家電製品ミニレビュー

0.2秒で立ち上がるから素早くカリッと焼ける強力グリル&トースター

「アラジン グラファイト グリル&トースター」アラジンホワイト

 今、調理家電のなかで話題になっているのがトースターだ。そのきっかけとなったのが、扇風機などで有名なバルミューダの「ザ・トースター」の登場だ。

 2万円超という価格ながら、トーストが美味しく焼けると高い注目を集めている。これまでトースターというと、5,000円以下から購入でき、高くても1万円しない製品がほとんどだった。そこに2万円を超える価格で、新しい価値を提案した。

 この高級トースター市場を盛り上げる製品が登場した。それが、日本エー・アイ・シーの「アラジン グラファイト グリル&トースター」だ。

メーカー名日本エー・アイ・シー
製品名アラジン グラファイト グリル&トースター
購入場所Amazon.co.jp
購入価格19,980円

ストーブにも使われる強力な熱源をトースターに利用

 新しく登場したこのトースターの最大の特徴は、世界で初めて庫内上部の熱源として「遠赤グラファイト」を搭載していることにある。この遠赤グラファイトは、発売元である日本エー・アイ・シーの親会社となる、株式会社千石の持つ特許技術により生み出された素材。

 熱伝導率は銅の2~4倍あり、遠赤外線量はカーボンの1.2倍という特性を持つ。電源を入れるとわずか0.2秒で発熱する特性を持ち、より短時間で高温に達し、食材を素早く加熱することができるという。

 同社の暖房機「グラファイトヒーター」にもこの遠赤グラファイトが採用されている。今回、この熱源をトースターに搭載することで、パンや食材をより素早く焼きあげるというわけだ。

 実際にパンを焼く前に外観から見ていこう。外観には、80年以上続くアラジンブランドが持つ、どこか懐かしいデザインを採用。カラーはアラジングリーンとアラジンホワイトを用意している。

 本体サイズは350×334×235mm(幅×奥行き×高さ)で、質量は約3.75kg。庫内は、一般的なサイズの食パンを4枚一度に焼けるサイズとなっており、トースターとしては若干大きめ。

側面からみたところ。右側面に加熱時間が記載されている
ドアをオープンしたところ。メッシュネットは取り外しが可能
庫内上部に搭載する遠赤グラファイトヒーター。焦げ防止のため、中央にカットが入っている
本体左側に配置した温度ダイヤル。無段階で調整が可能
右側に配置したタイマー。いったん6以上まで回してから、指定の時間に合わせる

 庫内には本体上部に遠赤グラファイトのヒーターを搭載。さらに底面に石英管ヒーターを2本配置。本体正面には、100℃~280℃まで調整できる温度調整ダイヤルと、最大15分まで設定できるタイマーを配置している。

 トースターにありがちな、ワット数による操作は搭載しておらず、調理時の設定は温度でコントロールする仕組み。このあたりはトースターというよりも、オーブンに近い使い勝手と言えそうだ。

付属のグリルパン2枚とグリルネット。グリルパンは重ねて使用する

 独自のヒーターと並ぶ特徴と言えるのが、2つのグリルパンとグリルネットが付属することだ。このグリルパンに食材を入れて、もうひとつのグリルパンでフタをすることで、グリル調理やオーブン調理が可能。

 メーカーによると、最大330℃まで内部を加熱して食材を焼きあげることができるという。また、グリルネットを使うことで、食材の脂を落とすこともできる。

トーストの焼ける速さは圧巻!

 早速使ってみよう。まずは市販のトーストを4枚並べて焼いてみる。焼き時間や温度設定は、本体右側面に記載されているのでそれに従う。トースト4枚の焼き時間は280℃で2分半~3分。食パンをセットしたら、タイマーを3分にセットする。

 手を離すとその瞬間、庫内は真っ赤になった。遠赤グラファイトの立ち上がりの早さがこの瞬間体感できる。ドアの前に手を置いていると、すぐに温かくなってくるのもわかる。ヒーターに使われる熱源だけあり、そのパワーはさすがといったところだ。

 3分後、チーンという音とともにトーストが焼きあがった。焼いている間観察していたが、庫内上部の遠赤グラファイトは何度も着いたり消えたりを繰り返していた。バルミューダほどは細かい制御ではないが、遠赤グラファイトのオンオフで庫内温度を調整しているようだ。

大容量の庫内には、食パンを一度に4枚入れられる
加熱をスタートすると、パンに含まれた水分で一瞬曇る。しかし、これもすぐに揮発する
約3分焼いたところ。優しい焼き色がついた

 焼きあがったトーストはパンの部分にわずかに色が付いたといったところ。もう少し焼いてもいいかなという焼き色だが、手に持って見ると、表面はしっかりと加熱されていた。さらに、口に運んでみると中はフワフワ。短時間で焼いているからこそ、中の水分が抜けていないのがわかる。

 トースト2枚のときは2分~2分半と非常に早く焼ける。ただし、火力が強いため、焼き色はある段階から一気に付く印象。一度は「もう少しかな」と延長したところ、一気に焦げたこともあった。

 続いて、チーズトーストを焼いてみた。食パンに薄くケチャップを塗り、チーズを置いただけの具なしピザトーストのようなものだ。チーズをしっかりと溶かすため、パンは2枚だが、4分にセットした。

 その結果、ドアを開けるとチーズがジュワジュワとパンの表面で踊るような焼きあがり。トースト部分は若干焼けすぎてはいるが、ここは好みの範囲内。焼く時間を30秒ほど短くしてもいいだろう。これもまた、至福のチーズトーストが焼けた。

ケチャップを塗った上にチーズを載せたチーズトースト
通常のトーストよりもちょっと長めに焼く。ドアを開くとチーズが踊っているのがわかる

 トーストの焼き上がりにはかなり満足したところで、続いて、ロールパンとクロワッサンに挑戦した。マニュアルによると庫内温度を100℃に設定し、1分半~2分ほど温めるといいという。

 結果は、残念ながら中までしっかりと温まっているとは言い難かった。しかし、温度設定を上げると、背の高いクロワッサンやロールパンは上の部分がすぐに焦げてしまう。火力が高いだけに、このあたりのバランスをとるのはちょっと慣れが必要だ。

クロワッサンは100℃で2分ほど。しかし、中までは温まりにくい
280℃で焼くと、クロワッサンの上部が焦げてしまう
ロールパン4つの場合160℃で3分ぐらいがちょうど良かった

グリルパンを使った、おかず調理が楽しい!

 「アラジン グラファイト グリル&トースター」を数週間使っていて、非常にコストパフォーマンスが高いと感じた。その最大の理由が、おかず調理だ。底面にリブのあるグリルパンと、フラットなグリルパン、そしてグリルネットを利用することで、さまざまな調理ができる。

ノンフライ唐揚げはジューシ―!

 まずは定番のノンフライ唐揚げだ。市販のノンフライ用唐揚げ粉を一口大にカットした鶏肉にまぶして、グリルネットの上にセットしておく。あとはもうひとつのグリルパンでフタをして、トースターの中にセット。温度を280℃にして12分間加熱するだけだ。

 できあがった唐揚げはしっかりと焼き色が付いて、非常にジューシーな出来。いわゆるノンフライ調理機とは異なって熱風を当てないため、鶏肉の脂はそれほど落ちてはいない。しかし、それが逆に鶏肉のジューシーさに繋がっている。ノンプライ調理機で作った唐揚げと、油で揚げた唐揚げの間ぐらいの食感だと感じた。

一口大にカットした鶏肉に唐揚げ粉をまぶす
フラットのグリルパンの上にネットを置き、鶏肉を並べていく
グリルパンでフタをしたら、280℃で12分ほど焼く
こんがりジューシーなノンフライ唐揚げの完成
ハンバーグは高温でしっかり焼ける!

 グリルパンを使った料理はどれもやることは同じ。具材を中に入れて、フタをして加熱するだけだ。このときの温度と時間次第で、焼き上がりの差が出てくる。

 特に美味しく出来たのがハンバーグだ。ハンバーグの種を作り、グリルパンにセットして15分。あとはゆっくり待つだけ。この間にソースなどを作ってもいい。

 時間になると、しっかりと中まで火が通ったジューシーなハンバーグができあがった。さまざまなオーブン調理機でハンバーグは作ってきたが、トップクラスと言える出来だった。グリルパンでしっかりフタをして、狭いスペースで蒸らしながら高温で焼いているのがポイントだと言えそうだ。

ハンバーグの種を、リブのあるグリルパンの上にセット。フタをして15分間焼いていく
しっかりジューシーに焼けたハンバーグた
こちらはニンニクたっぷりのとんてき。味付け済みだ。これもフタをして焼くだけ
適度に脂が落ちたとんてきの完成。グリルネットを使えばもっと脂が落とせる
ふっくらホットケーキ作り

 もうひとつ面白いのが、ホットケーキだ。筆者宅は幼稚園児を筆頭に3人の娘がいるので、ホットケーキ作りは日常なのだが、3姉妹の食べるスピードが早く、焼くスピードが追いつかないこともある。しかし、このトースターで作るホットケーキはちょっと趣が違った。

 200gのホットケーキミックスと卵、150ccの牛乳を混ぜたら、そのすべてをフラットなグリルパンに投入。そして、例の如くフタをして、焼きあげるのだ。すると15分後に出てきたのは、まるでスポンジケーキのように膨らんだ大きなホットケーキ。あとは、これをひとりずつの分量に切るだけでOKだ。

 朝からフライパンで何度も焼くこともなく、ホットケーキを焼いている間に他のことができるなど、多くのメリットが感じられた。また、クリスマスや誕生日には、このホットケーキをスポンジ代わりにして、自分でデコレーションケーキを作るといった遊びもできそうだ。

混ぜあわせたホットケーキの元をフラットなグリルパンに流し入れる
ふんわりと膨らんだ巨大ホットケーキが完成
好きなサイズにカットして、メープルシロップや生クリームをトッピング
グリル野菜で副菜もカンタン
生野菜を並べて加熱するだけ。入れた野菜によって加熱時間を調整するといい

 このほか、日常的に便利に使えたのが焼き野菜だ。アスパラやパプリカなどのカラフルな野菜や、レンコン、ジャガイモなどの根菜などを適度なサイズに切って、グリルパンに投入。野菜によってはオリーブオイルを少々と塩を振りかけておく。これでトースターに投入すると、いい感じに野菜が焼ける。

 メインディッシュは用意したが、副菜が足りなかった、ちょっと野菜が少ないといったとき、冷蔵庫などにある野菜を適当に焼くだけでもう一品追加できるのだ。これも、フタをして焼くことで、水分が奪われておらず、ジューシーな食感が楽しめた。

トースターではなくグリル調理機と考えて選びたい

立ち上がりが早く、トーストを焼くのが早いなら、ベストなトースターと言える

 「アラジン グラファイト グリル&トースター」は、これまでのトースターとはまた違った新しい調理器具だ。これまで、パンを焼くときに、オーブンレンジやコンベクションオーブンでトースターを代用するといった使い方をしている家庭は多いだろう。

 しかし、「アラジン グラファイト グリル&トースター」があれば、トースターとして素早く、そして美味しくトーストを焼ける上、グリル、オーブン調理ができるのだ。オーブンとしての庫内容量は付属のグリルパンを重ねたサイズなので非常に小さいが、ハンバーグやノンフライ唐揚げなど、3人分程度ならば、一度に作ることができる。少人数世帯ならメインディッシュ作りに、大人数世帯でも、上で紹介した、焼き野菜など、副菜作りには十分に活躍できそうだ。

 アラジンを使っていてひとつ気になったのが、庫内だけでなく周辺温度もかなり上昇することだ。ヒーターに使っている熱源だけにスイッチを入れると明らかに温度の上昇を感じる。

 本体ドアから10cmの位置に温度計を置いて、280℃で15分のおかず調理時に温度の変化を計測してみたが、スタート時に31℃だった温度は、最後には、39℃まで上昇していた。これは至近距離の温度ではあるが、おかず調理を頻繁に行なう場合は、キッチンの温度管理も少し考えた方がいいかもしれない。

約31℃のキッチンで加熱スタート。トースターの10cm前に置いた
加熱終了時点でトースター前10cmの温度は39℃に。使用時の熱は非常に強いと感じた

 トースターとして非常にハイパワーな熱源を搭載した「アラジン グラファイト グリル&トースター」は、第2世代の強力なトースターとして、トーストを素早く、美味しく焼けるほか、おかず調理も堪能できる。トースターの買い換え候補としてはもちろん、単機能レンジなどを所有している場合に組み合わせて使うのも良さそうだ。

コヤマタカヒロ