やじうまミニレビュー

ダメ人間製造機!? 便利すぎる「Amazonダッシュボタン」を使って分かったこと

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

 ネットで買えない物の方が少なくなりつつある昨今、ウェブでショッピングをすることはもはやスタンダードに。その代表格としてECサイトを牽引する「Amazon.co.jp」から、ボタンを押すだけで商品が届く端末「Amazon Dash Button(アマゾン ダッシュ ボタン)」が発売された。

日用品が届く「アマゾン ダッシュ ボタン」

 ミネラルウォーターやトイレットペーパーといった、ストックを切らすと困る類の日用品を物理的なボタンひとつで発注できるデバイスだが、人間はどこまでも利便性を追求する生き物なのだと思い知らされるサービスになっている。

 そこで筆者が実際にラインナップをチェックし、どれだけ生活が便利になるか試してみた。

メーカー名アマゾンジャパン
製品名Amazon Dash Button(アマゾン ダッシュ ボタン)
実売価格各500円(2回目以降の注文は商品に応じて代金が必要)

一番豊富なのは日用品。計42種類の中から欲しいものを選ぼう

 まずはAmazonのページに飛び、「アマゾン ダッシュ ボタン」などのキーワードで検索するとアイテムが続々と現れる。前述した通り、日用品を中心にボタンがずらり。カテゴリとしては「日用品(12)」「食料・飲料(11)」「ドラッグストア(9)」「ビューティー(7)」「ペット用品(2)」「ベビー(1)」など、現時点で計42種類が揃う(※カッコ内は商品の種類)。

 どのボタンも均一500円で、プライム会員専用だ。ただし、初回発注時に500円が差し引かれるため、ボタンの代金に関しては実質無料である。2回目以降の注文は、商品に応じて代金が掛かるようになる。

Amazonのホームページにはさまざまなボタンのラインナップが並ぶ

ボタンが届いたら設定から始めよう!

 さっそくボタンを注文してみたので、順を追って説明していこう。

 筆者が購入したボタンは「アリエール」「オールフリー」「消臭力」「ネスカフェ」「システマ」の5つ。ネットで頼むと翌日には全てのボタンが届いた。ただ、この状態ではダッシュボタンは使い物にならない。

箱に入っているダッシュボタン。この状態で押しても何も届きません!

 最初はWi-Fi環境のもと、スマホとのペアリングが必要だ。ここは意外な盲点だったが、考えてみれば当然そうなるだろう。自宅に無線LAN環境がなければ、使用できないということになる。

 手順に従いペアリングに成功すれば、続いて専用アプリ「Amazon ショッピングアプリ」をダウンロード。ボタンを押したときに何が届くか設定する必要がある。

 そもそもボタンには個別の商品が最初から紐付いているのかと思っていたが、そこも考えとは違った。単純に「ネスカフェ」が欲しかったとしても、個数や量などラインナップは選べるようになっている。さすがAmazon。もちろん、ボタン1つにつき設定できるものは1つ(変更は可能)。

手持ちのスマホとペアリングを開始。Wi-Fi環境が必要だった。認証方法は簡単だから3分もあれば設定完了する
設定を終えたら、ダッシュボタンに割り当てる商品を選ぶ。結構な選択肢があるので、目的に合ったものがあるはず

ダッシュボタンを貼る場所が重要! むしろまとめて貼らないという方法も

 さて、設定が済んだらお待ちかねのボタンを押すわけだが、ちょっと待った! ボタンの裏側には両面テープが貼られていて、好きな場所にくっつけられる。「そろそろトイレットペーパーがなくなりそうだ」というときに壁へ貼っておけば、ボタン一つで発注できるということ。

 そんなわけで、日用品や飲料などは日々少なくなっていくため、押しやすい場所に設置しておくのがいいだろう。

「ネスカフェ」のコーヒー粉。いつも移し替える瓶に貼ってみた。残りが少なくなってきたらポチ
洗濯機には、もちろん洗濯洗剤「アタック」を貼った。ここが一番なくなるのが早い。買い忘れているとき、非常用として使うのも手だ

 さて、ここでひとつ注意したいのが、小さな子どものいる家。言わずもがな、遊びで勝手に押されると、誤発注を招いてしまう。一度注文すると商品が到着するまでは重複注文できないようになっているが、ボタンはできるだけ子供の手に届かない場所に貼った方が良いだろう。

 また、実際に発注すると、アプリからプッシュ通知でスマホにお知らせが届く。頼んだ物の情報が出て配送状況なども追えるので、誤発注をしていないか確認できる。

発注するとアプリから通知が。状況はいつでもアプリ内で追えるようになっている

何もかもダッシュボタンで済ますのではなく、必要に応じて商品を選びたい

 そんなわけで5つの商品が届いた。早い。「オールフリー」以外は頼んだ翌日だった。ここまで早いと、もはや外出する必要性がなくなってきそうだ。出不精の筆者が学生のときにこのサービスがあれば、確実にニートとなっていただろう。そもそもウェブで買い物できるだけで便利なのに、さらにシンプルかつスマートにショッピングできるとなれば、人間堕落していくのは間違いない。

 ビールを筆頭にアルコールや食料(おつまみ)など、まだまだラインナップに加えてほしいものはあるが、そうなるとますます家から出ない生活が成立してしまう。

冷蔵庫には「オールフリー」を。早くビールも追加してくれませんか、Amazonさん
歯磨き粉の「システマ」は洗面所に

 だが逆を言えば、ほとんど家にいない多忙なビジネスマンにとっては、ダッシュボタンは重宝するだろう。特に歯ブラシ、歯磨き粉、食器洗い洗剤、トイレットペーパーは、買いに行こうと思ってもなかなか暇がなかったり、いざ使おうとすると切らしたままになっているケースが多い。

 「今日は会社帰りに歯ブラシを買って帰ろう」と思い立ってからはや2週間……、などはあるあるではないだろうか。直感的に注文できるのがダッシュボタン最大のメリットで、スマホでアクセスしたりタッチしたりする必要がない。

 また、病気で外出できないときといったケースにもよいと感じた。主婦など、日常的にスーパーマーケットで特売品を探すような人には価格的に安いとは言い難いが、“これだけはダッシュボタンで買う”という目的別に導入するのが賢そうだ。

個人的には一番の使い勝手だったトイレ。消臭剤ってなくなるのが早いし、買い忘れナンバーワンだから

 使ってみた感想としては、とても便利という印象。しかし1点、ダッシュボタンの粘着力が弱い気はする。貼り付けてあったものが落下していることが何度かあった。

 これは技術的にすぐ解消できるとは思うが、あまり粘着力が強すぎると貼り付けた家電や壁にベチャッとのりが残るかもしれないので、どうにか改善してもらいたいところだ。

若干、粘着力の弱さが気になる。凸凹した場所はかなり難しい

三宅 隆