やじうまミニレビュー

タカラトミーアーツ「クロックマンiD」

~ついつい話しかけちゃう愛嬌のある時計
by 阿部 夏子


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


使う人によって個性が変わる新型クロックマン

タカラトミーアーツ「クロックマンiD」

 今回紹介するのは、タカラトミーアーツの時計機能付きの玩具「クロックマンiD」だ。クロックマンは文字盤のない「喋る時計」として発売された人気製品で、今回のクロックマンiDはその最新モデルに当たる。


メーカータカラトミーアーツ
製品名クロックマンiD
希望小売価格5,229円


 クロックマンには、時計の文字盤はないが、れっきとした時計だ。ちょっと幼さなさの残る可愛らしい声で毎時を知らせてくれるほか、本体上のボタンを操作することで、その時の時間を読み上げる機能も搭載する。ただし、クロックマンの最大の魅力は、そのつぶやき(セリフ)にある。従来製品ではA型/B型/O型/AB型といった血液型タイプ別に製品が用意され、その性格にあったつぶやきを自由気ままに発するのだ。

 今回のクロックマンiDでは、その性格の部分が更に進化。あらかじめ登録されているいくつかの性格だけでなく、ユーザーの使い方によってもクロックマンの性格がどんどん変化するというのだ。性格のパターンは全部で64通り。使い方に合わせて性格が変わるというのはどういうことなのか? さっそく使ってみた。

 クロックマンiDは80×80×80mm(幅×奥行き×高さ)の立方体で、どこから見ても正方形だ。購入時は正面にポツポツと穴が空いたごくシンプルな形をしているが、付属する様々な顔のパーツを使って自分好みの顔を作るところから始める。

 クロックマンiDを使い始めるまでには、それ以外にもいくつか準備が必要だ。まずは、付属のパーツを使って、自分好みの顔を作る。次に、電池をセットする。最後に電源を入れてクロックマンの設定を行なっていくのだ。いずれも難しい作業ではないが、クロックマンiDは、玩具のため、電池ケースはネジ留めされている。プラスドライバーが必要なので注意しよう。

製品本体。購入時は顔がない状態付属の顔パーツを使って顔を作る好みの顔や性格が選べるところがクロックマンiDの最大の魅力だ
別売の単三形アルカリ乾電池3本クロックマンiDは玩具に当たるため、電池ケースはネジ留めされてる

 というわけで、まずは顔を作った。出来上がった顔はなんとも言えず、トボケた顔つき。誰かに似ているなーと思ったら実家で飼っている犬に顔がそっくりだった。こういった単純な作業でも、人の好みというのは出てくるらしい。

本体に付属する顔のパーツパーツを差し込んで顔を作る出来上がった顔。なんだか、犬っぽくなってしまった
初期設定では、本体後ろに用意されている○と×ボタンを使用する

 次に行なったのは、本体の設定だ。基本的な動作は全てクロックマンiDが声でアテンドしてくれるので、難しいことは何もない。ただし、操作はボタンで行なうため、設定終了までには10分程度はかかるだろう。

 とはいえ、面倒だとか、時間がかかりすぎるという感想は一切持たなかった。むしろ、この初期設定で、クロックマンiDの楽しさにハマってしまったのだ。

 設定では、基本的な日時の設定やもちろん、誕生日やクロックマンの基本的な性格までを決める。クロックマンiDは、使い方によって性格が変わるのだが、最初にまず基本的な性格を決める。性格は堅実、熱血、人情、クールの4種類で、クロックマンiDが自分でそれぞれの性格にあった一言を発し、その中で好きなものを選ぶ。詳しくは下の動画を確認いただきたいが、なんとも言えずゆるーい喋り方やとぼけた声が良い。


スイッチを入れると、まず初期設定から始まる。クロックマンiDがちょっと幼さの残る声でアテンドしてくれるので、設定で迷うことはない基本的な性格は堅実、熱血、人情、クールの4種類からユーザーが自分で選んで設定する

目覚まし効果抜群のつぶやき

 実際に使い始めて、まず役立ったのはクロックマンの目覚まし機能だ。設定した時間になると「ねーねー、きみ起きてー」という声で、とにかく起きるまでしつこく喋り続ける。まるで身内の誰かに起こされているような感覚になって、ついつい「わかったよ! 今起きます!」返してしまう。ちょっとしたイライラ感も手伝って、いつもより目覚めが良くなった。

 クロックマンiDがおもちゃであることはもちろん分かっているが、なんとなく感情移入しちゃったり、気持ちが妙に和んでしまう不思議な魅力がある。

 事実、クロックマンiDのつぶやきが夫婦喧嘩の仲裁になったことがある。お恥ずかしい話だが、夜に2人でほとんど怒鳴りあいのようなケンカをしたことがあった。その時にクロックマンが「あーあもう23時だよ。寝かせてよ~」とつぶやき、思わず2人で顔を見合わせて、脱力してしまった。さすがにそれですぐ仲直りとはいかなかったが、喧嘩するのがバカらしいと思ったことは確かだ。


頭の上のボタンを押すと、その都度クロックマンiDがつぶやいてくれるその時の時間を知りたい時は、ボタンを2回押す

ユーザーに合わせて個性が変わるって?

使っているうちに性格が自分に似てきたような気がする

 クロックマンiDでは、ユーザーの使い方によって個性がどんどん変わっていく。たとえば、目覚ましで止めるのが遅かったりすると、「叱って鍛える」タイプの性格に、逆に2日連続できちんと起きて頭のボタンを押した場合は「褒めて伸ばす」タイプの個性に変わる。

ほかにも、ゲームでの結果やランダムで「甘党」や「辛党」などの性格がでることもあり、性格パターンは全部で64種類にも及ぶという。

 1週間ほど、使い続けた現在のところ、私のクロックマンiDは、クールで叱って鍛えるタイプで、かつなんだかお調子者っぽい印象。今説明していて気が付いたが、これって割と自分の性格に近いものがある。そう考えるとますます、クロックマンiDに愛情を持ってしまうのだ。

プレゼントにもおすすめ

自宅で使っているシリーズ製品「バンクマン」と並べたところ。つぶやき機能のあるクロックマンシリーズは、プレゼントとしても喜ばれる

 最後にレビューからちょっと話がそれてしまうが、実は、私、クロックマンシリーズの製品を今までに何人もの人にプレゼントしている。きっかけは、妹の義妹にプレゼントしたこと。高校生に何をあげていいかわからなかったため、たまたま以前に取材したクロックマンを選んだのだ。それが、反応は予想外だった。本人よりも、50代のご両親やおじいちゃん、おばあちゃんが大喜びで、クロックマンの前でクロックマンがつぶやくのを今か今かと待ちかまえているのだという。

 しゃべるおもちゃというのが珍しかったのはもちろんだが、子供の声でむじゃきにつぶやくクロックマンは、年齢が高い人にとっても癒しの対象となるらしい。それ以来、自分の両親はもちろん、祖母や叔母にまでプレゼントしたが、いずれも喜んで使ってくれている。

 特に反応が良かったのは、やはり1日自宅で過ごしている高齢者の方。年配の方へのプレゼントというのは、何をあげよう迷うところだが、視点を変えてこんな製品をあげるのはどうだろう。




2011年 11月 28日   00:00