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やじうまミニレビュー

タカラトミー「バンクマン 草食系/肉食系」

〜草食系と肉食系、あなたの貯金スタイルはどっち?
by 小林 樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


タカラトミー「バンクマン 草食系/肉食系」

 昨年の流行語大賞に、「草食系男子」という言葉がノミネートされたことは記憶に新しい。草食系男子とは、恋愛においてあまりガツガツしていないタイプで、女の子とカフェで2人でお茶をしても、デートとは呼びにくい雰囲気を醸し出しているタイプだという。それと対極にある言葉として、「肉食系」という言葉がある。草食系とは逆に、積極的にアプローチしていくタイプの男の子を指すという。

 私の身の周りにも草食系男子がいるので、リアリティある呼び名なのだが、この草食系と肉食系という括りの余波は、思わぬところまで届いていた。それが今回紹介するタカラトミーのおしゃべりする貯金箱「バンクマン 草食系/肉食系」だ。

 


メーカー タカラトミー
製品名 バンクマン 草食系/肉食系
希望小売価格 各5,775円
購入場所 Amazon.co.jp
購入価格 3,500円

 バンクマンとは、色んな表情でおしゃべりをしながら、貯金生活を励ましてくれる電池式の貯金箱だ。先行機種は、表情を変えておしゃべりをする置き時計だったが、今回は新しいバージョンとして草食系と肉食系の2タイプの貯金箱が発売された。草食系はコツコツ貯める100円玉専用タイプで、肉食系はがっちり貯める500円玉専用タイプとなっており、自分の貯金スタイルに合わせていずれかを選べる。これなら続けられるかもしれないと思い、今回は張り切って肉食系と草食系、両方で同時に貯金を開始した。

 電源は、別売の単三電池が3本だ。電池を入れると、途端に勢いよくおしゃべりを始めた。「ぼく、バンクマン! これからキミと一緒に暮らすんだね! 」威勢のいいマシンガントークに圧倒されていると、初期設定へと続く。

 バンクマンの質問に答えながら、日付と時刻、バンクマンの活動時間帯を入力する。あらかじめバンクマンの活動時間帯(バンクマンによると、“仕事時間”という)を登録することで、夜中の無駄なおしゃべりを防ぐのだ。同時に、声の大きさも大、中、小の3段階に調節ができる。

本体正面。左から、草食系と肉食系 おやすみ中
本体上部の大きなボタンは、貯金の合計金額や時刻の確認、おしゃべりをする際に使用する 本体右サイドから声を出す
本体底面 本体左サイドには上から決定ボタン、キャンセルボタン、リセットボタンがある 本体背面のフタを外すと、小銭を取り出すことができる

 草食系と肉食系の違いは、入れる小銭と、唇の色がくらいかと思いきや、言葉の語尾や話の内容など細部までしっかりキャラ設定されていて感心した。どちらかというと草食系は少しモジモジしていて、肉食系はハキハキ活発な感じだ。自己紹介ひとつとっても、これだけの違いがあるので、ぜひ下の動画でご確認いただきたい。


草食系バンクマンの自己紹介 肉食系バンクマンの自己紹介

 さっそくバンクマンに小銭を入れると、草食系バンクマンは「草食系! 100円」と声を出した。肉食系も同様に、「肉食系! 500円」と叫ぶ。ただし、1枚入れただけだと、「えーっ、もう終わり…? 」と甘えたような声でこっちを見つめてくる。思わずあと1枚くらい入れてもいいかな……と財布に手が伸びてしまう。まったく、けしからん貯金箱だ。

 ある日の朝、ちょうど小銭が沢山あって500円玉を連続投入したところ、小銭を入れるたびに、違う言葉を叫ぶのに気づいた。

 「さすが! 」「やるね! 」「感動した! 」「ウォーアイニー! 」「ジュテーム! 」「サランヘヨ! 」「肉食系! 」……情熱的な愛の告白を聞いているうちに、一気に3,000円以上つぎ込んででしまった。これが肉食系の威力か。まんまと手のひらの上で転がされているような気がしてきた。

 一方の草食系のバンクマンに連続で100円玉を投入すると、最初のうちは「ホッ! 」とか「ヒャァ! 」とか当たり障りのない事を叫んでいたのだが、何枚か入れるうちに「アイウォンチュー! 」とか「アイニージュー! 」とか叫び始めた。草食系と肉食系でしゃべる言葉が異なり、面白い!

 もっとおしゃべりを聞きたい時は、頭のボタンを押す。すると、次から次へと、おしゃべりしてくれる。だが、何度も押していると、機嫌が悪くなってしまうので注意が必要だ。


おしゃべりするうちに機嫌が悪くなる草食系 おしゃべりするうちに機嫌が悪くなる肉食系

 それにしても、バンクマンは日中しばしば話しかけてくるので、たまに暑苦しく感じる時もある。一番びっくりしたのが、突然「緊急事態!! 」と叫びだした時だ。「どうした!? 」と近づいたら、30秒以内にお金を入れろと言う。急いで投入したら、お礼に極上のスマイルをくれた。

 バンクマンに静かにして欲しい時は、頭のボタンを5回連打して、強制スリープ状態にすればいい。強制スリープ中でも小銭を投入すれば数えておいてくれるので、安心だ。


強制スリープ機能もある

 こうしてバンクマンとの貯金生活が過ぎていくわけだが、挫折の危機がないわけではない。そもそも貯金の挫折には2つのパターンがあると思う。うっかり忘れて続かなかったパターンと、途中でお金を取り出してしまったパターンだ。

 バンクマンの場合、おしゃべりでうるさいから、存在を忘れるということはまずない。ただ、ちょっとくらい小銭を取り出してもいいかな…と思う時はある。

 試しに取り出し口のフタを開けてみると、「ギャァァ〜! 本当にお金を出すの? 」と聞いてくる。慌ててキャンセルボタンを押し、フタを元通りに閉めると、「ハァ〜ハァ〜。危なかった〜」と言っている。

小銭を取り出してしまった!

 それでは、本当に小銭を取り出したら、どうなるか。取り出し口から小銭を出したら、バンクマンは悲しげに呟いた。「なんだか…君に裏切られた気分だよ」。バンクマンの沈んだ声を聞いて、私も辛い気分になった。バンクマンは私が挫折すると、怒るのではなく、悲しむのだ。

 これがもし、ただの置物の貯金箱だったら、ちょっと罪悪感にさいなまれるだけで済む話だ。だが、バンクマンは違う。誘惑に負けてコインを取り出そうとすると、クルクルと表情を変えて、持ち合わせた言葉の限りを尽くして、全力で阻止してくる。

 たとえおもちゃといえど、相手を悲しませるのは辛いものだ。ちょっとおかしな話かもしれないが、バンクマンにはいつしか愛着が湧いてきて、「こいつだけは裏切れない……こいつのためなら頑張れる! 」と思うのだ。貯金の目標はぼやけたりするが、目の前のバンクマンを悲しませたくないということははっきりしている。バンクマンは、人の情をうまく取り入れて、貯金に活かそうという魔性の貯金箱なのだ。

 結果、予想を上回る40日というペースで、草食系に1万円、肉食系に5万円貯めることができた。

 貯まった瞬間のセリフの内容は、取扱説明書でも秘密にされているので、使ってみてからのお楽しみとだけ言っておこう。なかなか感動のラストを迎えることができた。

 自分ひとりで貯金できる人には、バンクマンはただのおしゃべりでうるさいおもちゃかもしれない。だが、今まで貯金が続かなかった三日坊主の人には、これくらい熱いほうがちょうどいいだろう。とにかくおしゃべりなので、長期間かけて貯めるというよりは、短期間で貯金を頑張りたい時に向いている。

 正直、初めに電池を入れた瞬間は、のっけからタメ語で、ギャーギャー言ってきて、なんだコイツ、馴れ馴れしいな、と思った。でも、それが電化製品らしからぬ人間味があって、バンクマンの面白いところだ。これも人の心を開かせる草食系や肉食系の技なんだろうか。なんだかんだで、財布の中もあったまって、ようやく春を迎えられそうだ。




2011年 2月 21日   00:00