、微弱な電流などを体に流すことで、それらの要素を推定するのが体組成計。体重だけでなく、体脂肪率や脂肪の内容(皮下脂肪か内臓脂肪か)、筋肉率までわかるのが体重計との違いだ。

 こうした測定をすることで、体全体の“質”が把握でき、筋肉を増やして体脂肪を落とし、代謝率のいい体を目指すことが容易になる。ダイエットなどを効果的に進められるのだ。

多機能化が進む体組成計の代表モデル。タニタ インナースキャンデュアル

 体組成計の歴史を紐解くと、2003年頃にまで遡れる。当時は空前の“メタボブーム”。多くのメディアなどでもメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という言葉が踊り、健康志向が強まっていた。業界を牽引していたオムロンが、タレントの香取慎吾を起用したテレビCMを放映していた頃だ。

 その以前に存在していたのは体脂肪計。体組成計と名称や見た目は似ているものの、測れる項目に差があった。体脂肪計が測定できるのは、体重/体脂肪率/体脂肪率判定/BMI(肥満度)/基礎代謝まで。そこに、内臓脂肪レベル、内臓脂肪レベル判定、体年齢などが測れるようになったのが、体組成計だ。

 “メタボブーム”の後押しもあり、当初から10,000円を超える高価格帯の市場が形成された。それから約10年。現在の体組成計市場のトレンドは、5,000円以下の低価格市場と、10,000円を超える高価格市場に二極化している。

 5,000円以下の低価格帯市場は、エントリーモデルがひしめきあい、台数ベースでは圧倒的なシェアを占めるものの、体組成計のトレンドを牽引するような個性的な機能を盛り込んだモデルはない。多くのモデルは機能も見た目もいたってシンプル。コンパクトさを謳う製品が増えている。

トップシェアを誇るオムロン/タニタ/パナソニックの体組成計

 ちなみに体組成計市場は、業界トップのオムロンを筆頭にタニタが追随。さらにパナソニックが3番手を追走し、そのほか海外メーカーなどがひしめいている状況。2014年度の金額シェア、台数シェアNo.1、No.2はいずれもオムロンのHBF-216、217というカラダスキャンシリーズ。No.3はタニタのインナースキャン50 BC-313。

高価格帯モデルではスマートフォン連携による多機能化が進む

 一方で10,000円以上の高価格帯市場は、高精度化と多機能化が進む。いわゆるアスリートが使うような高精度なレベルまでは測定できないものの、50g単位で測れる誤差の少ない精度なものも多い。なおかつスマートフォン連携が可能なモデルが増えているのも特徴だ。

スマートフォンと連携させることで、データの閲覧や管理がしやすくなる

 スマートフォン連携用の通信モジュールに関しては、Android用にNFC、iPhone用にBluetoothを搭載。オムロンの最新モデルのように、その両方を搭載するものや、Wi-Fi対応モデルなどもリリースされている。

 体組成計とスマートフォンを連携させるアプリやサービスが、多数用意されているのも特徴だ。例えばオムロンの場合、理想のボディまでナビゲートする無料のWebサービス「WellnessLINK」を用意。さらに同サービスと連携するスマートフォンアプリ「からだグラフ」で体の変化がグラフで気軽に把握できるほか、「朝晩ダイエットアプリ」では、朝晩の体重差を知ることで効果的にダイエットできる。さらに女性の体のリズムを知ることで痩せやすい時期がわかる「ゆるぴかダイエット」など、目的に応じた複数のアプリが用意されているのだ。

EXILEのパフォーマー・TETSUYA氏

 また、オムロン、タニタに次ぐパナソニックは、EW-FA43を発売。その独自の取り組みがネクストトレンドになる可能性が高い。例えば、一歩踏み込んだトレーニングを気軽に取り入れられるよう、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一氏が監修したダイエットトレーニングや、EXILEのTETSUYA氏によるダンストレーニングの動画を公開(本体の購入者限定)。トレーニング動画で効率的に体を鍛え、体組成計でレコーディングすることで、健康ライフを手に入れようという新たな提案を行なっている。

5000円以下のリーズナブルな体組成計をチェック

オムロン HBF-216 カラダスキャン(実勢価格:約1,900円)
オムロン HBF-216 カラダスキャン

 リーズナブルな価格だが、100g単位で測定が可能。過去の測定データから、乗るだけで誰が乗ったのかを推定する自動認識機能を搭載。前回測定値との体重差が表示されるので、体重の変化がひと目で確認できる。厚さは28mmのスリムサイズで家具と壁の間に収納しやすく、設置もA4サイズと省スペース。4隅には滑り止めゴムがついているので、床を傷つけることがない。ガラストップのフラットデザインは、拭き掃除も簡単で常に清潔に保てる。カラーリングはブルー、ピンク、ホワイト。大きさは縦210mm×横285mm×厚さ28mm、重さは1.3kg(電池含む)。

【登録人数】4人分、【体重】体重表示(100g単位)、【体脂肪率】体脂肪率(0.1%単位)、体脂肪率判定(4段階)、【内臓脂肪レベル】内臓脂肪レベル(1~30)、内臓脂肪レベル判定(4段階)、【基礎代謝】基礎代謝表示(1kcal/日単位)、【メモリ】前回値表示、【子どもアルゴリズム】6歳から測定可能

オムロン
http://www.omron.co.jp/
製品情報
http://www.healthcare.omron.co.jp/product/hbf/hbf-216.html

タニタ インナースキャン50 BC-314(実勢価格:約8,610円)
タニタ インナースキャン50 BC-314

 50g単位での測定が可能。乗るだけで電源が入り、測定者を判別する機能を搭載し、使い勝手の良さが重視されている。体重が急激に変化した場合に知らせてくれる「体重急激増減お知らせ機能」を搭載。計測時に足元が安定するようワイドボディで、本体外装には厚さ6ミリの強化ガラスが採用されている。操作部を凹凸のない静電式タッチボタン。インテリアにマッチする上質なデザインに仕上げたのが特徴だ。カラーリングはメタリックブルー、メタリックブラウン、パールホワイト。大きさは縦217mm×横316mm×厚さ27mm、重さは1.5kg(電池含む)。

【登録人数】5人分【体重】体重表示(50g単位)、【体脂肪率】体脂肪率(0.1%単位)、体脂肪率判定(5段階)、【内臓脂肪レベル】内臓脂肪レベル(0.5レベル単位)、内臓脂肪レベル判定(3段階)、【体年齢】体年齢表示(1才単位)、【基礎代謝】基礎代謝表示(1kcal/日単位)、【BMI】BMI表示(0.1単位)、【メモリ】前回値表示、【体重急激増減お知らせ機能】あり、【自動認識機能(乗るピタ)】あり

タニタ
http://www.tanita.co.jp/
製品情報
http://www.tanita.co.jp/product/g/_TBC314BL/

パナソニック 体組成バランス計 EW-FA43(実勢価格:約6,890円)
パナソニック 体組成バランス計 EW-FA43

 FeliCaまたはNFC対応のAndroidとの連携機能で、タッチするだけで測定値をグラフ化できる体組成バランス計。乗るだけで電源が自動で入り、ユーザーを自動識別。体重や体脂肪率などをすばやく測定、記録できる。1カ月の減量目標を入力でき、測定値から目標までの数値をカウントダウン表示する。他の人から見られないようにデータをロックできるデータシークレット機能も搭載。スマートフォンと連携できる体組成・活動量記録アプリ「ダイエットメモ」により、ダイエットのモチベーションを維持させるためのアドバイスやサービスが受けられる。測定データが13カ月分に渡り、グラフで表示させられるほか、ランチ前に食に関するアドバイスが受けられたり、友達などとデータを共有し、励まし合いながらダイエットを継続させたりする使い方も。カラーリングはホワイトとブラック。大きさは縦250×横250×厚さ26mm、重さは約1.33kg(電池含まず)。

【登録人数】4人分、【体重】体重表示(100g単位)、【体脂肪率】体脂肪率(0.1%単位)、体脂肪率判定(6段階)、【骨レベル表示】骨レベル表示(1単位)、骨レベル判定(6段階)、【内臓脂肪レベル】内臓脂肪レベル(0.5レベル単位)、内臓脂肪レベル判定(6段階)、【体年齢】体年齢表示(1才単位)、【基礎代謝】基礎代謝表示(1kcal/日単位)、【BMI】BMI表示(0.1単位)、【メモリ】過去記憶ボタンを押すたびに、前回値~1週間前~2週間前~3週間前~1ヶ月前~2ヶ月前~3ヶ月前~6ヶ月前~12ヶ月、【通信機能】FeliCaまたはNFC対応

パナソニック
http://panasonic.jp/
製品情報
http://ctlg.panasonic.com/jp/taisosei/taisosei/EW-FA43.html

10,000円以上の高精度で多機能な体組成計をチェック

オムロン HBF-254C カラダスキャン(実勢価格:約10,500円)
オムロン HBF-254C カラダスキャン

 BluetoothとNFCを搭載した体重体組成計。測定時間は約4秒と素早く、電源ボタンを押すことなく測定できる。体重は50g単位で測定でき、測定結果は前回の測定値と並んで表示されるのも特徴。毎日の体重の小さな変化を意識しながらダイエットするのに効果的だ。透明タイプの電極はガラス天板上でもほとんど目立たず、ボタンや表示画面の凹凸もないフラットデザインに仕上がっている。カラーリングは、ホワイト、ブラック、レッド。大きさは縦249mm×横327mm×厚さ30mm、重さは1.7kg(電池含む)。

【登録人数】4人分、【体重】体重表示(50g単位)、【体脂肪率】体脂肪率(0.1%単位)、体脂肪率判定(12段階)、【骨格筋率】骨格筋率(0.1%単位)、骨格筋率判定(12段階)、【内臓脂肪レベル】内臓脂肪レベル(1~30)、内臓脂肪レベル判定(9段階)、【体年齢】体年齢表示(1才単位)、【基礎代謝】基礎代謝表示(1kcal/日単位)、【BMI】BMI表示(0.1単位)、【メモリ】前回値表示、【通信機能】Bluetooth通信、NFC通信、USB通信(通信トレイ別売)、【子どもアルゴリズム】6歳から測定可能

製品情報
http://www.healthcare.omron.co.jp/product/hbf/hbf-254c.html

タニタ インナースキャンデュアル RD-901(実勢価格:約15,000円)
タニタ インナースキャンデュアル RD-901

 iPhoneとの連携機能では、通信方式にBluetooth 4.0を採用。家庭用の体組成計として初めて、医療分野で用いられている2つの周波数(デュアル周波数計測機能)を使い、体の水分状態に関わらず精度の高い測定を可能にした。測定結果の判定をバックライト色で分かりやすく表示し、液晶表示は4色の中からカスタマイズできる。スマートフォン用のアプリは、目的別に4種類を用意。筋肉トレーニングをサポートする「365日 腹筋アプリ SitApp」、エクササイズの成果に合わせてキャラの体形や性格が変わる「ふとしの部屋」、ヒロインと一緒にダイエットに挑戦する「ねんしょう! 2+」、計測結果をグラフ化する「ヘルスプラネット」がラインナップ。カラーリングはブラック、ホワイト。大きさは縦359mm×横379mm×厚さ32mm、重さは2.1kg(電池含む)。

【登録人数】4人分、【体重】体重表示(50g単位)、【体脂肪率】体脂肪率(0.1%単位)、体脂肪率判定(5段階)、【骨格筋率】骨格筋率(100g単位)、骨格筋率判定(4段階)、【内臓脂肪レベル】内臓脂肪レベル(0.5レベル単位)、内臓脂肪レベル判定(3段階)、【体年齢】体年齢表示(1才単位)、【基礎代謝】基礎代謝表示(1kcal/日単位)、【BMI】BMI表示(0.1単位)、【メモリ】前回値表示、【通信機能】Bluetooth version 4.0(Low Energy support)

製品情報
http://www.tanita.co.jp/content/innerscandual/rd900_901.html

滝田 勝紀