やじうまミニレビュー

ワンプラス「iTwins OP-STCO1」

~iPhoneで“ケータイ打ち”ができるテンキー兼バッテリー
by 林 佑樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


ワンプラス「iTwins OP-STCO1」

 スマートフォンが登場する前の携帯電話の文字入力法は、ボタン式のテンキーを打つ「トグル方式」、俗に言う“ケータイ打ち”が当たり前だった。一方、iPhoneなどのスマートフォンでは、タッチパネルをなぞる「フリック入力」が基本となっている。

 しかし、スマホ全般にいえることだが、タッチパネルでの入力には触感がなく、「カチカチ」というメカニカルな音はしても、入力した感じが薄い。そのフィーリング的な部分でなかなかスマホに切り替えられないという人もいる。また、指先が乾燥してタッチパネルが反応しない、なんて話も聞く。

 今回は、そんなタッチパネルの入力に困っている人向けの製品、ワンプラス「iTwins(アイツインズ) OP-STCO1」を紹介しよう。


メーカー因幡電機産業
ブランドワンプラス
製品名iTwins(アイツインズ) OP-STCO1
購入場所Amazon.co.jp
購入価格4,480円

 「iTwins OP-STCO1」は、充電機能を備えた、iPhoneなどiOSデバイスに対応するBluetoothキーボード。キーボードとしても使えるし、モバイルバッテリーとしても使える、一石二鳥のツールだ。

 対応OSはiOS 5以上。カタログ表記ではiPhone 3GS/iPhone 4/iPhone 4S/iPod touch(第3、第4世代)/iPad/iPad 2に対応するとあるが、小生が持っているiPhone 5やiPad mini、iPod touch(第5世代)でも動作を確認した。なお、本製品はiOSデバイス専用で、Androidのスマートフォンやタブレットには非対応となっている。

 サイズは53×95×12mm(幅×奥行き×高さ)で、大きさとしては、iPhone 5のタッチパネル面とほぼ同じ。形状は台形で、手の収まりがよい。高速のケータイ打ちにも耐えてくれそうな感じだ。重量も70gと軽い。なおカラーバリエーションには、写真のブラックのほかホワイトもある。

 キー配列は、フィーチャーフォンのテンキーに近い。テンキー部のほかには、矢印キーやスペースキー、Clearキー、絵文字キーなどがある。いずれも文字部分が少し浮き上がっているため、指の腹でボタン位置を把握しやすく、また押し込むとカチッとした反応がある。フィーチャーフォンに近い感覚で操作できる。

キー配列。本体正面にすべてのキーが揃っている本体右側面には本体電源スイッチがある。キーボードとして使用する場合、バッテリーとして使用する場合、ともに電源スイッチとして機能する本体下部にUSB端子とmicroUSB端子がある。USB端子が出力、microUSBが入力になっている

 まずはBluetoothキーボードとしての使い勝手をチェックしたい。使用シーンは文字入力時のみのため、主にメモやメールの文書作成時に使用することになる。恐らく、右手にiTwins、左手にiPhoneといったスタイルが、スタンダードな操作法になりそうだ。なおBluetoothキーボードとして使う場合、連続動作時間は最大約200時間、周波数帯は2.4GHz帯で、最大通信距離は約10mとなる。

 小生が使った限り、iPadシリーズとの相性はすこぶるいい。特に、iPadをテーブルに置いての入力にはちょうどいい。また、オフィスでサブディスプレイのように活用している人であれば、iPadを持つことなく、文字入力できる利便性がある。小生はiPad miniを作業用ディスプレイの脇において、メールチェッカーにしていることもあり、返信時にはiPad miniの返信ボタンをタップして、あとはiTwinsで文章を入力という使い方がお気に入りだ。

Bluetooth接続時には本体右上のLEDが点灯。ローマ字、アルファベット、数字の入力方法を変更すると、対応した部分が点灯する。LEDはほぼ向きだしなので、光が気になることがあるかもテンキー部分には凹凸があるため、かつてのケータイ打ち感覚で入力できるのが強みiPhone 4Sとの比較。横幅はほとんど同じに加えて、背面がラウンドフォルムに近いため、ホールド感の違いはあまり感じないないだろう
iPhoneやiPod touchよりは、iPadシリーズとの相性がいい感じ絵文字キーを入力すると「えもじ」と入力されて、変換候補から絵文字が選べる。これが意外に便利変換候補の選択は矢印キーで行なえる

 次にモバイルバッテリーとしての性能を見てみよう。バッテリー容量は1,590mAh。容量からすると、1年前のスマートフォンであればなんとかフル充電できるくらいで、iPhone 5の場合であれば、8割ほど充電できる程度になる。複数台持ちや1日に2回分近くフル充電しないとバッテリーが足りない人には、容量が少なくて不向きなのでサブモバイルバッテリーとして考えるべきだろう。家に帰るころにバッテリーがなくなりそうになる人には、ちょうど良い容量ともいえる。

 内蔵バッテリーの充電時間は最大4時間。出力性能については未記載だが、下記写真の通り、iPhone 5での充電を確認している。またiPad 2、iPad mini、Nexus 7での充電も確認しているため、大半のデジタル機器の充電に対応するだろう。ただiPadの場合は、操作しながらだとバッテリー残量がゆるやかに減少していった。ちゃんと充電したい場合はスリープ状態での充電を推奨する。

 なお、モバイルバッテリーの相性が悪い小生のウィルコム「Hybrid W-ZERO 3」は、電源をオフにした状態であれば充電ができた。もし充電が開始されない場合は、デジタル機器の電源を落としてみるといいだろう。

本体に充電しているところ。充電中は本体右下のランプが点灯。フル充電時になると自動的に充電は停止するiPhone 5を充電しているところ。放電時は本体右下の緑ランプが点灯する。またBluetooth接続しながらの充電にも対応

 正直に言えば、使う人の環境と慣れに大きく左右される製品だが、タッチパネルにどうしても慣れないという人には、やはりテンキーはありがたいし、タッチパネル操作に慣れるための“ステップアップ用”として使うのも良いだろう。モバイルバッテリー機能も付いているため、いざという時の緊急電源としても使える。スマートフォンでも“ケータイ打ち”がしたいiPhone、iPadユーザーの新たな入力ツールとしてお勧めしたい。


2012年 11月 21日   00:00